県内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているのに伴い、小中高校生の感染者数も増えている。3月下旬以降、感染した児童生徒は計42人に上り、感染者全体の約1割を占める。春休み中のため休校措置が取られているところはないが、来週には各校で始業式、入学式が行われる。新学期のスタートを控え、県教育委員会や医療関係者は改めて感染防止対策の徹底を呼び掛けている。
県と山形市によると、県内の中学校が春休みに入った3月17日以降に公表された小中高校生の感染者は表の通り。同20日から相次いで確認されており、新規公表者数が45人となった同27日には児童生徒が10人に上った。同居家族の感染が分かり、濃厚接触者としてPCR検査を受けて陽性が判明したケースが多いが、過去事例との関連がない人もいる。
一方、感染の急拡大を受けて3月22日に山形市を対象に独自の緊急事態宣言が出された。これを受け、県教委は県立学校や県内市町村教委に対し、部活動で当面、他校との交流や校内外の宿泊を伴う活動に加え、外部指導者などの参加を控えること、さらに入学式では人数を制限したり小まめに換気をしたりすることなどを要請している。
現段階で新学期は予定通り開始する考え。県教委は「昨年から学校や家庭での生活においてマスク着用、手洗い、人混みを避けるなどの対策を呼び掛けてきた。引き続き、同様の対策の徹底を求め、感染リスクを極力下げるよう努めていく」としている。
山形大医学部の今田恒夫教授(公衆衛生学)は春休み期間中に小中高校生のコロナ感染者が増えている理由として、進学、就職などを前に人の移動が多くなっていることや、大人が感染して家族内でうつる事例が多いと指摘する。
教育現場で留意すべき点については▽児童生徒の体調管理に小まめに気を配る▽無症状でも陽性という可能性を視野に予防策を図る―などを挙げ「マスク着用、手指消毒は当然だが、共有で使うドアなどの消毒、授業の合間の換気など対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。
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