英イングランドでロックダウン緩和、屋外での集会やスポーツを再開
英イングランドで29日から、新型コロナウイルス対策のロックダウンによる制限が一部緩和される。2世帯、あるいは6人までであれば屋外で集まることが可能となる。
また、ゴルフ場やテニスコートといった屋外スポーツ施設の営業が再開されるほか、サッカーなど屋外で行うチームスポーツも解禁される。結婚式は最大6人の参列で行うことができるようになる。
しかしボリス・ジョンソン英首相は慎重な姿勢を崩さないよう強調。欧州では引き続き感染者が増えているほか、変異株がワクチン接種事業を脅かしていると述べた。
「制限が一部緩和されるが、皆さんは引き続きルールを順守し、手洗い、マスク、他人との距離を励行し、ワクチン接種のお知らせが来たら受けに来てください」と、首相は呼びかけた。
ジョンソン首相はこの記者会見で、感染症対策の新たなスローガン「Hands, Face, Space and Fresh Air(手洗い、マスク、他人との距離、外気)」を発表し、流行を抑えるために換気の重要性を訴えた。
イングランド首席医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は、「屋内よりも屋外の方が安全なことは、証拠がはっきりと示している。次の段階に進むにあたり、これを覚えておくのが重要だ」と述べた。
イギリスでは28日、陽性判明から28日以内に亡くなった人の数が19人と、前週の33人からさらに減少した。この日の新規感染は3862件だった。
政府の最新統計によると、27日には新たに42万3852人が1回目の新型ウイルスワクチンを接種し、全体の接種者は3015万1287人となった。この日に2回目を受けた人は23万3964人で、全体では352万7481人がワクチン接種を完了している。
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イングランドでは今年、1月初めにロックダウンが始まった。今回の緩和は2段階目で、3月8日には全ての学校が再開されている。
また、同じ世帯の人か違う世帯の1人とであれば屋外で運動することが許されていた。
3月29日からのルールは以下の通り。
- できるだけ地元に滞在すること。在宅勤務を続け、移動は最小限に抑える
- 6人あるいは2世帯までならば、自宅の庭を含む屋外で互いに距離を保ちながら集まることができる
- 屋外プールを含む屋外スポーツ施設の営業を再開する
- 日用品以外の小売店、ジム、娯楽施設は引き続き営業できない
- パブやレストランも営業できないが、テイクアウトは可能
- 余暇の海外旅行は引き続き禁止
緩和を受け、イギリスの歴史的遺産を管理するイングリッシュ・ヘリテージは29日から、昨年12月から閉鎖していた屋外の歴史的建造物など50カ所以上で訪問客の受け入れを再会すると発表している。
イングランドでは早ければ2週間後にも次の緩和が予定されている。次の段階では美容院の営業が再開される予定で、多くの市民が待ち望んでいる。
また日用品以外の小売店や、パブやレストランの屋外席での営業も許される。
ウェールズでは27日、「地元に留まる」ルールが解除されたほか、6人までの屋外集会や、台所などが完備されている宿泊施設の予約も解禁された。
スコットランドでも4月2日に自宅待機が終わる予定。北アルランドでは4月1日から、6人あるいは2世帯までの屋外集会が許可される。
運動を奨励
イギリス国内では著名スポーツ選手らが集まり、政府と協力して、運動の再開を市民に予備家手いる。
ジョンソン首相は記者会見で、「屋外のピッチやコート、公園、広場にスポーツ選手が戻ってくる。本日がイギリスの素晴らしい夏のスポーツシーズンの幕開けになるだろう」と語った。
「どれだけ皆さんがチームスポーツの友情や競争を恋しく思っていたか、承知している。運動を制限されることは、特に子どもたちにとって非常につらかったはずだ」
政府は、イングランドに新たに健康促進局を開設し、体の健康やメンタルヘルス(心の健康)の改善を促していくと発表。パンデミックによって人々の弱い部分が明らかになったためで、秋までに開設される予定だ。
ジョンソン首相は、心身の不調の「症状だけではなく、その原因に対処することが重要だ」と話した。
同局は保健省の傘下となり、既存の保健予算を使うという。