4月4日のJRの乗車拒否のブログで、私の言葉足らず、説明足らずだった点をいくつか補足させていただきます。
しかし、その前に一つ申し訳ないと思っているのが、この一件で、悲しみ、不安を抱える人が出てしまったことです。SNSにたくさんの誹謗中傷が書かれ、私以外の人も苦しみ、外出が怖くなったり、まわりの目をより気にしたりする人が増えています。(あえてその言葉をここで書くのは控えます)私の声のあげ方で、傷つき、不安でいっぱいになってしまった方々、本当にすみません。そしてこれから差別的、攻撃的な声に立ち向かうために、繋がっていくことを考えていけたら嬉しいです。
障害者に対する誹謗中傷、攻撃駅、差別的な言葉はやめてください。書いたことは削除をお願いします。障害があっても、当たり前ですが、電車に乗ったり、買い物に行ったり、旅行に行きたいのです。障害者にもやりたいことをする権利があり、人権が守られるべきです。もちろん誹謗中傷をする方々も、一人の人間なので、その人の人権が守られることも願っています。
以下は、SNSに寄せられた疑問に対する、私の考えです。前回のブログで分かりにくかった点や、書いていない部分もあったので、補足します
1,電車に乗っているのだから乗車拒否とは言えないのではないか?
小田原駅の駅員は私に「来宮駅まではご案内できません。熱海までなら大丈夫です」と言っています。「ご案内はできません」は、案内がないと利用できない車いすユーザーにとっては、利用できない、つまり来宮駅までの乗車を拒否されたのと同じです。
また1970年代の障害者運動のとき、「車椅子は電車・バスに乗れません」と乗車拒否された車いすユーザーたちが、声を上げ続け、電車に乗れるようになり、エレベーターができました。今回もその流れと同じだと私は思っていて、声を上げないと、何も変わらないと思っています。
今回私が声を上げられるのは、障害者差別解消法という法律があるだけでなく、40年以上も前から、電車やバスに乗るために運動を続けてきた先輩障害の方々のおかげです。私がいま電車やバスに乗れたり、ヘルパー制度が使えたり、車いすが支給されるのもその先輩方の運動のおかげであり、私もそれを守るため声を上げていきたいです。
2,熱海駅まで乗れたのだから、それも合理的配慮ではないか?
私の目的地は来宮駅です。来宮駅まで行く方法を考えてもらうことが合理的配慮であり、熱海駅までの利用が合理的配慮になるとは思いません。
3,事前に下調べをしてから行くべき、駅に連絡をしてから行くべき、そしたらこんなことにはならなかったのでは?
私が事前に見たのは「JR 来宮駅」で調べたこのサイトです。
JR東日本:駅構内図(来宮駅) (jreast.co.jp)
こちらには「1F」の表示しかなく、無人駅であることも、車いすは事前連絡が必要なことも書いてありません。よって、いつもJRを利用するときと同様に、連絡をせずに向かいました。今までも、案内に時間がかかっても、また階段しかない駅でも、駅員がいつも車いすを持ってくれます。
ちなみに今回の一件で知ったことですが、「らくらくおでかけネット」というサイトがあり、駅の構造が詳しく載っていて、介助が必要な時の連絡先の電話番号も載っています。今回、初めて知りました。このサイトの情報がもっと広まるといいなと思います。
事前に調べて、連絡すると駅員も集まりやすく、私の待ち時間も減り、お互いにとっていいと思います。しかし、歩いている人たちが電車に乗る時に、駅が使えるかどうかを調べることはほとんどないと思います。「車いすなんだから調べるのは、仕方ない、連絡もしないといけない」というのは、改善していきたいです。なぜなら調べるのも、連絡するのも、手間も時間もかかることだからです。その手間と時間が障害者にだけ強制されるは、差別があるということと同じはないでしょうか。
5.無人駅に4人も人を集めると要求するのは無理があるし、駅員がかわいそう。
駅員にはありがたいし、重い車椅子を持ってもらって申し訳ないとも思います。しかし、他の方法がなかったので、今回はやむをえなかったです。階段を持ってもらうのは危ないですし、駅員の体も心配ですし、本当は避けたいです。高齢者やベビーカーユーザーをはじめ、いろいろな人のためにもエレベーターができることを切に願います。
また日本はバリアフリーが進んでいるように見え、4割以上の駅、約半数の駅が無人駅になっています。サポートが必要な人は使えない、もしくは使いにくい駅が増えているのです。無人駅では、どうやったら、いろいろな人が使えるのか、もしくは使いやすくなるのかを、もっと考えていく必要があります。今回駅員の体や、安全性を心配している方は、ぜひ一緒に考えてもらい、みんなが乗りやすい乗り物を増やしていきましょう。
6.熱海駅で降り、タクシーや歩きで来宮駅までいってはどうか?
