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アダプティプP法
 
   
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有限要素法(以下FEMという)は強力な解析手法だが、結果が要素サイズによって変わり、また精度もわからないという設計ツールとしては致命的ともいえる弱点をもっている。それは古典的なFEMで要素内の変形として仮定している1次関数あるいは2次関数(中間節点要素)が複雑な現実の変形を表現するには十分でないことに起因する。

現実の変形に近づけるには2つの方法が考えられる。古典的なFEMで使われているような低次の変形を想定した要素(たとえば1次要素)の場合は要素サイズを小さくしていくことにより、個々の要素内で1次関数であるが、連結した折れ線として近似することで現実の複雑な曲線に近づける。これを示したのがFig.1である。


もう一つの方法は、要素サイズはそのままで要素内の変形の仮定に高次の関数を使用するという方法である。2次関数、3次関数、4次関数...と高次化することで次第に現実の複雑な曲線に近づく。これを示したのがFig.2である。



このように高次関数を使用する有限要素法をP法有限要素法と呼ぶ。

小さい要素サイズにする、あるいは高次の関数を使用すれば精度は向上するが、この作業を個々に行っても必要な精度が得られているのかわからない。そこで、要素サイズを半分にしていく、あるいは高次関数の次数を1次上げるといった操作を自動的に繰り返して精度を上げるという方法が考えられた。これがアダプティブ法である。このうちP法要素の次数を上げて精度を上げるのがアダプティブP法である。

理論解があれば精度は計算できるが、工業製品では理論解はわからないので、精度を評価する項目をあらかじめ決めておいて、アダプティブ法で繰り返し計算を行い、前回の評価値と今回の評価値を比較して精度を推定する方法がとられる。静解析では歪エネルギー、変位、応力などが評価値として用いられる。

そして、評価値の精度が要求する範囲に収まった段階で繰り返しを停止してその段階の解を最終解とする。たとえば、静応力解析で歪エネルギーを評価値にするとFig.3のような収束グラフが得られる。Creo Simulateでは計算時にこのような収束グラフで精度を確認できる。



Creo SimulateはアダプティブP法を採用して工業製品の解析が可能な数少ない商用ソフトである。要素を繰り返し小さくしていって精度を向上させるアダプティブH法も精度改良手法としては可能であるが工業製品の解析が可能な商用ソフトは市場に現れていない。

ではアダプティブP法を使うとどのような利点があるのだろうか?
第一に、要求した精度の解が得られるので安心して設計に使えることがある。これは設計者にとって非常にありがたいことである。
第二に、比較設計が安心して行えることがあげられる。初期設計で複数のモデルを比較解析するとき、各々の解には設計の違いによる差の他に解析誤差も含まれる。
アダプティブP法を使って精度管理をしていれば解析誤差は一定の限度に抑えられているので、本当に欲しい設計の違いによる差が精度よくもとめられる。Creo Simulateではこの利点を活かして、形状変化に対する感度解析や最適設計の機能が標準装備されている。
アダプティブP法についてもっと知りたい方は 
 “アダプティブP法説明書”
Creo SimulateにおけるアダプティブP法について知りたい方は
 “Creo Simulateのソルバー”
を参照されたい。

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