2010.04.05 (Mon)
Petit Petit Cafe
アカトさんとこに投稿しましたぺちぺち喫茶です。とりあえずこちらにも掲載しときますね。
【Petit Petit Cafe】
「お尻を振らない」
「んあぁぅっ!! ごっ‥‥ごめんなさぁいっ!!」
アヤカさんの厳しい声と一緒に、『ばちーんっっ!!』ってすごい平手がお尻に落ちてくる。痛い痛いお尻に我慢できなくて、どうしてもかっこ悪い叫び声が漏れてきちゃう。
衝撃がお尻から背中まで突き抜けるみたいに身体がはねちゃって、それからすぐに力が入らなくなってぐったりして‥‥。さっきからずっとこんなのの繰り返し。
椅子に座ってるアヤカさんのお膝の上で僕は、陸にあげられた魚みたいにピチピチもがくしかできない。
下の制服もトランクスも膝まで下ろされてお尻は丸出し。そのお尻もいい加減熱くて変になってきて‥‥。
もう時々お尻をなでてもらわないと、ぺちんされちゃう怖さでお尻が勝手に逃げる準備をし出すようになってきちゃった。
「誠也くん、今ので何回目なの?」
「よ、よんじゅっ‥‥回、です‥‥」
「そう、ちゃんと数は数えてるのね。あと10回したら少し休憩してあげるから、お尻振っちゃだめよ」
えぇ、そんなぁ‥‥。あと10も叩かれるって思うだけでもうお尻隠したくなるくらいなのに。
アヤカさんは優しそうな声で「まだまだ叩くわよ」ってひどいことを暗に告げてきて嫌になっちゃう僕。
お皿割ったの今日で三回目だから、いつもより平手はずっと痛いし、やっぱりお仕置きもずっと長くされるみたい。
「あぁ‥‥やめてよぉ‥‥ペンしないで‥‥」
さわさわとお尻をゆっくりなでられて、しばらくすると優しく叩くぺちぺちに切り替わる。
このぺちぺちが止まった時が手を振り上げた時だから、瞬間的に僕はお尻を堅くさせて身構える。
「痛いでしょうけど、我慢するのよ。よんじゅういちっ!」
ぱぁちいぃーん!!
「ぅぅ~~っ!! ご、ごめんなさぁい!」
痛いぃ‥‥っっ!! いくらお尻の準備ができていても、40回も叩かれた僕のお尻はぺちんの痛さに我慢なんてできなかった。叩かれて、大きな声が出ちゃってついお尻も逃がしちゃう。
「こら、誠也くん! お尻大人しくしないと、なでなでしないでペンにするわよ。
我慢できないって言うからなでてあげてるのに。お尻逃げるんじゃ意味ないじゃないの」
でも、お尻逃げるのは許してもらえないみたい。逃げたお尻を軽く叩かれて、さっきよりもきつい口調で叱られる。
「ひぐっ‥‥も、戻すよぉ‥‥くぅっ‥‥痛いぃ‥‥」
なでなで無しですぐペンペンなんて絶対耐えられない。そんなの考えるだけで恐ろしくて、渋々お尻を定位置に戻す僕。
もうお尻は奥の方までじんじん痛んで熱くなってる。
「そう、いい子ね。じっとしてるのよ」
なでなで なでなで
「ん‥‥っ」
あぁ、なでなでが気持ちいい‥‥。ちゃんとお尻戻すと、そのお尻を褒めるみたいにアヤカさんはゆっくりなでなでしてくれる。
このときはお尻気持ちよくて、もぞもぞ甘えてしまえてちょっとだけ嬉しい気持ちになる。
「さ、あと9回我慢よ」
う‥でもあと9回残ってるんだ‥‥。
そう考えると、なでなでする手もお尻に狙いを定めてるように感じてしまって、お尻がびくびく震えてきちゃう。
「うぅ~‥‥アヤカさん、僕、なでなでだけされたい。‥‥ペンはやだよ」
「それじゃお仕置きにならないでしょ。
元はと言えば、お尻痛くしてないとすぐ言い付け忘れる誠也くんが悪いんじゃないの。何なら、割ったお皿代を給料から引いて許してあげてもいいのよ」
「や、やだよ‥‥っ! あれ高いじゃない。あんなの僕払えないよっ」
「じゃあ大人しくお尻突き出してなさい」
ぴしゃりと言われて、何も言えないままお尻なでなでがぺちぺちに変わる。
こうなるとお尻にしか意識が向かないから、アヤカさんの説得も諦めて僕はただお尻を強張らせるだけになっちゃう。
うぅ‥‥研修の頃は良かったなぁ‥‥。アヤカさん優しかったし、色々教えてくれて、お仕置きもされなかったのに。
またあの頃に戻りたい‥‥。
このお願いが叶うなら、流れ星でも短冊でも神社の絵馬でも何にだってお願いするのに。
僕は高見誠也。今年の冬からここの駅前カフェ『Sweet Patio』で働き始めたアルバイト一年生で、いつもドジばかりしてはアヤカさんにお尻を叩かれる日々を送ってる。
アヤカさんは一人でカフェを経営してたお姉さん。妃アヤカって名前。下の名前の漢字は難しくてよく覚えてない。
僕がアルバイトを始めたのは、常連で顔馴染みだった僕に「ここで働いてみない?」ってアヤカさんの方からスカウトしてきたことがきっかけだった。
‥‥あの時は、まさかこんなことになるなんて思っても見なかったけど。
「はぁ、誠也くんがこんなに世話の焼ける子だなんて思わなかったわ」
「僕だって‥‥アヤカさんがこんなお尻出して叩くセクハラ上司だなんて思ってなか痛ぁぃっ!?」
「誰がセクハラですって!? まったく、憎まれ口叩くことだけは一人前なんだから」
口答えしようとしたところを不意打ちで叩かれて、何の準備もできてなかったお尻に突然すごい激痛が走っちゃう。
もうお尻やだ‥‥。しくしく泣き出す僕のお尻を、ヒリヒリが落ち着くようにまた優しくなでられる。それが心地よくて、僕はそれ以上口答えする気をなくして自分の腕に顔をうずめてしまう。
「うぅ~‥‥アヤカさんズルいよ‥‥」
「何がズルいって言うのよもう。
お仕置きでお尻叩くのは仕方ないでしょ。誠也くん、一体これでお仕事ミスしたの何回目なのよ?」
「え‥‥そんなの覚えてない‥‥」
「それは、数え切れないほどドジしてるってことでしょう? 研修中にあれだけ言っても直らないんだから、身体で覚えてもらうしかないじゃないの」
うぅ‥‥何も言い返せない。それについてはアヤカさんの言うとおりだったから。お尻叩かれるのは嫌だけど、自分でもこのドジは直さなきゃいけないってわかってるから。
僕は昔からおっちょこちょいで、ちょっとした不注意でケガしたりなんて日常茶飯事だった。家事手伝いでも文化祭の準備とかでも、必ず何かドジして周りを騒がせてたことしか思い出にないし。
僕だって好きでドジっ子でいるわけじゃないんだけど、いつまで経ってもいくら頑張ってもこれは直しようがなくて。
両親なんか「もうこれは天性の才能だ」ってため息をついてたくらい。