車いすが乗れるタクシーは、1か月前に予約して、乗れることが多いです。台数も運転手も限られていることが多いからです。熱海駅の車いすタクシーが、当日に連絡して、すぐに乗れるかは調べていません。そうなっているととてもありがたいです。しかし、私の今までの経験では、その日の予約で車いすのタクシーに乗れたことはありません。一か月前から探しても乗れなかったこともあります。また今回の移動は、私を含めて、5人の乗車で、タクシー2台にわけないといけないため、費用が掛かります。
熱海駅から来宮駅の徒歩では、私のマップでは1.6kmで、目的地が来宮駅だけなら、それもできたかもしれません。しかし駅に着いた後、ランチをし、来宮神社を見て、宿泊地までの移動があり、合計すると最低でも3kmは歩くことになると思いました。それは私も疲れますし、子どもたちにもきついと思いました。
7.感謝の気持ちがないのがおかしい
今回私が声を上げたのは、小田原駅の駅員も、熱海駅の駅員も、「車いすユーザーが電車に乗る」という想定があまりなされていないと感じたからです。そう感じた理由はいくつかあるのですが、一番最初に小田原駅で「来宮までお願いします」と言った時、一回は駅員は了承しました。来宮駅が階段しかない無人駅だということを、小田原駅の駅員は知らなかったのでしょう。
そして次に「来宮駅はご案内できないので、熱海まででいいですか?」と聞かれ、断ることが当たり前だと思っているような印象を受けました。車いすユーザーも来宮駅を利用することがある現実を、一緒に考えてもらいたい、会社として体制を整えてほしいと思い、交渉を続けることにしました。
小田原駅は新幹線も止まる駅で、利用者も多いだろうし、小田原駅から私のように観光地の熱海に行く人も少なくはないでしょう。熱海の駅事情を小田原駅の駅員さんも熟知してもらい、車いすの人が来た時にどうするかを、駅員だけでなく、会社全体で考えるきっかけになってほしいと考えました。
その後も小田原駅で、私が来宮駅までお願いしますと、交渉を続けても「熱海駅は一切、そういう手配はしないと言っています。」の一点張りでした。障害者差別解消法では、問題を解決するための方法を考える努力義務があります。「熱海駅は一切なにもしません。私たちも管轄外です」というのは努力義務にあたるのでしょうか?私には、努力しているようには見えなかったので、人を集めて下さい、小田原駅の駅員さんが一緒に行ってください、車いすが乗れるタクシーを探してください、と提案し、合理的配慮の形を提案しました。次に車いすユーザーが来た時の参考になるようにです。
そして熱海駅の駅員さんは丁寧、親切でしたが「今回は特別ご案内します」と言われたのを改善していきたいと思いました。私だけが例外で案内されるのではなく、今後も合理的配慮の一つとして、車いすユーザーがいたら案内することを努力義務の一つにしてほしいと願います。感謝をした人だけが恩恵を受けるのではなく、合理的配慮は当たり前にあってほしいと考えます。
そして無人駅だから、もしくは階段しかないから、という理由で、車いすユーザーは事前連絡が必要なら、小田原駅でも、熱海駅でも、それを教えてほしかったです。それを提示するのも合理的配慮の努力義務の一つです。「事前にこちらにお電話いただけるとスムーズです」と伝えるのもいい方法だと思います。しかし、今回、事前連絡に関しては、帰る日に私が、「次からはどうしたらいいですか?」と聞いたときにやっと伝えてくれました。
私が駅員に無理強いする印象を与えてしまいましたが、駅員に「無理です」「管轄外です」「今回は例外です」と言われ続けたので、私としては粘り強く交渉を続けるための姿勢でした。それが批判の対象になったことは残念ですし、他のやり方があるなら一緒に考えてほしいです。
