第一三共、コロナ吸入薬で初期の臨床試験開始
第一三共は30日、日医工の急性膵炎(すいえん)薬「フサン」について、鼻や口から吸い込むタイプで新型コロナウイルス感染症向けの臨床試験(治験)を始めたと発表した。初期段階の治験を12月まで実施する予定。結果が良ければ、中期や最終段階の治験に進み、実用化を目指す。
第一三共は日医工、東京大学、理化学研究所と共同で点滴薬のフサンについて、鼻や口から吸い込む「吸入製剤化」の研究開発を進めている。治験では新型コロナに感染していない日本人男性76人を対象に実施し、安全性を検証する。
フサンについては東大の研究で、新型コロナウイルスの外膜と感染する細胞の膜との融合を阻止することで侵入を防ぐ可能性があるとされる。吸入製剤化によって、ウイルスに感染しやすい気道や肺などに直接届けることで高い効果が期待される。
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