当然、そんな僕じゃ慣れないお店の仕事なんてミスだらけで、バッシング中にこけて食器割ったり、名前呼ばれただけでビックリして飲み物こぼしたり、その後始末中にバケツにつまずいて逆に清掃仕事が増えちゃったりと散々な仕事っぷりだった。
一人じゃ人手が足りないから、明るくて真面目そうな僕を入れたって言ってたアヤカさんもこれには面食らったみたいで、いつも困り果てた顔してた。
始めの頃は「これから頑張ればいいのよ」って苦笑いで励ましてくれてはいたんだけど、同じミスを何度も繰り返しているうちにアヤカさんの叱り方も日に日に厳しくなっていって‥‥。
とうとうこの間、コーヒーの種類を取り違えて散々クレームを付けられた日は許してもらえなくなって、お店閉めてすぐ「お尻出しなさい!!」ってすごい剣幕で怒られて、その日は泣き声が枯れて出なくなるまで徹底的にお尻をお仕置きされた。
それからは僕が何かミスするたびに、罰としてミスの内容に応じたお仕置きをお尻に受ける決まりになっちゃった。
「いい、誠也くん? 研修期間はもう終わったの。もう誰かがミスをフォローしてくれるなんて思わないこと。誠也くんがドジしたんだから、その罰も誠也くんが受けて当然でしょ?」
「うぅ‥‥わかってますけどぉ‥‥何でお尻ペンペンなの~?」
「だから、誠也くんに身体で覚えてもらうためでしょ。ドジしたらお尻って覚えておけばミスも減るし、それにお仕事中もお尻ひりひりしてれば、どうしてお仕置きされたかも忘れないでしょう?」
うぅ、そんなのひどいよ。痛いお尻でお仕事なんて、どれだけつらいかアヤカさん知らないくせに。いつもペンペンの次の日とかは歩くだけでお尻に気を使うのに‥‥。
ふとお尻に意識を集中してみる。50回叩かれて茹で上がったみたいに熱く感じる僕のお尻は、なでられただけでも奥の方がズキッとして痛い。これじゃ、もう明日は椅子に座って休憩もできないってわかっちゃう。
「アヤカさん‥‥もういいでしょ? 僕反省しました。お尻だってきっとしばらくは痛いままだと思う‥。だからもう許して‥‥」
「ダメって言ってるでしょ。約束通り100まではきっちり叩くわよ。いくらお願いしても絶対途中でやめにはしないから、そのつもりでいなさい」
「で、でもお尻が~‥‥」
「痛いのはわかってるわよ。だからこうしてなでてあげてるんでしょ。それでもワガママ言うようなら、もう途中ケアはなしにするわよ」
そんなぁ‥‥。それじゃどうやってもお尻はまだまだ叩かれるじゃない‥‥。
これ以上されたら明日お仕事できないのに。嫌~な手はそんなことお構いなしって言うように僕のお尻をなで回してくる。
どうせいくら謝ってもアヤカさんは決めた数は絶対叩くから、何言っても無駄なのはわかってるんだけど‥‥。
アヤカさんのお仕置きは、いつもお店を閉めて2人きりになった時に叩かれる。
お仕事中に僕が何かミスをすると、まずその場でお尻に一発。お客さんが見てようが関係なく怒られて、「後でわかってるわね」ってお仕置きの宣告をされる。
閉店してお掃除とか一通りお仕事が終わると、外から見えないようにカウンターの内側に連れて行かれてお尻ペンペン。
カウンター席の椅子を2つ持ってきて、片方にアヤカさんが座って、僕がそのお膝に乗って上半身をもう一つの椅子に預けて、それからお尻を丸出しにされて叩かれる。
もう何度も繰り返したやりとりだから身体が覚えちゃってる。何だか悲しい。
お仕置きの回数はその日のミスのひどさで決められちゃう。
遅刻したらお尻20回、サボったりいい加減にお仕事したらお尻30回、お店の物壊したらお尻50回とか色々ルールがあって、1日のミスの合計をまとめて平手でペンペンされる。
減刑なんてなくて、お尻我慢できなくて泣いて暴れるようになっても決めた回数が終わるまでは絶対許してもらえない。泣きそうになっちゃう。
そのくせミスの重大さ次第でペンペン追加はあるんだから、もうやだ。
今日みたいに同じミスを繰り返してしまうとお尻50回が100回になったり。『白い食器は食洗機に入れない』って簡単な決まりも守れないお尻にはこれくらい必要だとか言って、僕のお尻のことなんか考えないで酷いお仕置きも平気でしたりする。
―――いちどお掃除中にこけた時、とっさに前にいたアヤカさんに捕まろうとして、間違ってタイトスカートをお客さんの前でずり下ろしちゃった時はもうお尻死んじゃうかと思った。
「さ、誠也くん、そろそろお尻叩き再開するわよ。お尻上げなさい」
地獄のような思い出の回想をしていた所で、突然お尻への感触が変化して僕は我に返った。
「っ‥‥いた‥‥っ」
今までなでられていたお尻がいつの間にかぺちぺちに変わってる。優しい叩き方だけど、腫れたお尻にはちょっぴり痛くて僕は小さく悲鳴をあげてしまう。
「あ‥‥アヤカさん、それ痛い‥‥」
「ほら、お尻上げるの。もう休憩は充分したでしょう? そろそろお仕置きの仕上げするから、早く言うとおりにしなさい」
柔らかいアヤカさんの声でお仕置きの準備を促される。それで僕はせっかく忘れてた、今はまだお仕置き中ってことを思い出してしまう。
あぁ‥‥またこれから50回も叩かれるの‥‥?
何だかうんざりしてくる僕。茹で上がった熱々なお尻はもう痛いのは嫌って言ってる。さっきまでの痛い記憶も手伝ってなかなか素直にお尻を上げられない。
お尻上げずに目をつむって震えたままでいると、怒ったのかぺちぺちする力がどんどん強くなってきた。
「うぅ‥‥いっ、いたっ、いたいっ‥‥やだ、アヤカさんっ‥‥!」
「ほら、お尻! 何度も言わせないの!」
右、左と交互にお尻を叩かれて、しかも下から上に払うようにされて「お尻上げなさい」って直接お尻に催促される。怖くなった僕は慌ててもぞもぞお尻動かして斜め上に突き出すような姿勢をとった。
「うぅっ‥‥やだ‥‥このカッコ恥ずかしい‥‥」
「やだじゃないでしょ、ホント世話焼けるんだから‥‥。恥ずかしくてもお仕置きなんだから、言われたら素直にお尻出しなさいよ」
ため息をついて、アヤカさんはお尻をひとなでしてから手を離した。
また叩かれるんだ‥‥。怖くて、火照ってじんじんするお尻がいやでも強張ってふるふる震えてきちゃう。
「さぁ。あとお尻50回、痛くてもお尻逃げないように頑張るのよ」
「っ‥‥はい‥‥」
覚悟を決めた僕の言葉と同時に、アヤカさんの手がゆっくり振り上げられる気配がする。
僕は目をつむって、組んだ腕の中に顔をうずめてお仕置きに備える。
「行くわよ。ごじゅう‥‥いちっ!!」
ばちーーーーんっ!!
