2010年08月16日

ラインダンス!!

韓国から帰ってきたら、OSK後援会桜の会機関紙「SAKURA TIMES第10号」が届いていた(嬉)。

もう10号ですか。

その中の南座公演の報告にラインダンスに関する記述があった。



さて。OSKファンならみんな大好き(であるに違いない)ラインダンスについて、56年前にこんなことを書いている振付師がいる。

「僕はラインダンスが好きだ」新井重美※)(松竹歌劇後援会本部機関紙「SKK便り」東京踊り号No.14  1954年:昭和29年 4月30日発行より)

遠目には川路龍子に見えたけどちょっと違うような気も…

 =僕はラインダンスが好きだ=なんて言うと人は負け惜しみだというかも知れぬ。しかし、事実なのだ。僕の魂(?)はラインダンスを愛している。ラインダンスを見ている僕は幸福だ。まして創っている時の、振付けている時の僕は、まさに夢心地なのだ。

 歌劇に入って今まで、ラインダンスばかりやらされていた為だろうか。レッスン、振付、旅のときの直し‥悉く僕の仕事だ。僕の夢-過去の夢も現在の夢も、僕はラインダンスの中に描かねばならなかった。確かにそういう理由もあることはある。しかし、それ丈の理由ではない。理屈無しに、魂が、肉体が、愛しているのだ。おそらくは恋人を愛するのと同じ様に・・・。

 人間は恋をする時、理由を持っていない。美しいとか、親切だとか、利口だとか、-そんなものは後から附けた屁理屈に過ぎない。理屈はどうにでも附くって言うことの典型みたいなものだ。

 その屁理屈を人に喋る話を世間では惚気(のろけ)と言う。
 
 以下、僕のお惚気を少し・・・我田引水、手前味噌は惚気話の特質だから仕方がない。

 ラインダンスはレビューの真髄である。メカニックな美しさ、スピード感、リズムの快感、適度のセックスアピール、そう言うレビューの本質を極度に洗練して持っているのがラインダンスだ。それは正に、レビューと言う芸術の或る面の頂点を画しているものなのだ。メカニックと言う事が、正確さ、周到さを極度に要求する。

 例えば、振付の時のステップの作り方。普通の踊りならば問題にはならぬ事が、重大な意味を帯びて来るのだ。

 足を二回上げる時、右足を続けて二回上げるか、右と左を交互にするか、と此んな事が振付の良否を決定するのだ。

 振りの切れ方の問題だ。何しろ純粋のメカニズムなのだ。

 少しのごまかし、中途半端は許されない。踊り手にしてもそうだ。誰が見たって間違った踊り手は直ぐ解る、サボっている踊り手も然り-。

 人間の中にメカニズムを無くする事が芸術の一つの使命だとしたら。

 それを極度に強調する事は、逆説的に高度の芸術性を意味する。

 そろそろボロが出そうな論説(?)になって来た。此の辺で止めておく方が無難だ。

 むずかしい事を止めよう。

 僕はラインダンスが好きなのだ。

☆原文は旧仮名づかい。明らかな誤字は修正しています。

※)新井重美氏は、アトミックガールズの結成から1990年のレビュー公演の最後まで、SKDのラインダンスのほとんどを振付けてきた、いわば「SKDラインダンスの創造主」。1954年(昭和29年)のこの時点で(アトミックガールズの結成は1951年:昭和26年)すでに「ラインダンスばかりやらされてきた」そうで、「いやいやあと36年は続けてもらうんですけど。」と思わずツッコミを入れたくなる。


どうですか。56年たっても何一つ色あせていない内容だと思いませんか。

むずかしいことは止めます。私もラインダンスが好きだし、OSKが好きなのです。



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この記事へのコメント

1. Posted by go×3OSK   2010年08月17日 00:22
OSKの【ロケットボーイ付き】ラインが大好物ではあるのですが…

大抵の場合、この後、フィナーレABCとかで公演も終盤な訳でして、ちょっと寂しくもあります。
2. Posted by ささかまちゃん   2010年08月17日 10:21
ラインダンス。
良いですよね。
OSKのラインダンスを見ると宝塚のラインダンスは物足りないですね。
速くないし、時間短いし。ただ今回の「EXCITER」のラインダンスは美しかった。あとは、演者が宝塚の場合若くて可愛い。まあ宝塚でラインダンスは下級生の出番ですからね。
男の私としては一列目なんかに座ってしまうと目のやり場に困るので、宝塚大劇場なら15列ぐらいからみたいなと思います。
一番はDVDで見る。

