なんやかやで、あと2日少々したら私の住む長野県で参院選挙区補選が告示される。「しんぶん赤旗」5日付は、前日に開かれた市民と日本共産党、立憲民主党、社会民主党が推す羽田次郎・野党統一候補を迎えた長野市の集会を報じた。記事はこちら。
羽田候補と市民・3野党が結んだ政策協定については、このほど彼の推薦を取り消した国民民主党や連合がクチャクチャ文句を言っていた。記事によると、羽田候補はそうした政策協定への批判について「日本をよくするために必要な政策だ」と毅然(きぜん)とした態度を取ったらしい。心強い限りである。
くだんの集会の前日、次郎氏の兄で参院議員の故・羽田雄一郎氏の遺骨がようやく長野に戻り(緊急事態宣言で延期していたもよう)、改めて納骨式を執り行ったようだ。兄との「再会」を果たし、次郎氏も期するものがあったことは想像に難くない。ちなみに同日付の「しんぶん赤旗」には次郎氏が南木曽(なぎそ)町で行った演説の要旨が1000字以上のボリュームで収録されているので、未読の方はぜひ最寄りの共産党事務所でお買い上げの上、確認してみてほしい。
さて地元紙「信濃毎日新聞」が報じた参院補選の記事によれば、告示前の情勢は「羽田氏が先行、追う小松氏」とのことである。小松氏とは自民党の元衆院議員、小松裕(ゆたか)氏。2年前の参院選で雄一郎氏に大差をつけられ敗北した対立候補であり、雪辱へ並々ならぬ闘志を燃やしていよう。
私は小松氏の演説を聴いたのだが、医師という肩書をフル活用して「コロナ対策は任せてください」て趣旨の訴えをしていた。小松氏を公認する自民党、推薦する公明党も組織戦に躍起だろう。それでも、議員経験のない新人の次郎氏が先行する展開には「さすが参院の自民党議席を一掃した長野県だぜ」とうなるものがある。
しかし冷水をぶっかけるようで本当に申し訳ないが、私は「このまま選挙がうまく行くはずがない」と危惧している。あの自民・公明が指をくわえて劣勢を見過ごすわけがない。どんな手を使ってでも一発逆転を狙うだろう。
その「どんな手」て具体的には何かと言ったら、デマ攻撃とかね。3年前の沖縄県知事選を思い返していただきたい。自民と公明が阿吽(あうん)の呼吸で「オール沖縄」の玉城デニー候補のデマをばらまいていましたな。公明党でデマのばらまき役をしていたのは、こないだ不祥事で衆院議員を辞職した遠山清彦氏でした。
あのデマ攻撃を長野でやられるとまずいと、私は人知れず戦々恐々としている。もともと長野県は、データ的に沖縄県に次いで「総選挙になれば衆院小選挙区で自民党に全勝する可能性が高い」と評価されている県。だからこそ自民・公明がデマにすがることを警戒しないといけない。
実際にデマをまかれたとしたら、共闘勢力は疲弊を強いられるだろうな。ファクトチェックだの反論だの。まあ沖縄ではそれらをキッチリこなして勝利したのだから、泣き言は言っていられないのだが。
そんなわけで、市民と野党の共闘に携わる人たちにとって楽な選挙というものは存在しないのである。結局のところ。
もし「羽田次郎さんが余裕で勝つっしょ」と考えている左派・リベラルがいるなら即座に改めていただき、支援に注力を願いたい。新型コロナに感染し、検査を受けられず亡くなった羽田雄一郎氏に報いるためにも、市民と野党の議席を絶対に失うわけにはいかない。
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