「~~~っ!!!」
お尻に浴びせられる強烈な一撃で、さっきまで忘れてた痛みが全部戻ってきた。
「う‥ううぅぅ~~‥‥」
意識が飛びそうなほど痛くて、叩かれたあとのヒリヒリも我慢できないほど痛い‥‥。思わずお尻に手をやってしまいそうになって、それより早くアヤカさんの手がお尻をなでてくれる。
「1回目は逃げなかったわね、偉いわよ」
「アヤカさん‥‥やっぱりもうお尻だめですよぉ‥‥」
「だめよ、頑張りなさい。さぁ次よ、ごじゅうにっ!」
ばしいぃぃん!!
「ひぁ‥‥っ!!」
反対側のお尻が凄い音を立てて弾ける。身体が勝手に仰け反って、信じられないほど高い声が喉の奥から漏れ出すように出てくる。
うぅ‥‥何で2回目がこんなに早いの? どうしてもっとなでてくれないの?
さっきまでと違って叩くペースが速い気がして、痛さで震えながら抗議の声をあげる僕。
「どー‥‥してっ? 痛いよっ‥‥なでてよアヤカさんっ」
「だめ。これは何度も同じミスしたぶんのお仕置きなのよ? いつもより厳しくしないとまた同じことするでしょう」
「そんなこと‥‥っ‥‥ぁうぅっ!!」
53度目の平手に僕の反論は途中で吹き飛んじゃう。
「文句言わないの。そうね、二度と忘れないように今日は一番痛いペンペンをしてあげる。‥‥誠也くんはちゃんと我慢して反省するのよ」
「ひ、ひどいよそんなの‥‥いだぁっ!!」
勝手にひどいことを宣告されて、今から厳しい厳しいお仕置きが始まることになっちゃった。
ぺちんっ ぺちんっ ぱんっ ぱんっ ばちん ばちん ばちいぃぃん!!
「だっ、だめっ、やだっ、いたっ、いたっ、痛いぃっ!」
ばちんと叩かれて、ひとなでされて、またすぐばちん。いつもならお尻落ち着くまで待ってもらえるのに、一回しかなでられないお尻はどんどん痛くなっていく。痛いのにつらいのにやってくるお尻ぺちんはちっとも待ってくれない。
こんなのっ、こんな痛いの耐えられない‥‥! 叩かれて流れる涙が後から後から溢れて止まらなくなってきた。
「60よ。誠也くん、少しお尻が堅いわ。できるだけお尻からは力抜きなさい」
「ひくっ‥‥そっ、そんな‥‥っ!!」
お尻ギュッてしてやっと痛いの我慢してるのに、それももうダメなくらいなのに‥‥!
厳しいお尻ペンペンされてすすり泣く僕に、アヤカさんはお尻を軽くぺちぺちしてさらにひどいことを要求してくる。
「ひ‥‥くっ‥‥うぅ‥‥」
嫌で嫌で仕方なかったけど、お尻柔らかくなるようにギュッとするのはやめる僕。お尻逃げたりかばったりして怒られるとお尻がもっと痛くなるのがわかってるから。
「偉いわね。次は一つなでるのもなしで叩くけど、お尻堅くしちゃダメよ」
そんなのひどいよっ! お仕置きもちゃんといい子で我慢してるのに、まだ厳しくするなんて! そんな僕の想いも、続けて襲ってくる連続ペンペンの痛さにかき消されてしまった。
ぱんっ ぱんっ ぺちん ぺしん べちん ぺんっ ぺんっ ばぁん ばちん ばしんっ!!
「ふぐうぅぅぅっ!!? 痛い痛いいたいぃぃぃぃ~~~‥‥!!!」
まったく容赦のない平手が何度も何度もお尻に降ってきて、必死にお尻くねらせて叫んじゃう!
あぁぁお尻痛いお尻熱いお尻おかしくなるぅぅっ!!
叩かれてお尻痛いと思う前にまたぺちんされて‥っ。またぺちん、またばちん、また‥‥ってお尻痛いのがどんどん膨らんできて、もう我慢できなくなっちゃう!
何度もお尻かばおうとしかけて必死に止めて‥。お尻振りそうになっても精一杯縦方向だけに抑えて横には振らないようにして‥。痛くて痛くてもうダメって何度も脚をバタバタしてアヤカさんに訴えてるのに‥‥っ!
それでもアヤカさんは「はい、70」なんて回数を事務的に伝えただけで、全然お仕置きを止めてくれない!
ばちぃん ばちぃん ばっしぃん ばっちーん ばぁちぃーん!!
「あぁぁっ、ひぃぃっ、ひぐっ、やだっ、もうやだあぁぁぁっ!!」
もう回数なんて数えてられなくて、お尻の我慢の限界も超えて、とうとう僕は何もかも忘れて暴れだしちゃった。
目一杯お尻を振って、お尻に両手を伸ばして、お尻をギュギューって堅くしてできる限りお尻叩きに抵抗しちゃう。
もうお尻痛いってことしか考えられなくて。お尻守ることしか頭になくて。こんなことしたらもっと怒られるってわかってるのにもう止められなかった。
「こら、何してるの誠也くん! まだお仕置き中でしょ!」
「やっ、やだぁっ! もうお尻無理ぃっ! もうお仕置きおしまいにしてぇっ!!」
「だめって言ってるでしょっ! このっ‥‥! もうっ、誠也くん、手をどけなさい!」
アヤカさんの手が無慈悲に僕の両手をどけようとしてくるけど、僕は必死でお尻のほっぺを掴んで引き離されまいとする。
もう‥‥もうダメ、死んじゃうっ。両手にあたってるお尻がすっごく熱くて、見てもいられないくらいひどく腫れ上がってるんだってイヤでもわかっちゃう。これ以上お尻痛くされたら我慢なんてできない!