7.声をあげるのは大事だが、この訴え方はおかしい。メディアを呼ぶのもやりすぎだ。
今回、小田原駅でも熱海駅でも、障害者差別解消法の合理的配慮の努力義務があまりなされていないと感じ、今後どうやったらそれが改善されるかを考えました。そのためには一人でも多くの人にこの現実があることを知ってもらい、車いすユーザーも電車に乗り、熱海旅行に行くことを可視化したいと考えました。そうしないと会社全体の体制はなかなか変わらないと思ったからです。それなのでメディアを呼ぶことを考えました。決して、駅員を非難するためではなく、会社として合理的配慮をより考えてもらうためのきっかけにするためです。
私が目立ちたくて、計画的にやったわけでは全くなく、交渉を続ける中でメディアに連絡しただけです。そしてこの数日で、たくさんのメディアが取り上げてくれ、今後より議論が活発になり、合理的配慮の考えが広まり、いろいろな人が利用できる、利用しやすい乗り物が増えることを願います。
8.コロナ渦
4月4日のJRの乗車拒否のブログで、私の言葉足らず、説明足らずだった点をいくつか補足させていただきます。
しかし、その前に一つ申し訳ないと思っているのが、この一件で、悲しみ、不安を抱える人が出てしまったことです。SNSにたくさんの誹謗中傷が書かれ、私以外の人も苦しみ、外出が怖くなったり、まわりの目をより気にしたりする人が増えています。(あえてその言葉をここで書くのは控えます)私の声のあげ方で、傷つき、不安でいっぱいになってしまった方々、本当にすみません。そしてこれから差別的、攻撃的な声に立ち向かうために、繋がっていくことを考えていけたら嬉しいです。
障害者に対する誹謗中傷、攻撃駅、差別的な言葉はやめてください。書いたことは削除をお願いします。障害があっても、当たり前ですが、電車に乗ったり、買い物に行ったり、旅行に行きたいのです。障害者にもやりたいことをする権利があり、人権が守られるべきです。もちろん誹謗中傷をする方々も、一人の人間なので、その人の人権が守られることも願っています。
以下は、SNSに寄せられた疑問に対する、私の考えです。前回のブログで分かりにくかった点や、書いていない部分もあったので、補足します
1,電車に乗っているのだから乗車拒否とは言えないのではないか?
小田原駅の駅員は私に「来宮駅まではご案内できません。熱海までなら大丈夫です」と言っています。「ご案内はできません」は、案内がないと利用できない車いすユーザーにとっては、利用できない、つまり来宮駅までの乗車を拒否されたのと同じです。
また1970年代の障害者運動のとき、「車椅子は電車・バスに乗れません」と乗車拒否された車いすユーザーたちが、声を上げ続け、電車に乗れるようになり、エレベーターができました。今回もその流れと同じだと私は思っていて、声を上げないと、何も変わらないと思っています。
今回私が声を上げられるのは、障害者差別解消法という法律があるだけでなく、40年以上も前から、電車やバスに乗るために運動を続けてきた先輩障害の方々のおかげです。私がいま電車やバスに乗れたり、ヘルパー制度が使えたり、車いすが支給されるのもその先輩方の運動のおかげであり、私もそれを守るため声を上げていきたいです。
2,熱海駅まで乗れたのだから、それも合理的配慮ではないか?
私の目的地は来宮駅です。来宮駅まで行く方法を考えてもらうことが合理的配慮であり、熱海駅までの利用が合理的配慮になるとは思いません。
3,事前に下調べをしてから行くべき、駅に連絡をしてから行くべき、そしたらこんなことにはならなかったのでは?
