確認問題

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[1] 整数の特性 〈確〉ITEM リスト

ここでは,核心[B]:「大きさ限定」に関する問題のみ扱います.核心[A]:「余り」については,次の「整数の除法」にて.
op
[1.1] 大きさを限定 〈基〉
(1) を満たす整数 をすべて書け.
(2) を満たす整数 をすべて書け.
op
[1.1] 大きさを限定 〈基〉
(1) を満たす整数 をすべて書け.
(2) を満たす整数 をすべて書け.
(1) だから,求める整数は
整数は,有限区間には有限個しかありません.
(2) だから,求める整数は
〈確〉ITEM リスト
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[1.2] 整数の個数 〈基〉
(1) 1 から 30 までの自然数の個数は?
(2) 0 から 30 までの整数の個数は?
(3) 10 から 30 までの自然数の個数は?
(4) から 30 までの整数の個数は?
op
[1.2] 整数の個数 〈基〉
(1) 1 から 30 までの自然数の個数は?
(2) 0 から 30 までの整数の個数は?
(3) 10 から 30 までの自然数の個数は?
(4) から 30 までの整数の個数は?
(1) 30

自然数の個数は,1 から数えると,終わりの番号と一致する.
(2)
1 から 30 まで ・・・ 30 個.
求める個数は,「0」も合わせて 31 個.
(3)
1 から 30 まで ・・・ 30 個.
1 から 9 まで ・・・ 9 個.
∴ 10 から 30 まで
    ・・・ 個.

(1)で述べたが使えるよう,1 からの個数に帰着させて考えます.結果として,
連続整数の個数
(終わりの番号) (初めの番号 ).

(4) 求める個数は
(1)で考えた「10~30」を起点として,初めの数を 1 ずつ小さくしていってみましょう.
このように,(3) で述べた法則 は,負の整数にも適用可能です.(終わりの数が負の整数でも大丈夫です.)
〈確〉ITEM リスト
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[2] 整数の除法 〈確〉ITEM リスト

op
[2.1] 整数の除法 〈基〉
次のものを求めよ.
(1) 17 を 5 で割った商と余り
(2) を 5 で割った商と余り
(3) 20 を 5 で割った商と余り
(4) 2 を 5 で割った商と余り
(5) 17 を 1 で割った商と余り
(6) 17 を 17 で割った商と余り
op
[2.1] 整数の除法 〈基〉
次のものを求めよ.
(1) 17 を 5 で割った商と余り
(2) を 5 で割った商と余り
(3) 20 を 5 で割った商と余り
(4) 2 を 5 で割った商と余り
(5) 17 を 1 で割った商と余り
(6) 17 を 17 で割った商と余り
(1)
厳密には,「 だから」と述べた方がよいですが,一目で確認できる程度のことなので,省きました(以下同様).
(2)
余りは必ず 0 以上.商は負の整数でもOKです.
(3)
もちろん,「+0」は書かないでもかまいません.このように余りが 0 のとき,「20 は 5 の倍数」,「5 は 20 の約数」といいます.詳しくは次ITEMで扱います.
(4)

(5)
全ての整数 は,1 で割った余りは 0,つまり
1 は,全ての整数 の約数,
全ての整数 は,1 の倍数.

(6)
全ての整数 は, 自身の約数,
全ての整数 は, 自身の倍数.
〈確〉ITEM リスト
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[3] 約数・倍数 〈確〉ITEM リスト

op
[3.1] 約数・倍数 〈基〉
(1) 12 の約数をすべて書け.
(2) 3 の倍数 を満たすものをすべて書け.
op
[3.1] 約数・倍数 〈基〉
(1) 12 の約数をすべて書け.
(2) 3 の倍数 を満たすものをすべて書け.
(1)
積が 12 になるものを“ペアで”求めると楽ですね.
の約数の求め方 を満たす を考える.

このことが,不定方程式・2 次型・約数の解法の基盤となります.
より本格的に求めるには,12 を素因数分解して考えます.
(2) だから

3 の倍数には,0 や負の数もあることを忘れずに.
〈確〉ITEM リスト
op
[3.2] 倍数の個数 〈基〉
(1) 1 から 100 までに 3 の倍数は何個あるか.
(2) 201 から 300 までに 3 の倍数は何個あるか.
op
[3.2] 倍数の個数 〈基〉
(1) 1 から 100 までに 3 の倍数は何個あるか.
(2) 201 から 300 までに 3 の倍数は何個あるか.
(1) 1~100 の自然数を
のように,1 から順に 3 個ずつ組にしていくと,各組の中では末尾の数だけが 3 の倍数ですね.そして,組にならない 100 は 3 の倍数ではありません.よって,「組」の個数が答えとなることがわかります.以上のことをイメージしながら・・・
より,求める個数は,33
答えの「33」は,整数の除法①における商に他なりません.一般に次のことが言えます.
倍数の個数1 から までにある の倍数の個数は, で割った商に等しい.