「や、やだやだやだぁ‥‥!!」
「はぁ‥‥誠也くん、いつまでそうやってお尻隠してるつもり?」
「ううぅっ! だ、だってだってだってぇっ‥‥!!」
手をどかせるのを諦めたアヤカさんが冷たい声で叱り付けてくる。怖いけど、お尻見せるのはもっと怖くて。ぐすぐす泣きながら腫れたお尻だけは守り続ける僕。
「誠也くん、お尻」
「うぅ‥‥っ。や‥っ‥やっぱりやだぁっ!」
「そう、できれば誠也くんに頑張って我慢してほしかったけど‥‥。これ以上反省するつもりがないなら仕方ないわね」
え‥‥何するの‥‥? 椅子が揺れるのを感じてハッとして顔を後ろに向ける僕。するとアヤカさんは僕が上半身を預けてる方の椅子に手をかけてて、突然僕から取り上げるように引っ張り出してしまった。
「あぁっ!?」
体重をかけていた椅子が僕の手が届かない所まで移動させられる。支えるものがなくなった僕の上体はがくっと落ちて、床が目の前まできて慌ててお尻から離した手を地面について支える。
すかさずアヤカさんが僕の腰を左手で抱え込んで、お尻持ち上げて脚を組んでしまって、無理やりお尻をもっと上に突き出すようにされちゃった。
「これでもうお尻かばえないでしょう。さぁ誠也くん‥お仕置き中にこんなことして、覚悟はできてるんでしょうね」
「ひ‥‥っ!?」
低い声で、怒って震えるような声で言われて心臓が止まるくらいビクッとしちゃう。
あぁ、もうどうやってもお尻守れない‥‥! アヤカさんもすっごく怒ってる‥‥! どどど、どうしよう‥‥!?
無防備になったお尻を狙いをつけるようにゆっくりゆっくりなでられて、怖くてたまらなくなって僕は泣き出してしまった。
「ひぐっ、ごっ、ごめんなさいっ! アヤカさん、ごめんなさぁぃっ!!」
「謝るくらいなら最初から素直にお仕置き受けなさいよ。もう、本当に悪い子なんだからっ!!」
ばっちぃぃぃーーーん!!!!
「あぁぁぁぁっ!!?」
一瞬目の前がスパークする。痛くて怖いのが頭の中で弾けてもう何が何だかわからなくなる。
「さ、お仕置きの続きよ。もうお尻は我慢しなくていいわね。しっかり捕まえててあげるから、好きなだけ暴れなさい」
もう壊れそうお尻に対して、また非情な手が振り上げられる。お尻守れない状態のまま、また台風みたいな激しいお尻ペンペンが始まってしまった。
ぱぁんぱぁんばちんばちんばしんばしんべしんべちぃぃん!!!!
「あぁっ、あぁっ、やっ、ぅぁっ、ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
強制的に突き出されたお尻に、何度も何度も熱いものが連続で降ってきて‥!
いたいいたいいたいぃっ、あぁっお尻痛いよぉーっ!!
今度は腕に顔をうずめることもできなくて、涙をぽろぽろ流しながら僕は両手で床を引っかいて必死にお尻の痛みを抑えて我慢しようとする。
ぱんっぱんっぺんっぺんっぺちんぺちんぱちんばぁちんっ!!
「い、痛い痛い痛いぃぃぃっ!! もうだめお尻死んじゃうお尻助けてえぇぇ!!」
でもすぐ我慢できなくなって、大声で泣き叫んで夢中で何とかお尻を助けようとじたばたしちゃう!
でも、でも手がお尻に届かない! 手も脚も片方しか上げられないのに、痛い痛いお尻はずっと高くて遠いところでペンペンされて、もうかばうこともできない!
お尻を振っても振っても射程距離内のお尻はほんの少しの間もお尻ペンペンからは逃れられなくて‥っ。お尻をギュッて堅くしたくても無理やり突き出されたお尻にはうまく力が入らなくて‥っ!
ただ僕は意味もなく暴れて、助けたいお尻を延々と焼かれ続けるしかできなかった。
ばちんっばちんっばちぃんばちぃべちぃんべちぃんばっちーん!!!
「うわぁぁぁんっ!! ひぎっ、たっ、たすけっ、ふえぇっ、うわぁぁぁぁーーーん!!!」
もう我慢できなかった。気がつくと子どもみたいにわぁわぁ泣いて叫んでた。
泣いて、暴れて、何を叫んでもお尻ペンペンはぜんぜん止まってくれなくて。
涙がこぼれて止まらなくて、何度もしゃっくりがあがって、早くやめてほしいってことしか考えられなくなって。
やっとお仕置きがやんだ頃には、お尻振ることも叫ぶこともできなくてただすすり泣いているだけになってた。
「はい、お尻100回よ。よく頑張ったわね、偉いわよ」
そんなアヤカさんの声が聞こえてお仕置きの手がぴたりと止まる。まだお尻痛いことしか考えられない僕はお尻震わせてお仕置きの怖さに怯える。
「ひぐっ‥‥ひくっ、ふぇぇっ‥‥」
「さ、誠也くん‥‥ちょっと厳しくしちゃったわね。ごめんね、もうお仕置きはおしまいよ」
ぽんぽん、と頭に優しく手を載せられる。いつものお仕置きが終わった合図。
あぁ‥‥終わった‥‥んだ‥‥やっと‥‥。
怖かったアヤカさんが優しくなってくれて‥‥、もう、お尻身構えなくていいんだってわかって安心して、ようやく身体から力が抜けてぐったりする僕。
「ひっ‥‥くっ‥‥うぅっ‥‥うぅーっ‥‥」
「よしよし、もう泣かないの。その格好じゃつらいでしょ、おいで」
安心したせいでもっとめそめそ泣きじゃくり出す僕。そんな僕の身体をアヤカさんはそっと持ち上げてギュッと抱きしめてくれて‥‥。お尻も、服に擦れたりしないようにそっと手で守ってくれた。
「ひっく‥‥ひっく‥‥」
「いい子いい子。痛かったのね‥‥お尻もいっぱい腫れちゃったわね」
そうやってしばらくあやしてもらえて‥‥。突然のお尻のくすぐったい感触に僕はぴくっと震える。
さっきまでお尻を叩いていた手が、今はお尻を優しく優しくなでさすってくれてるみたい。痛くならないように、ゆっくり、ゆっくりと。
その心地よさに、お仕置きの時の怖さもどこかへ吹き飛んで、アヤカさんのなでなでに何もかも委ねてしまう。
「ん‥‥っ」
「お尻熱いわ‥‥。もう、これじゃ明日お仕事できないわね」
「うぅ‥‥っ」
「大丈夫よ。明日はお休みにしてあげる。一日ゆっくり、お尻安静にしてるのよ」
「ひくっ‥‥は‥‥ぃ‥っ」
「ふふ、いい子ね」
頭も抱えられて、よしよしするようになでられる。
気持ちいい‥‥もっとなでて‥‥アヤカさん‥‥もっと‥‥。
甘えたい気持ちだけで頭がいっぱいになって、思わず僕は胸の中に顔をうずめて甘える。ずっとそうしてるとお尻痛いのも忘れて、なんだか気分がふわふわしてきて‥‥。
「あらあら、眠たくなったの?」
頭がぼうっとして、じっと目をつむっていると、アヤカさんの言った通りに本当に眠たくなってくる。
「ふふ、もう寝付いちゃいそうね。いいわ、ゆっくり寝なさい。ほら、なでてあげるから、いつもみたいに可愛い寝顔を見せて‥‥」
