楽譜で著作権料を支払い済みだって? | 長坂憲道(作曲家、アコーディオン奏者)
2017年05月20日(土)

楽譜で著作権料を支払い済みだって?

テーマ:音楽著作権

著作権料ならすでに楽譜を買うことで支払われている。音楽教室からとるってことは二重徴収になるわけだ。

 

これもよくある誤解。
 

楽譜にかかっている著作権料は、その楽曲を楽譜として出版するという商行為に対して支払う著作物の使用料です。

 

これを支払った人は、あくまで出版社です。

 

出版社がお金儲けをするという行為にかかった著作物の使用料です。

 

これを買った人は、全ての著作権処理が済んだと思ったら大間違いなんですよ。

 

 

 

消費者(演奏者)が楽譜購入時に支払ったお金では、残念ながら著作権料を間接的に払ったことにはなりません。

楽譜購入の対価は、楽曲の聴き取り作業~写譜~印刷への対価に過ぎません。

 

自分で耳コピをして写譜をして、という作業を出版社が代わりにやってくれた、という手間暇と印刷の対価です。

 



もし、この楽譜代金に、購入者が負担すべく著作権料が予め含まれるとするなら、楽譜一曲分で何十万円いや何百万円も支払わなきゃいけないことになりますよ。

 

その楽譜を購入して商売をするであろうと想定される数・金額を予測して計算して、予め先取りする必要が出てくるのですからね。

 



そんなわけにはいかないので楽譜の価格は、あくまでも「楽曲の聴き取り作業~写譜~印刷」の手間賃だけなのです。

 

 

 

収録曲数、販売価格、部数を申告して、出版社がお金儲けをする分の中から、著作権料を支払っただけのものであり、購入者が二次的、三次的に営利・商業シーンで活用する場面までは想定できるはずもありませんので、それは含まれていないのです。

 

 

 

お分かりいただけますか?

 

著作権の使用料金ってやつは、お金儲けをしようとしていない人には支払い義務はありません。

 

音楽作品を使って儲けようとする人が支払う必要のあるものです。

 

 

 

もし、楽譜を買うことで著作権処理がすべて済まされるというなら・・・

 

【A】楽譜を見ずに耳コピだけで演奏する人

【B】楽譜を買って見て演奏する人

 

それぞれ演奏している音楽に違いはないはずですから、ステージで演奏してギャラをもらっているのであれば、楽譜を買って払ったからという理屈は全く成り立たないということはお分かりいただけますか?
 

 

 

そんな難しいレベルの話ではないので、これを機に是非ご理解くださいね。

僕自身も耳コピ~自筆書き取り譜面~人前での演奏時は必ず暗譜ですので、市販の楽譜は買いもしないし見てもいませんが、演奏をしてお金儲けをするのであれば、著作物の使用料はきちんと支払いますよ。


それが楽曲を作った人への当然の敬意です。常識です。

他人の作品をタダで勝手に使って、お金儲けをしてはいけません。 絶対に。それは音楽教室であっても同じです。



僕は、今までに発表したCDアルバムでも、沢山のカバー曲を収録させていただきましたが、全てきちんと著作物の使用料は支払い済みです。


JASRACを通じた著作権料の支払いだけではなく、原作者ご本人、もしくは管理担当事務所サイドにも、アレンジするということと、アコーディオンでカバー演奏するということも別途許諾をとっています。

 

 


ということで、楽譜を買って見ていても、見ていなくても、印刷で儲ける次元と、演奏や録音、それから音楽教室で儲ける話は、商業シーンとしては全くの別事件ですので、これは問題のある二重徴収と理解するのは間違いです。

 

それは音楽教室でも同じですよね。

 

誰かが作った音楽作品を活用して、お金儲けをしているのですからね。
 

 

 

それが、プロでもない一個人が、楽譜を見て趣味で演奏をして、誰にも聴かせていない、誰からもお金を取っていないのであれば、それは著作権に関する法で認められた「個人で楽しむ範囲」なのです。

 

 

 

ちなみに、僕自身がJASRAC信託の作曲家であるため、自分自身の作品に対しても使用料を収めますよ。

ライブで演奏する際も、オリジナルアルバムでのオリジナル曲収録の際も、そして音楽教室のレッスン課題曲として使う際にも。

 

こんな話をすると、また思考停止型の人たちが、自分の作品にもお金がかかるなんておかしい!と脊髄反射でを吠えたてるのですが、こんなのは著作者の仕事としては常識なのです。

これが分かってない人は絶対にJASRACとも契約もできませんし、プロであろうとアまであろうと、まともなミュージシャンとは言えません。
 

自分自身の作品に対して払った使用料は、間違いなく100%自分に返ってきますよ。

自分以外の他人が使ってくれた僕の楽曲の使用料にしても、きちんと利用実績の明細とともに、年に4回、1日たりと遅れることなく振り込まれます。

そこから金額に応じて著作者自身が著作者の意思で手数料を収めてるだけですから、JASRACに手数料を「引かれてる」とか「取られてる」と思ってる人も、解釈が間違ってるのです。