あくまでも「1 から」の場合です.に書いたイメージを持ちながら考えてくださいね.

(2) 3 の倍数は,整数 を用いて と表せる.このうち
を満たす
求める個数は,このような の個数に等しく
②の「連続する整数の個数」の数え方については問題:整数の個数にある通り
となります.
それとよく似た考えを用いて,(2)は次のように求めることもできます.
1~300の中にある 3 の倍数の個数は,前問と同様に考えて
1~200の中にある 3 の倍数の個数も,同様にして
したがって,201~300 の中にある 3 の倍数の個数は
(1)の「1~100」と(2)の「201~300」は,どちらも自然数の個数としては 100 個ですが,そこに含まれる 3 の倍数の個数は異なります.(1)の①のような整数の除法によって個数が求まるのは,あくまでも「1 から」の個数に限ります.
〈確〉ITEM リスト
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[4] 合同式 〈確〉ITEM リスト

op
[4.1] 合同式 〈基〉
(1) は成り立つか?
(2) 9876 と 9855 は,7 で割った余りが等しいか?
op
[4.1] 合同式 〈基〉
(1) は成り立つか?
(2) 9876 と 9855 は,7 で割った余りが等しいか?
(1) 2 数それぞれを 8 で割った余りが簡単に求まりそうですね.
(2) (1)と違って,余りを求めるのがやや面倒.そこで
「余りが等しい」⇔「差が割り切れる」
という同値関係を利用します.
(1)
より,843 と 75 は 8 で割った余りは等しい.すなわち,成り立つ
(2)
よって,9876 と 9855は,7 で割った余りが等しい
〈確〉ITEM リスト
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[5] 剰余類 〈確〉ITEM リスト

op
[5.1] 剰余類 〈基〉
(1) を 3 で割った余りが 1 のとき, を 3 で割った余りを求めよ.
(2) を 3 で割った余りが 2 のとき, を 3 で割った余りを求めよ.
op
[5.1] 剰余類 〈基〉
(1) を 3 で割った余りが 1 のとき, を 3 で割った余りを求めよ.
(2) を 3 で割った余りが 2 のとき, を 3 で割った余りを求めよ.
の「値」はわかりませんが,「余り」に関して,つまり がどの剰余類に属しているかはわかっています.この情報をもとに, を文字式で表し,素朴に計算して行きます.
(1) ある整数として, と表せる.

を 3 で割った余りは,2 .

を 3 で割った余りは,1 .

を 3 で割った余りは,1 .
この計算過程の下線部は,3で割り切れてしまうので,3 で割った余りには関係ないですね.つまり,上記解答を理解し尽くした人にとっては書くのが面倒くさい.こんなとき,“手”に楽をさせるために使う表記法,それが合同式です.(2)では,それを使って簡略化された解答を書きます.
(2) で考える. とおけるから
あくまでも,(1)のように余りに関する情報を文字式で表すのが基本です.(2)の解答においても,くれぐれも頭の中には(1)で行ったような文字計算を思い浮かべていること!思い浮かばない人,つまり文字式の暗算ができない人は,断じて合同式に頼ってはなりません!
また,上記証明自体がその問の主要テーマであるような単純問題では,「 」を使わず文字式をマジメに書かないと減点する採点者もいるかも・・・
ここで用いた文字 が,不特定な何かある整数であることに言及するべし.(1)では「表せる」, (2)では「おける」 としました.
〈確〉ITEM リスト
op

[6] 素数 〈確〉ITEM リスト

op
[6.1] 素数とは 〈基〉
(1) 素数 の正の約数はいくつあるか?
(2) 50以下の素数をすべて書け.
(3) 2011は素数であるか否か.
op
[6.1] 素数とは 〈基〉
(1) 素数 の正の約数はいくつあるか?
(2) 50以下の素数をすべて書け.
(3) 2011は素数であるか否か.

(1) 素数 の正の約数は, 2 個である.
「1」の正の約数は,1 の1 個だけである.「1」は素数ではない.