アヤカさんの優しげな声が途中まで聞こえて、そこから先を聞く前に頭がふわーっとして何も耳に届かなくなって。
そんな気持ちよくなでられる時間を感じながら、僕はうとうとと眠りに誘われる幸せな感覚に身を任せていった。
【Petit Petit Cafe】
「お尻を振らない」
「んあぁぅっ!! ごっ‥‥ごめんなさぁいっ!!」
アヤカさんの厳しい声と一緒に、『ばちーんっっ!!』ってすごい平手がお尻に落ちてくる。痛い痛いお尻に我慢できなくて、どうしてもかっこ悪い叫び声が漏れてきちゃう。
衝撃がお尻から背中まで突き抜けるみたいに身体がはねちゃって、それからすぐに力が入らなくなってぐったりして‥‥。さっきからずっとこんなのの繰り返し。
椅子に座ってるアヤカさんのお膝の上で僕は、陸にあげられた魚みたいにピチピチもがくしかできない。
下の制服もトランクスも膝まで下ろされてお尻は丸出し。そのお尻もいい加減熱くて変になってきて‥‥。
もう時々お尻をなでてもらわないと、ぺちんされちゃう怖さでお尻が勝手に逃げる準備をし出すようになってきちゃった。
「誠也くん、今ので何回目なの?」
「よ、よんじゅっ‥‥回、です‥‥」
「そう、ちゃんと数は数えてるのね。あと10回したら少し休憩してあげるから、お尻振っちゃだめよ」
えぇ、そんなぁ‥‥。あと10も叩かれるって思うだけでもうお尻隠したくなるくらいなのに。
アヤカさんは優しそうな声で「まだまだ叩くわよ」ってひどいことを暗に告げてきて嫌になっちゃう僕。
お皿割ったの今日で三回目だから、いつもより平手はずっと痛いし、やっぱりお仕置きもずっと長くされるみたい。
「あぁ‥‥やめてよぉ‥‥ペンしないで‥‥」
さわさわとお尻をゆっくりなでられて、しばらくすると優しく叩くぺちぺちに切り替わる。
このぺちぺちが止まった時が手を振り上げた時だから、瞬間的に僕はお尻を堅くさせて身構える。
「痛いでしょうけど、我慢するのよ。よんじゅういちっ!」
ぱぁちいぃーん!!
「ぅぅ~~っ!! ご、ごめんなさぁい!」
痛いぃ‥‥っっ!! いくらお尻の準備ができていても、40回も叩かれた僕のお尻はぺちんの痛さに我慢なんてできなかった。叩かれて、大きな声が出ちゃってついお尻も逃がしちゃう。
「こら、誠也くん! お尻大人しくしないと、なでなでしないでペンにするわよ。
我慢できないって言うからなでてあげてるのに。お尻逃げるんじゃ意味ないじゃないの」
でも、お尻逃げるのは許してもらえないみたい。逃げたお尻を軽く叩かれて、さっきよりもきつい口調で叱られる。
「ひぐっ‥‥も、戻すよぉ‥‥くぅっ‥‥痛いぃ‥‥」
なでなで無しですぐペンペンなんて絶対耐えられない。そんなの考えるだけで恐ろしくて、渋々お尻を定位置に戻す僕。
もうお尻は奥の方までじんじん痛んで熱くなってる。
「そう、いい子ね。じっとしてるのよ」
なでなで なでなで
「ん‥‥っ」
あぁ、なでなでが気持ちいい‥‥。ちゃんとお尻戻すと、そのお尻を褒めるみたいにアヤカさんはゆっくりなでなでしてくれる。
このときはお尻気持ちよくて、もぞもぞ甘えてしまえてちょっとだけ嬉しい気持ちになる。
「さ、あと9回我慢よ」
う‥でもあと9回残ってるんだ‥‥。
そう考えると、なでなでする手もお尻に狙いを定めてるように感じてしまって、お尻がびくびく震えてきちゃう。
「うぅ~‥‥アヤカさん、僕、なでなでだけされたい。‥‥ペンはやだよ」
「それじゃお仕置きにならないでしょ。
元はと言えば、お尻痛くしてないとすぐ言い付け忘れる誠也くんが悪いんじゃないの。何なら、割ったお皿代を給料から引いて許してあげてもいいのよ」
「や、やだよ‥‥っ! あれ高いじゃない。あんなの僕払えないよっ」
「じゃあ大人しくお尻突き出してなさい」
ぴしゃりと言われて、何も言えないままお尻なでなでがぺちぺちに変わる。
こうなるとお尻にしか意識が向かないから、アヤカさんの説得も諦めて僕はただお尻を強張らせるだけになっちゃう。
うぅ‥‥研修の頃は良かったなぁ‥‥。アヤカさん優しかったし、色々教えてくれて、お仕置きもされなかったのに。
またあの頃に戻りたい‥‥。
このお願いが叶うなら、流れ星でも短冊でも神社の絵馬でも何にだってお願いするのに。
僕は高見誠也。今年の冬からここの駅前カフェ『Sweet Patio』で働き始めたアルバイト一年生で、いつもドジばかりしてはアヤカさんにお尻を叩かれる日々を送ってる。
アヤカさんは一人でカフェを経営してたお姉さん。妃アヤカって名前。下の名前の漢字は難しくてよく覚えてない。
僕がアルバイトを始めたのは、常連で顔馴染みだった僕に「ここで働いてみない?」ってアヤカさんの方からスカウトしてきたことがきっかけだった。
‥‥あの時は、まさかこんなことになるなんて思っても見なかったけど。
「はぁ、誠也くんがこんなに世話の焼ける子だなんて思わなかったわ」
「僕だって‥‥アヤカさんがこんなお尻出して叩くセクハラ上司だなんて思ってなか痛ぁぃっ!?」
「誰がセクハラですって!? まったく、憎まれ口叩くことだけは一人前なんだから」
口答えしようとしたところを不意打ちで叩かれて、何の準備もできてなかったお尻に突然すごい激痛が走っちゃう。
もうお尻やだ‥‥。しくしく泣き出す僕のお尻を、ヒリヒリが落ち着くようにまた優しくなでられる。それが心地よくて、僕はそれ以上口答えする気をなくして自分の腕に顔をうずめてしまう。
「うぅ~‥‥アヤカさんズルいよ‥‥」
「何がズルいって言うのよもう。
お仕置きでお尻叩くのは仕方ないでしょ。誠也くん、一体これでお仕事ミスしたの何回目なのよ?」
「え‥‥そんなの覚えてない‥‥」
「それは、数え切れないほどドジしてるってことでしょう? 研修中にあれだけ言っても直らないんだから、身体で覚えてもらうしかないじゃないの」
うぅ‥‥何も言い返せない。それについてはアヤカさんの言うとおりだったから。お尻叩かれるのは嫌だけど、自分でもこのドジは直さなきゃいけないってわかってるから。
僕は昔からおっちょこちょいで、ちょっとした不注意でケガしたりなんて日常茶飯事だった。家事手伝いでも文化祭の準備とかでも、必ず何かドジして周りを騒がせてたことしか思い出にないし。
僕だって好きでドジっ子でいるわけじゃないんだけど、いつまで経ってもいくら頑張ってもこれは直しようがなくて。
両親なんか「もうこれは天性の才能だ」ってため息をついてたくらい。