ところで、ラインダンスに謎があります。
背中に羽根ついてるのはなぜ?でしょう?
3. Posted by ヒョンちゃん   2010年08月17日 17:14
5 ちどりさまへ

(メールサーバが可笑しくてここにお書きします。ご了解ください。)

連絡がが遅くなってしまいました(泣)。言い訳をお書きしますと「土曜日の深夜、日曜日は一日中(!!!)親友達と遊んで、月曜日の朝に「体力ギリギリ」状態でジンジュに帰ってきました」からです・・・。本当にすみません・・・

たくさんのプレゼントを、ありがとうございました。母さんもものすごく喜んでいました。海苔とお菓子は家族と分けて食べず、全部ジンジュに持ってきました。(^_^)早くブログに書いて紹介(自慢(笑))したいですが、今週は8月末に行われる大学院の行事(8月31日附で退任する教授がいます)の準備のため・・・しばらく延期しなければなりません。できれば早くアップしますので、ぜひ遊びに来てくださいね!!

では、またメール致します。(^_^*)
厚い日々が続きますが、くれぐれお体に気をつけてください!!
4. Posted by ちどり   2010年08月18日 02:21
>go×3OSKさん。そうなんですよね。ラインダンスが出てくると、もうショーも終盤。だからそこから盛り上がりがふた山くらいある作品が「てんこ盛り感」一杯で好きですね。ラインダンスも、「もう終わりかな」とちょっと寂しくなる頃合いにさらなる盛り上がりがあるこないだの南座公演の振り付けはすっごくうれしかったですね。SAKURA TIMES Vol.10にあるように、終盤に手をつないで、それを上げて前にどんどん迫ってくるんですからね。あれはよかった。手をつないで上に上げながらあのテンポで足を上げ続けてさらに前進するって、さぞかし難しいんでしょうね。

5. Posted by ちどり   2010年08月18日 02:22
>ささかまさん。そうですか?私には「EXCITER」のラインダンスも、あまり普段と変わらなかったような気がしますが・・・。どこが決め手だったのでしょうか。

羽根に意味はありません。着物に袂があるのはなぜですか?ズボンの裾にダブルがあるのはなぜですか?元々は意味があったのでしょうが、今は単にデザインの問題ですよね。そんなものだと思います。ただ、裏の意味はあります。「EXCITER」のラインダンスの、出演者の皆さんのお尻のカーブが衣裳からはみ出てるのが気になって、「OSKで気になったことがないのは、みんなダンサー尻だからはみ出ないからなのかな」などと思ってDVDを見てみたら、昔のものはいざ知らず、ここ最近ものは羽根&リボンなどでお尻をうまく隠していました。昔はそれこそダンサー尻じゃないととても着こなせないような鉄腕アトムのコスチューム(トラウマ?)などもありましたが。OSKのラインダンスには私はセックスアピールは感じません。ジェンダーもセクシュアリティも女の私には女のセックスアピールは邪魔です。だからこそ体育会系のOSKのラインダンスがとても好きです。だけど振り付けばかりではなくそういうちょっとした工夫もセックスアピールを上手に消している要因なのかな、と今回感じました。こんなお答えでいかがですか。
6. Posted by ちどり   2010年08月18日 02:32
>ヒョンちゃん。それはそれはお疲れ様でした。土曜日、あれからですか!韓國の方はエネルギッシュだわあ(感嘆)。それで月曜日から通常生活ですか。それはそれは・・・また参鶏湯食べないといけませんね。日本の海苔はお口に合わなかったら一人で2パックは多いなあ。お友達に無理矢理あげてください。

本当は、私は味を全くつけない「焼き海苔」が好きなのです。ただそれはよほど海苔が上質で、海苔本来の味と香りがよくないと美味しくないので、今回は「味海苔」を持って行きました。「焼き海苔」の方が日本文化を体現しているような気がします。それはまたの機会に。

宿題は・・・もうちょっと待ってくださいね。お聞きした本は注文しましたよ。二、三日中に届く予定です。読みこなせるかな?

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