29日は、西日本の広い範囲で、街が白っぽくかすんだ状態になった。
原因は、大陸から飛来してきた「黄砂」。
洗濯物や車が汚れるなどの被害が出ており、30日以降も警戒が必要。

29日午後1時ごろ、見渡すかぎり、霧に包まれたかのような福岡市内。

“コロナ”に“花粉”、さらにまた1つ、日本列島の広い範囲で頭を悩ませるものが“黄砂”。

この時期になると、中国大陸からやってくる「春の使者」とも呼ばれる黄砂。

しかし、住民たちにとって、かなりの厄介者で、生活にも影響を及ぼしていた。

福岡市民「かすみがかっているので、(洗濯物を)きょうは自宅の中に室内干ししてます」

黄砂による影響は、すでに各地で現れている。

兵庫・神戸市の空は、まるで夕日を浴びているかのようなオレンジ色に染まり、一方、島根・松江市の普段なら宍道湖が見える場所でも、29日は黄砂の影響で白くもやがかかり、見えづらい状況となっていた。

福岡や広島、大阪など、西日本を中心に観測されている。

長崎市民「車とかすぐ汚れちゃうので、洗車とかめんどくさいかなって」

衛星写真を見てみると、中国大陸から韓国、そして西日本に向けて、広い範囲で帯状の茶色い黄砂が確認できる。

韓国・ソウル市では、6年ぶりに黄砂警報を発令し、不要不急の外出の自粛を呼びかける事態になった。

ソウル市民「黄砂がひどくて、春という季節を楽しめなくて残念」

そんな中、街中で見かけたのは、前に水を噴射しながら進む車。

これは、黄砂を清掃する車で、通ったあとは、道路もピカピカに。

日本もしばらく黄砂の影響を受けるとみられる。

29日夜には、関東の一部にも黄砂が飛んでくるとみられ、30日は北日本を中心に広い範囲で観測が予想されている。

気象庁は、交通障害のおそれもあるとして、注意を呼びかけている。