当然、そんな僕じゃ慣れないお店の仕事なんてミスだらけで、バッシング中にこけて食器割ったり、名前呼ばれただけでビックリして飲み物こぼしたり、その後始末中にバケツにつまずいて逆に清掃仕事が増えちゃったりと散々な仕事っぷりだった。
一人じゃ人手が足りないから、明るくて真面目そうな僕を入れたって言ってたアヤカさんもこれには面食らったみたいで、いつも困り果てた顔してた。
始めの頃は「これから頑張ればいいのよ」って苦笑いで励ましてくれてはいたんだけど、同じミスを何度も繰り返しているうちにアヤカさんの叱り方も日に日に厳しくなっていって‥‥。
とうとうこの間、コーヒーの種類を取り違えて散々クレームを付けられた日は許してもらえなくなって、お店閉めてすぐ「お尻出しなさい!!」ってすごい剣幕で怒られて、その日は泣き声が枯れて出なくなるまで徹底的にお尻をお仕置きされた。
それからは僕が何かミスするたびに、罰としてミスの内容に応じたお仕置きをお尻に受ける決まりになっちゃった。
「いい、誠也くん? 研修期間はもう終わったの。もう誰かがミスをフォローしてくれるなんて思わないこと。誠也くんがドジしたんだから、その罰も誠也くんが受けて当然でしょ?」
「うぅ‥‥わかってますけどぉ‥‥何でお尻ペンペンなの~?」
「だから、誠也くんに身体で覚えてもらうためでしょ。ドジしたらお尻って覚えておけばミスも減るし、それにお仕事中もお尻ひりひりしてれば、どうしてお仕置きされたかも忘れないでしょう?」
うぅ、そんなのひどいよ。痛いお尻でお仕事なんて、どれだけつらいかアヤカさん知らないくせに。いつもペンペンの次の日とかは歩くだけでお尻に気を使うのに‥‥。
ふとお尻に意識を集中してみる。50回叩かれて茹で上がったみたいに熱く感じる僕のお尻は、なでられただけでも奥の方がズキッとして痛い。これじゃ、もう明日は椅子に座って休憩もできないってわかっちゃう。
「アヤカさん‥‥もういいでしょ? 僕反省しました。お尻だってきっとしばらくは痛いままだと思う‥。だからもう許して‥‥」
「ダメって言ってるでしょ。約束通り100まではきっちり叩くわよ。いくらお願いしても絶対途中でやめにはしないから、そのつもりでいなさい」
「で、でもお尻が~‥‥」
「痛いのはわかってるわよ。だからこうしてなでてあげてるんでしょ。それでもワガママ言うようなら、もう途中ケアはなしにするわよ」
そんなぁ‥‥。それじゃどうやってもお尻はまだまだ叩かれるじゃない‥‥。
これ以上されたら明日お仕事できないのに。嫌~な手はそんなことお構いなしって言うように僕のお尻をなで回してくる。
どうせいくら謝ってもアヤカさんは決めた数は絶対叩くから、何言っても無駄なのはわかってるんだけど‥‥。
アヤカさんのお仕置きは、いつもお店を閉めて2人きりになった時に叩かれる。
お仕事中に僕が何かミスをすると、まずその場でお尻に一発。お客さんが見てようが関係なく怒られて、「後でわかってるわね」ってお仕置きの宣告をされる。
閉店してお掃除とか一通りお仕事が終わると、外から見えないようにカウンターの内側に連れて行かれてお尻ペンペン。
カウンター席の椅子を2つ持ってきて、片方にアヤカさんが座って、僕がそのお膝に乗って上半身をもう一つの椅子に預けて、それからお尻を丸出しにされて叩かれる。
もう何度も繰り返したやりとりだから身体が覚えちゃってる。何だか悲しい。
お仕置きの回数はその日のミスのひどさで決められちゃう。
遅刻したらお尻20回、サボったりいい加減にお仕事したらお尻30回、お店の物壊したらお尻50回とか色々ルールがあって、1日のミスの合計をまとめて平手でペンペンされる。
減刑なんてなくて、お尻我慢できなくて泣いて暴れるようになっても決めた回数が終わるまでは絶対許してもらえない。泣きそうになっちゃう。
そのくせミスの重大さ次第でペンペン追加はあるんだから、もうやだ。
今日みたいに同じミスを繰り返してしまうとお尻50回が100回になったり。『白い食器は食洗機に入れない』って簡単な決まりも守れないお尻にはこれくらい必要だとか言って、僕のお尻のことなんか考えないで酷いお仕置きも平気でしたりする。
―――いちどお掃除中にこけた時、とっさに前にいたアヤカさんに捕まろうとして、間違ってタイトスカートをお客さんの前でずり下ろしちゃった時はもうお尻死んじゃうかと思った。
「さ、誠也くん、そろそろお尻叩き再開するわよ。お尻上げなさい」
地獄のような思い出の回想をしていた所で、突然お尻への感触が変化して僕は我に返った。
「っ‥‥いた‥‥っ」
今までなでられていたお尻がいつの間にかぺちぺちに変わってる。優しい叩き方だけど、腫れたお尻にはちょっぴり痛くて僕は小さく悲鳴をあげてしまう。
「あ‥‥アヤカさん、それ痛い‥‥」
「ほら、お尻上げるの。もう休憩は充分したでしょう? そろそろお仕置きの仕上げするから、早く言うとおりにしなさい」
柔らかいアヤカさんの声でお仕置きの準備を促される。それで僕はせっかく忘れてた、今はまだお仕置き中ってことを思い出してしまう。
あぁ‥‥またこれから50回も叩かれるの‥‥?
何だかうんざりしてくる僕。茹で上がった熱々なお尻はもう痛いのは嫌って言ってる。さっきまでの痛い記憶も手伝ってなかなか素直にお尻を上げられない。
お尻上げずに目をつむって震えたままでいると、怒ったのかぺちぺちする力がどんどん強くなってきた。
「うぅ‥‥いっ、いたっ、いたいっ‥‥やだ、アヤカさんっ‥‥!」
「ほら、お尻! 何度も言わせないの!」
右、左と交互にお尻を叩かれて、しかも下から上に払うようにされて「お尻上げなさい」って直接お尻に催促される。怖くなった僕は慌ててもぞもぞお尻動かして斜め上に突き出すような姿勢をとった。
「うぅっ‥‥やだ‥‥このカッコ恥ずかしい‥‥」
「やだじゃないでしょ、ホント世話焼けるんだから‥‥。恥ずかしくてもお仕置きなんだから、言われたら素直にお尻出しなさいよ」
ため息をついて、アヤカさんはお尻をひとなでしてから手を離した。
また叩かれるんだ‥‥。怖くて、火照ってじんじんするお尻がいやでも強張ってふるふる震えてきちゃう。
「さぁ。あとお尻50回、痛くてもお尻逃げないように頑張るのよ」
「っ‥‥はい‥‥」
覚悟を決めた僕の言葉と同時に、アヤカさんの手がゆっくり振り上げられる気配がする。
僕は目をつむって、組んだ腕の中に顔をうずめてお仕置きに備える。
「行くわよ。ごじゅう‥‥いちっ!!」
ばちーーーーんっ!!