(2) 2 以外の素数(奇素数)を,奇数: を思い浮かべながら,1 やその数自身以外に約数がないかどうか考えならが探していきます.
(3) 仮に と積に分解されるとすれば
よって, 以下の素数が 2011 の約数になっているか否かを調べればよい.
そこで,44 以下の素数:
について調べると,すべて 2011 の約数ではないことがわかる.したがって,2011 は素数である
2,3,5 が約数であるか否かを調べる際には,ITEM「 進法」で扱う「約数か否かの判定法」を用いると楽です.
〈確〉ITEM リスト
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[6.2] 素数となる条件 〈基〉
が素数となるような自然数 を求めよ.
op
[6.2] 素数となる条件 〈基〉
が素数となるような自然数 を求めよ.
は, のとき, 2 以上の自然数どうしの積となり,素数ではない.
については
以上より,求める は,2
は因数分解されて積の形になりますが,「素数」は 2 以上の自然数 2 個以上の積では表せません.よって,条件を満たす はかなり絞られます.
〈確〉ITEM リスト
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[6.3] 素因数分解 〈基〉
次の各自然数を素因数分解せよ.
(1) 56   (2) 361 (3) 3600 (4) 363 
(5) 364 (6) 365 (7) 1000 (8) 1001
op
[6.3] 素因数分解 〈基〉
次の各自然数を素因数分解せよ.
(1) 56   (2) 361 (3) 3600 (4) 363 
(5) 364 (6) 365 (7) 1000 (8) 1001
各問ごとに,様々な手法を使い分けて行きます.
後出の[10.2] 約数に持つか否かの判定法 を,ここで用いてしまいます(小学生でもけっこう知っている知識なので).
(1)
掛け算九九「 」の逆ヨミを使いました.
(2) 碁盤のマス目の数
11 ~ 19 を 2 乗してできる平方数は,暗記しておきましょう.
(3)
3600 が平方数 であることを見抜けば,60 を素因数分解することに帰着されますね.
前記計算過程を見れば,平方数の素因数分解において,各素因数の個数が全て偶数となる理由が理解できますね.
(4)
363 の各位が全て 3 の倍数なので,363 も 3 の倍数だとわかります.あるいは,各位の和:12 が 3 の倍数であることを用いてもOKです.
は暗記しておきましょう.
(5)
下2桁:64 が 4 の倍数なので,364 も 4 の倍数だとわかります.
1 セットのトランプに記された数の合計は,(ジャック=11,クイーン=12,キング=13 として)

(6) 1 年の日数
一の位が 5 の倍数なので,365 も 5 の倍数だとわかります.

(7)
1000 は,10 を 3 乗して得られる「立方数」です.前記計算過程を見れば,立方数の素因数分解において,各素因数の個数が全て 3 の倍数となる理由が理解できるでしょう.
(8)
1001 は,素数2,3,5では割り切れないので,7 で割ってみました.
等式:「 」 は暗記しておきましょう.

実戦編で,このことを利用する問題を扱います.
〈確〉ITEM リスト
op
[6.4] 素数の活用法 〈基〉
(1) を満たす整数 の組 をすべて求めよ.
(2) ( は整数) が 5 で割り切れるとき, を 5 で割った余りは 2 または 4 であることを示せ.
op
[6.4] 素数の活用法 〈基〉
(1) を満たす整数 の組 をすべて求めよ.
(2) ( は整数) が 5 で割り切れるとき, を 5 で割った余りは 2 または 4 であることを示せ.
(1) 17 は素数だから,求める の組は

(2) 5 は素数だから
のとき, をある整数として
のとき,同様に
以上より, を 5 で割った余りは 2 または 4.□
〈確〉ITEM リスト
op

[7] 公約数・公倍数 〈確〉ITEM リスト

op
[7.1]公約数・公倍数1 〈基〉
24 と 60 について答えよ.
(1) 最大公約数(G.C.D.)と最小公倍数(L.C.M.)を求めよ.
(2) 正の公約数を全て求めよ.
(3) 正の公倍数を小さい方から順に3つ書け.
op
[7.1]公約数・公倍数1 〈基〉
24 と 60 について答えよ.
(1) 最大公約数(G.C.D.)と最小公倍数(L.C.M.)を求めよ.
(2) 正の公約数を全て求めよ.
(3) 正の公倍数を小さい方から順に3つ書け.
(1) 〔解1〕 G.C.D.について.
24 の正の約数は,大きい方から順に 24,12,
そのうち 60 の約数でもある最大のものは 12.
∴ G.C.D.は 12
L.C.M.について.
60 の正の倍数は,小さい方から順に 60 , 120 ,
そのうち 24 の倍数でもある最小のものは 120 .
∴ L.C.M.は 120