システム上、無駄を省くため天引きの形で支払いと同時徴収ですが、ここには全く問題はありません。

JASRACが必要以上にピンハネしてため込んでいると巷で噂されているのは、事実無根の誹謗中傷に当たります。完全なデマなのですよ。


 

何かと理由をつけて、これを払おうとしないのは、単なる踏み倒しです。ドロボーです。



ここを指摘しても、ああ言えばこう言うで、嘘・デマを信じてる人は理解できないんでしょうけどね。

あげくは、僕らが嘘を言ってるように平気で言われるわけですから、洗脳状態は深いです。

僕ら素人の説得では残念ながら改善できません。

以前からJASRAC本体も事実の公表を、できるだけオープンになるように一生懸命行っているのですが、洗脳の深い人たちが全く信じようとしないのですからね。

公表の仕方が悪いとか、とにかく難癖つける。

新聞に広告を出しても苦言されるし。

この状態なのですから、洗脳を解くことを専門とする精神科医の治療が必要なレベルなのです。

 

 

 

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音楽著作権、JASRACについて、正しく知りたいという人、既に正しくご存知の皆様は、常識人であることの証、コンプライアンスの証として、是非ご参加ください。

 

そもそも僕がこのような話題を取り上げ始めたのは、僕が勤める高校で"DTM表現"という授業を担当していて、その授業の中で「わが教え子たちを犯罪者にしてしまわないために!」というテーマを単元とした授業で、音楽著作権にまつわる常識・非常識を教えるために、こういったネット上での事実誤認情報拡散を訂正するためのネタ集めからです。

知らないままでは本当に恥ずかしいこともありますし、知らないまま犯罪者になってしまっても困りますよね。

これってホント?っていう音楽著作権にまつわる都市伝説、逸話の真偽を確認したい人は、遠慮なくコメントをくださいね。

もちろん、僕自身も真偽を知らないことがありますので、そういう場合はその都度JASRACに問い合わせをしますので。

 

 

 

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  • 音楽教室から二重取り?

    多分、楽譜に著作権の使用料のことを指して、購入者が間接的に権利料を支払った気になっているのかもしれませんが、それはとんでもない誤解ですよ。これもいつまでも無くならない説なので、リブログすることにします。楽譜を買ったことで、間接的に購入者が著作権料を払ったことにはなりませんし、楽譜を買ったからと言って、その楽曲がまるで自分の曲のように権利を有することができるわけもありません。とある楽曲の楽譜を購入して、それを見ながら演奏しようとも、楽譜は買わず耳コピで演奏しようとも、そのカバー曲をライブで演奏たりCDに収録するのなら、その楽曲を利用した二次的、三次的なお金儲けのシーンです。これは楽譜を印刷~販売をする際の権利処理とは、全くの別次元です。それは音楽教室でも同じですよ。いずれも問題となるような二重徴収には当たりません。楽譜を買ったから全ての権利処理済みだなんて考え、非常にばかげてますよ。http://ameblo.jp/v-accordion/entry-12276275466.htmlこのブログを今一度よくお読みくださいね。[mixi]JASRACは僕らの町役場http://mixi.jp/view_community.pl?id=6287023音楽著作権、JASRACについて、正しく知りたいという人、既に正しくご存知の皆様は、常識人であることの証、コンプライアンスの証として、是非ご参加ください。そもそも僕がこのような話題を取り上げ始めたのは、僕が勤める高校で"DTM表現"という授業を担当していて、その授業の中で「わが教え子たちを犯罪者にしてしまわないために!」というテーマを単元とした授業で、音楽著作権にまつわる常識・非常識を教えるために、こういったネット上での事実誤認情報拡散を訂正するためのネタ集めからです。知らないままでは本当に恥ずかしいこともありますし、知らないまま犯罪者になってしまっても困りますよね。これってホント?っていう音楽著作権にまつわる都市伝説、逸話の真偽を確認したい人は、遠慮なくコメントをくださいね。もちろん、僕自身も真偽を知らないことがありますので、そういう場合はその都度JASRACに問い合わせをしますので。長坂憲道 ホームページ音楽教室きじばとの家[FaceBook] Norimichi Nagasaka[YouTube] 長坂憲道[mixi] 長坂憲道 コミュニティ[Twitter] v_accordion (長坂憲道)←長坂憲道のアルバムをiTunes StoreでGET! Venturo Accordion 2,700円 Amazon VIVID ACCORDION 2,700円 Amazon クリスマスに聴くアコーディオン 2,571円 Amazon 温暖湿潤アコーディオン 2,571円 Amazon 太陽とアコーディオン 2,571円 Amazon

    長坂憲道(アコーディオン)

    2017-06-04 02:00:00

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