「~~~っ!!!」
お尻に浴びせられる強烈な一撃で、さっきまで忘れてた痛みが全部戻ってきた。
「う‥ううぅぅ~~‥‥」
意識が飛びそうなほど痛くて、叩かれたあとのヒリヒリも我慢できないほど痛い‥‥。思わずお尻に手をやってしまいそうになって、それより早くアヤカさんの手がお尻をなでてくれる。
「1回目は逃げなかったわね、偉いわよ」
「アヤカさん‥‥やっぱりもうお尻だめですよぉ‥‥」
「だめよ、頑張りなさい。さぁ次よ、ごじゅうにっ!」
ばしいぃぃん!!
「ひぁ‥‥っ!!」
反対側のお尻が凄い音を立てて弾ける。身体が勝手に仰け反って、信じられないほど高い声が喉の奥から漏れ出すように出てくる。
うぅ‥‥何で2回目がこんなに早いの? どうしてもっとなでてくれないの?
さっきまでと違って叩くペースが速い気がして、痛さで震えながら抗議の声をあげる僕。
「どー‥‥してっ? 痛いよっ‥‥なでてよアヤカさんっ」
「だめ。これは何度も同じミスしたぶんのお仕置きなのよ? いつもより厳しくしないとまた同じことするでしょう」
「そんなこと‥‥っ‥‥ぁうぅっ!!」
53度目の平手に僕の反論は途中で吹き飛んじゃう。
「文句言わないの。そうね、二度と忘れないように今日は一番痛いペンペンをしてあげる。‥‥誠也くんはちゃんと我慢して反省するのよ」
「ひ、ひどいよそんなの‥‥いだぁっ!!」
勝手にひどいことを宣告されて、今から厳しい厳しいお仕置きが始まることになっちゃった。
ぺちんっ ぺちんっ ぱんっ ぱんっ ばちん ばちん ばちいぃぃん!!
「だっ、だめっ、やだっ、いたっ、いたっ、痛いぃっ!」
ばちんと叩かれて、ひとなでされて、またすぐばちん。いつもならお尻落ち着くまで待ってもらえるのに、一回しかなでられないお尻はどんどん痛くなっていく。痛いのにつらいのにやってくるお尻ぺちんはちっとも待ってくれない。
こんなのっ、こんな痛いの耐えられない‥‥! 叩かれて流れる涙が後から後から溢れて止まらなくなってきた。
「60よ。誠也くん、少しお尻が堅いわ。できるだけお尻からは力抜きなさい」
「ひくっ‥‥そっ、そんな‥‥っ!!」
お尻ギュッてしてやっと痛いの我慢してるのに、それももうダメなくらいなのに‥‥!
厳しいお尻ペンペンされてすすり泣く僕に、アヤカさんはお尻を軽くぺちぺちしてさらにひどいことを要求してくる。
「ひ‥‥くっ‥‥うぅ‥‥」
嫌で嫌で仕方なかったけど、お尻柔らかくなるようにギュッとするのはやめる僕。お尻逃げたりかばったりして怒られるとお尻がもっと痛くなるのがわかってるから。
「偉いわね。次は一つなでるのもなしで叩くけど、お尻堅くしちゃダメよ」
そんなのひどいよっ! お仕置きもちゃんといい子で我慢してるのに、まだ厳しくするなんて! そんな僕の想いも、続けて襲ってくる連続ペンペンの痛さにかき消されてしまった。
ぱんっ ぱんっ ぺちん ぺしん べちん ぺんっ ぺんっ ばぁん ばちん ばしんっ!!
「ふぐうぅぅぅっ!!? 痛い痛いいたいぃぃぃぃ~~~‥‥!!!」
まったく容赦のない平手が何度も何度もお尻に降ってきて、必死にお尻くねらせて叫んじゃう!
あぁぁお尻痛いお尻熱いお尻おかしくなるぅぅっ!!
叩かれてお尻痛いと思う前にまたぺちんされて‥っ。またぺちん、またばちん、また‥‥ってお尻痛いのがどんどん膨らんできて、もう我慢できなくなっちゃう!
何度もお尻かばおうとしかけて必死に止めて‥。お尻振りそうになっても精一杯縦方向だけに抑えて横には振らないようにして‥。痛くて痛くてもうダメって何度も脚をバタバタしてアヤカさんに訴えてるのに‥‥っ!
それでもアヤカさんは「はい、70」なんて回数を事務的に伝えただけで、全然お仕置きを止めてくれない!
ばちぃん ばちぃん ばっしぃん ばっちーん ばぁちぃーん!!
「あぁぁっ、ひぃぃっ、ひぐっ、やだっ、もうやだあぁぁぁっ!!」
もう回数なんて数えてられなくて、お尻の我慢の限界も超えて、とうとう僕は何もかも忘れて暴れだしちゃった。
目一杯お尻を振って、お尻に両手を伸ばして、お尻をギュギューって堅くしてできる限りお尻叩きに抵抗しちゃう。
もうお尻痛いってことしか考えられなくて。お尻守ることしか頭になくて。こんなことしたらもっと怒られるってわかってるのにもう止められなかった。
「こら、何してるの誠也くん! まだお仕置き中でしょ!」
「やっ、やだぁっ! もうお尻無理ぃっ! もうお仕置きおしまいにしてぇっ!!」
「だめって言ってるでしょっ! このっ‥‥! もうっ、誠也くん、手をどけなさい!」
アヤカさんの手が無慈悲に僕の両手をどけようとしてくるけど、僕は必死でお尻のほっぺを掴んで引き離されまいとする。
もう‥‥もうダメ、死んじゃうっ。両手にあたってるお尻がすっごく熱くて、見てもいられないくらいひどく腫れ上がってるんだってイヤでもわかっちゃう。これ以上お尻痛くされたら我慢なんてできない!