私が事前に見たのは「JR 来宮駅」で調べたこのサイトです。
JR東日本:駅構内図(来宮駅) (jreast.co.jp)
こちらには「1F」の表示しかなく、無人駅であることも、車いすは事前連絡が必要なことも書いてありません。よって、いつもJRを利用するときと同様に、連絡をせずに向かいました。今までも、案内に時間がかかっても、また階段しかない駅でも、駅員がいつも車いすを持ってくれます。
ちなみに今回の一件で知ったことですが、「らくらくおでかけネット」というサイトがあり、駅の構造が詳しく載っていて、介助が必要な時の連絡先の電話番号も載っています。今回、初めて知りました。このサイトの情報がもっと広まるといいなと思います。
事前に調べて、連絡すると駅員も集まりやすく、私の待ち時間も減り、お互いにとっていいと思います。しかし、歩いている人たちが電車に乗る時に、駅が使えるかどうかを調べることはほとんどないと思います。「車いすなんだから調べるのは、仕方ない、連絡もしないといけない」というのは、改善していきたいです。なぜなら調べるのも、連絡するのも、手間も時間もかかることだからです。その手間と時間が障害者にだけ強制されるは、差別があるということと同じはないでしょうか。
5.無人駅に4人も人を集めると要求するのは無理があるし、駅員がかわいそう。
駅員にはありがたいし、重い車椅子を持ってもらって申し訳ないとも思います。しかし、他の方法がなかったので、今回はやむをえなかったです。階段を持ってもらうのは危ないですし、駅員の体も心配ですし、本当は避けたいです。高齢者やベビーカーユーザーをはじめ、いろいろな人のためにもエレベーターができることを切に願います。
また日本はバリアフリーが進んでいるように見え、4割以上の駅、約半数の駅が無人駅になっています。サポートが必要な人は使えない、もしくは使いにくい駅が増えているのです。無人駅では、どうやったら、いろいろな人が使えるのか、もしくは使いやすくなるのかを、もっと考えていく必要があります。今回駅員の体や、安全性を心配している方は、ぜひ一緒に考えてもらい、みんなが乗りやすい乗り物を増やしていきましょう。
6.熱海駅で降り、タクシーや歩きで来宮駅までいってはどうか?
車いすが乗れるタクシーは、1か月前に予約して、乗れることが多いです。台数も運転手も限られていることが多いからです。熱海駅の車いすタクシーが、当日に連絡して、すぐに乗れるかは調べていません。そうなっているととてもありがたいです。しかし、私の今までの経験では、その日の予約で車いすのタクシーに乗れたことはありません。一か月前から探しても乗れなかったこともあります。また今回の移動は、私を含めて、5人の乗車で、タクシー2台にわけないといけないため、費用が掛かります。
熱海駅から来宮駅の徒歩では、私のマップでは1.6kmで、目的地が来宮駅だけなら、それもできたかもしれません。しかし駅に着いた後、ランチをし、来宮神社を見て、宿泊地までの移動があり、合計すると最低でも3kmは歩くことになると思いました。それは私も疲れますし、子どもたちにもきついと思いました。
7.感謝の気持ちがないのがおかしい
今回私が声を上げたのは、小田原駅の駅員も、熱海駅の駅員も、「車いすユーザーが電車に乗る」という想定があまりなされていないと感じたからです。そう感じた理由はいくつかあるのですが、一番最初に小田原駅で「来宮までお願いします」と言った時、一回は駅員は了承しました。来宮駅が階段しかない無人駅だということを、小田原駅の駅員は知らなかったのでしょう。
そして次に「来宮駅はご案内できないので、熱海まででいいですか?」と聞かれ、断ることが当たり前だと思っているような印象を受けました。車いすユーザーも来宮駅を利用することがある現実を、一緒に考えてもらいたい、会社として体制を整えてほしいと思い、交渉を続けることにしました。
小田原駅は新幹線も止まる駅で、利用者も多いだろうし、小田原駅から私のように観光地の熱海に行く人も少なくはないでしょう。熱海の駅事情を小田原駅の駅員さんも熟知してもらい、車いすの人が来た時にどうするかを、駅員だけでなく、会社全体で考えるきっかけになってほしいと考えました。
