朝鮮日報

【寄稿】高宗播遷の道を再びたどるのか

国際情勢を理解していなかった高宗
ロシアを防ごうという英国の提案に、「俄館播遷(はせん)」という正反対の行動
韓国を香港扱いする中国相手に、体のいい「均衡外交」は駄目…強力な同盟で対処すべき

 覇権国である米国は、アジアを中国が支配することを防ごうと、軍事力の動員はもちろん同盟国の連帯を強化している。英仏の空母が東アジアに展開し、域内諸国と安全保障上の連帯を強化している。韓国より強い日本、インドすら米国との戦略的連帯を強化し、韓国並みに対中経済依存度が高いオーストラリアや台湾もこの連帯に参加することをためらわない。日本がインド・太平洋戦略とクアッドを主導する姿は、およそ100年前の日英同盟を連想させる。逆に韓国は、韓米同盟の分量を減らしてその分だけ中国を重視することを「均衡外交」と称し、米中冷戦であらん限りの戦略的あいまいさを維持することが賢いことのようなふりをしている。

 高句麗が唐に滅ぼされて以来、韓国は歴史的大転換期において一度も自ら選択したことがない。周囲に「強いやつ」が現れたら、力で服属させられるか、自ら追従してきた。韓国はG7規模の先進民主国家で、同盟なく漂流した朝鮮王朝と違って強力な同盟もある。米中冷戦の核心であるハイテク競争を左右する半導体において、韓国は強力な優位も持っている。最悪の地政学的条件だが、発想を転換すれば、韓国は米中競争において誰も無視できず、相当な「てこの力」を発揮できる条件を備えている。韓国は、大陸勢力と海洋勢力が再び競り合う大転換の危機において、自ら克服する力を見せるときになったと考える。

 危機を克服する国と失敗する国を見定める最も重要な尺度は、結局のところ指導者の資質だ。大国に振り回され、大勢も読み取れず、脅威の本質を忘却し、右往左往していた暗君高宗の俄館播遷の道をたどっているのではないだろうか?

尹徳敏(ユン・ドクミン)韓国外大碩座(せきざ)教授・元国立外交院長

■世界最高の国ランキング7位は米国、韓国は20位、日本は?

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