「や、やだやだやだぁ‥‥!!」
「はぁ‥‥誠也くん、いつまでそうやってお尻隠してるつもり?」
「ううぅっ! だ、だってだってだってぇっ‥‥!!」
手をどかせるのを諦めたアヤカさんが冷たい声で叱り付けてくる。怖いけど、お尻見せるのはもっと怖くて。ぐすぐす泣きながら腫れたお尻だけは守り続ける僕。
「誠也くん、お尻」
「うぅ‥‥っ。や‥っ‥やっぱりやだぁっ!」
「そう、できれば誠也くんに頑張って我慢してほしかったけど‥‥。これ以上反省するつもりがないなら仕方ないわね」
え‥‥何するの‥‥? 椅子が揺れるのを感じてハッとして顔を後ろに向ける僕。するとアヤカさんは僕が上半身を預けてる方の椅子に手をかけてて、突然僕から取り上げるように引っ張り出してしまった。
「あぁっ!?」
体重をかけていた椅子が僕の手が届かない所まで移動させられる。支えるものがなくなった僕の上体はがくっと落ちて、床が目の前まできて慌ててお尻から離した手を地面について支える。
すかさずアヤカさんが僕の腰を左手で抱え込んで、お尻持ち上げて脚を組んでしまって、無理やりお尻をもっと上に突き出すようにされちゃった。
「これでもうお尻かばえないでしょう。さぁ誠也くん‥お仕置き中にこんなことして、覚悟はできてるんでしょうね」
「ひ‥‥っ!?」
低い声で、怒って震えるような声で言われて心臓が止まるくらいビクッとしちゃう。
あぁ、もうどうやってもお尻守れない‥‥! アヤカさんもすっごく怒ってる‥‥! どどど、どうしよう‥‥!?
無防備になったお尻を狙いをつけるようにゆっくりゆっくりなでられて、怖くてたまらなくなって僕は泣き出してしまった。
「ひぐっ、ごっ、ごめんなさいっ! アヤカさん、ごめんなさぁぃっ!!」
「謝るくらいなら最初から素直にお仕置き受けなさいよ。もう、本当に悪い子なんだからっ!!」
ばっちぃぃぃーーーん!!!!
「あぁぁぁぁっ!!?」
一瞬目の前がスパークする。痛くて怖いのが頭の中で弾けてもう何が何だかわからなくなる。
「さ、お仕置きの続きよ。もうお尻は我慢しなくていいわね。しっかり捕まえててあげるから、好きなだけ暴れなさい」
もう壊れそうお尻に対して、また非情な手が振り上げられる。お尻守れない状態のまま、また台風みたいな激しいお尻ペンペンが始まってしまった。
ぱぁんぱぁんばちんばちんばしんばしんべしんべちぃぃん!!!!
「あぁっ、あぁっ、やっ、ぅぁっ、ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
強制的に突き出されたお尻に、何度も何度も熱いものが連続で降ってきて‥!
いたいいたいいたいぃっ、あぁっお尻痛いよぉーっ!!
今度は腕に顔をうずめることもできなくて、涙をぽろぽろ流しながら僕は両手で床を引っかいて必死にお尻の痛みを抑えて我慢しようとする。
ぱんっぱんっぺんっぺんっぺちんぺちんぱちんばぁちんっ!!
「い、痛い痛い痛いぃぃぃっ!! もうだめお尻死んじゃうお尻助けてえぇぇ!!」
でもすぐ我慢できなくなって、大声で泣き叫んで夢中で何とかお尻を助けようとじたばたしちゃう!
でも、でも手がお尻に届かない! 手も脚も片方しか上げられないのに、痛い痛いお尻はずっと高くて遠いところでペンペンされて、もうかばうこともできない!
お尻を振っても振っても射程距離内のお尻はほんの少しの間もお尻ペンペンからは逃れられなくて‥っ。お尻をギュッて堅くしたくても無理やり突き出されたお尻にはうまく力が入らなくて‥っ!
ただ僕は意味もなく暴れて、助けたいお尻を延々と焼かれ続けるしかできなかった。
ばちんっばちんっばちぃんばちぃべちぃんべちぃんばっちーん!!!
「うわぁぁぁんっ!! ひぎっ、たっ、たすけっ、ふえぇっ、うわぁぁぁぁーーーん!!!」
もう我慢できなかった。気がつくと子どもみたいにわぁわぁ泣いて叫んでた。
泣いて、暴れて、何を叫んでもお尻ペンペンはぜんぜん止まってくれなくて。
涙がこぼれて止まらなくて、何度もしゃっくりがあがって、早くやめてほしいってことしか考えられなくなって。
やっとお仕置きがやんだ頃には、お尻振ることも叫ぶこともできなくてただすすり泣いているだけになってた。
「はい、お尻100回よ。よく頑張ったわね、偉いわよ」
そんなアヤカさんの声が聞こえてお仕置きの手がぴたりと止まる。まだお尻痛いことしか考えられない僕はお尻震わせてお仕置きの怖さに怯える。
「ひぐっ‥‥ひくっ、ふぇぇっ‥‥」
「さ、誠也くん‥‥ちょっと厳しくしちゃったわね。ごめんね、もうお仕置きはおしまいよ」
ぽんぽん、と頭に優しく手を載せられる。いつものお仕置きが終わった合図。
あぁ‥‥終わった‥‥んだ‥‥やっと‥‥。
怖かったアヤカさんが優しくなってくれて‥‥、もう、お尻身構えなくていいんだってわかって安心して、ようやく身体から力が抜けてぐったりする僕。
「ひっ‥‥くっ‥‥うぅっ‥‥うぅーっ‥‥」
「よしよし、もう泣かないの。その格好じゃつらいでしょ、おいで」
安心したせいでもっとめそめそ泣きじゃくり出す僕。そんな僕の身体をアヤカさんはそっと持ち上げてギュッと抱きしめてくれて‥‥。お尻も、服に擦れたりしないようにそっと手で守ってくれた。
「ひっく‥‥ひっく‥‥」
「いい子いい子。痛かったのね‥‥お尻もいっぱい腫れちゃったわね」
そうやってしばらくあやしてもらえて‥‥。突然のお尻のくすぐったい感触に僕はぴくっと震える。
さっきまでお尻を叩いていた手が、今はお尻を優しく優しくなでさすってくれてるみたい。痛くならないように、ゆっくり、ゆっくりと。
その心地よさに、お仕置きの時の怖さもどこかへ吹き飛んで、アヤカさんのなでなでに何もかも委ねてしまう。
「ん‥‥っ」
「お尻熱いわ‥‥。もう、これじゃ明日お仕事できないわね」
「うぅ‥‥っ」
「大丈夫よ。明日はお休みにしてあげる。一日ゆっくり、お尻安静にしてるのよ」
「ひくっ‥‥は‥‥ぃ‥っ」
「ふふ、いい子ね」
頭も抱えられて、よしよしするようになでられる。
気持ちいい‥‥もっとなでて‥‥アヤカさん‥‥もっと‥‥。
甘えたい気持ちだけで頭がいっぱいになって、思わず僕は胸の中に顔をうずめて甘える。ずっとそうしてるとお尻痛いのも忘れて、なんだか気分がふわふわしてきて‥‥。
「あらあら、眠たくなったの?」
頭がぼうっとして、じっと目をつむっていると、アヤカさんの言った通りに本当に眠たくなってくる。
「ふふ、もう寝付いちゃいそうね。いいわ、ゆっくり寝なさい。ほら、なでてあげるから、いつもみたいに可愛い寝顔を見せて‥‥」
アヤカさんの優しげな声が途中まで聞こえて、そこから先を聞く前に頭がふわーっとして何も耳に届かなくなって。
そんな気持ちよくなでられる時間を感じながら、僕はうとうとと眠りに誘われる幸せな感覚に身を任せていった。
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