その後も小田原駅で、私が来宮駅までお願いしますと、交渉を続けても「熱海駅は一切、そういう手配はしないと言っています。」の一点張りでした。障害者差別解消法では、問題を解決するための方法を考える努力義務があります。「熱海駅は一切なにもしません。私たちも管轄外です」というのは努力義務にあたるのでしょうか?私には、努力しているようには見えなかったので、人を集めて下さい、小田原駅の駅員さんが一緒に行ってください、車いすが乗れるタクシーを探してください、と提案し、合理的配慮の形を提案しました。次に車いすユーザーが来た時の参考になるようにです。
そして熱海駅の駅員さんは丁寧、親切でしたが「今回は特別ご案内します」と言われたのを改善していきたいと思いました。私だけが例外で案内されるのではなく、今後も合理的配慮の一つとして、車いすユーザーがいたら案内することを努力義務の一つにしてほしいと願います。感謝をした人だけが恩恵を受けるのではなく、合理的配慮は当たり前にあってほしいと考えます。
そして無人駅だから、もしくは階段しかないから、という理由で、車いすユーザーは事前連絡が必要なら、小田原駅でも、熱海駅でも、それを教えてほしかったです。それを提示するのも合理的配慮の努力義務の一つです。「事前にこちらにお電話いただけるとスムーズです」と伝えるのもいい方法だと思います。しかし、今回、事前連絡に関しては、帰る日に私が、「次からはどうしたらいいですか?」と聞いたときにやっと伝えてくれました。
私が駅員に無理強いする印象を与えてしまいましたが、駅員に「無理です」「管轄外です」「今回は例外です」と言われ続けたので、私としては粘り強く交渉を続けるための姿勢でした。それが批判の対象になったことは残念ですし、他のやり方があるなら一緒に考えてほしいです。
7.声をあげるのは大事だが、この訴え方はおかしい。メディアを呼ぶのもやりすぎだ。
今回、小田原駅でも熱海駅でも、障害者差別解消法の合理的配慮の努力義務があまりなされていないと感じ、今後どうやったらそれが改善されるかを考えました。そのためには一人でも多くの人にこの現実があることを知ってもらい、車いすユーザーも電車に乗り、熱海旅行に行くことを可視化したいと考えました。そうしないと会社全体の体制はなかなか変わらないと思ったからです。それなのでメディアを呼ぶことを考えました。決して、駅員を非難するためではなく、会社として合理的配慮をより考えてもらうためのきっかけにするためです。
私が目立ちたくて、計画的にやったわけでは全くなく、交渉を続ける中でメディアに連絡しただけです。そしてこの数日で、たくさんのメディアが取り上げてくれ、今後より議論が活発になり、合理的配慮の考えが広まり、いろいろな人が利用できる、利用しやすい乗り物が増えることを願います。
8.コロナ禍に旅行に行くのはおかしい
私も悩みました。しかし、わが子たちは、沖縄で祖父母に会うのを楽しみにしていたのに、それがなくなり、代わりとなる楽しみを作りたかったのです。車いす、かつ5人の旅行なので、公共交通機関で行けるところ。そして、感染リスクを減らすため、近場で、密にならずに、換気が十分にあるところ、と考え、平日に、来宮神社と、貸し切り温泉がある、駅から歩いて行けるホテルを選びました。私としては感染リスクが減らせるように考慮をしたつもりですが、もちろん感染する可能性はゼロではないので、そこは心配、非難されても仕方がないと思っています。
9.やってもらって当たり前という態度に違和感。
私は交渉をし続けた私だけが、合理的配慮を十分に受けられるのは良くないと思っています。むしろ交渉して、粘らないと合理的配慮が受けられないのはおかしいです。誰でも、当たり前に、必要な時は合理的配慮があるべきです。そう願っているので、敢えて冷静な態度をとりました。今回交渉の末、対応していただけたのはありがたいですが、これが例外ではなく、今後も会社全体で考え、当たり前の合理的配慮として定着してほしいです。またいま、この障害者差別解消の合理的配慮の、企業への「努力義務」は「義務」に変わる動きがあります。だからこそよりみんなで考えていく必要があります。
そして、歩いている人たちが、毎回電車を利用するたびに、「駅員さん、ありがとうございます」と思っていても、それを言葉でわざわざ言うことはないように、障害のある私も同じ状況になるといいなと願っています。
合理的配慮を広めるための私のとった行動が、まだまだ不十分であったり、他の方法もあるとは思います。それも今後考えながら、障害のある人も当たり前に、気軽に、電車に乗って、旅行に行けるようになりますように。人権が守られ、声を上げる必要がなくなることが私の本望です。その日が早く来るのを願いながら、仲間を増やし、声を上げ続けていきたいです。