〔解2〕

〔解3〕
したがって
(2) 公約数は最大公約数 12 の約数だから,求める正の公約数は
1 , 2 , 3 , 4 , 6 , 12
(3) 公倍数は最小公倍数 120 の倍数だから,求める 3 つの公倍数は
120 , 240 , 360
負の約数や,0 や負の倍数もあることを忘れずに.
〈確〉ITEM リスト
op
[7.2] 公約数・公倍数2 〈基〉
2700 と 525 について,最大公約数(G.C.D.)と最小公倍数(L.C.M.)を求めよ.
op
[7.2] 公約数・公倍数2 〈基〉
2700 と 525 について,最大公約数(G.C.D.)と最小公倍数(L.C.M.)を求めよ.
前問に比べて数が大きいので,そこで用いていた〔解1〕はさすがに使いづらいですね.
36 と 7 は互いに素だから
G.C.D. は各素因数の最小次数を集めて
L.C.M. は各素因数の最大次数を集めて
〈確〉ITEM リスト
op

[8] 互いに素 〈確〉ITEM リスト

op
[8.1] 互いに素とは? 〈基〉
(1) 20 , 21 , 22 , 23 , 24 , 25 の中で,100 と互いに素であるものを全て選べ.
(2) は整数とする. は互いに素であることを示せ.
op
[8.1] 互いに素とは? 〈基〉
(1) 20 , 21 , 22 , 23 , 24 , 25 の中で,100 と互いに素であるものを全て選べ.
(2) は整数とする. は互いに素であることを示せ.
(1) 100 を素因数分解すると となるから,100 と互いに素である整数とは素因数 2 , 5 をどちらも持たないもの.よって,求める数は,21 , 23
(2) 背理法を用いる.
仮に が共通素因数 をもつとしたら,
と表せる.辺々差をとると
は素数だから となるが,ことのき
となり,両辺の偶奇が一致せず不合理である.したがって, は共通素因数 をもたない.つまり は互いに素である.□
本問(2)とほぼ同内容な問題を, 整式と最大公約数 において扱います.
〈確〉ITEM リスト
op
[8.2] 互いに素の活用法 〈基〉
以下において,文字は全て整数とする.
(1) ならば であることを示せ.
(2) は 12 の倍数であることを示せ.
(3) が互いに素で, が成り立つとき,組 を求めよ.
op
[8.2] 互いに素の活用法 〈基〉
以下において,文字は全て整数とする.
(1) ならば であることを示せ.
(2) は 12 の倍数であることを示せ.
(3) が互いに素で, が成り立つとき,組 を求めよ.
(1),(2),(3)は,順に互いに素の活用法に対応しています.
(1)
さらに噛み砕いて言うと,次のとおりです.
右辺の「9」の中には素因数 がある.これは,「素因数分解の一意性」により,左辺の中にもある.ところが左辺のうち「 」の方には素因数 3 はまったくない.よって,素因数 は,左辺のうち の方に含まれる.
通常の試験では,前記のような詳しい説明を書かないで,
において,8 と 9 は互いに素だから, .□ 」
だけでOKとされることが多いでしょう.

(2) と分解して考える.
のうち 1 つは 3 の倍数だから
のうち 1 つは 4 の倍数だから
①,②,および 3 と が互いに素であることにより,
③□
①と②から③が得られる理由は,「素因数」に着目すると納得できます.
  • ①より, は素因数 3 をもつ.
  • ②より, は素因数 をもつ.
  • 3 と に,共通な素因数はない(つまり互いに素).
  • よって, は素因数 3 , を全てもつ.

要するに,互いに素である 2 つの数,3 と 4 を,切り離して考えてよいという訳です.今後,随所に威力を発揮する方法論です.
例えば, のとき
となっていますね.このように,連続するいくつかの整数の積に関して,『実戦問題』においてより詳しく考えて行きます.
(3) 与式を変形すると
は互いに素だから,素因数 2 は のうちいずれか一方のみに含まれる(素因数 5 についても同様).これと より
この(3)において, は平方数であり,答えの も平方数です.つまり,たしかに『基本編』「互いに素の活用法」で述べたとおりになっていますね.このを一般的に証明すると次のようになります.
が互いに素ならば, はともに平方数であることを示す.
を相異なる素数, を自然数として, の素因数分解を
とすると, の素因数分解は
は互いに素,つまり共通な素因数をもたないから,各素因数 は,それぞれ の一方だけに含まれる.よって は,たとえば
のように表せる.すなわち は平方数である. についても同様である.□
このにおいて,ホントは・・・, のように表そうとしたとき,素数の種類が多い場合アルファベットが足りなくなってしまいます(笑).なので, を相異なる素数, を自然数として, のように表す方が正式な表現なのですが,見やすさを重視して前者の表し方を敢えて使いました.

(1)のでは,「互いに素の活用法」が成り立つ理由を,「素因数分解の一意性」を前提として説明しました.ところが,実は大学以降の整数論では,「素因数分解の一意性」を証明する際,先に「互いに素の活用法」を証明してそれを利用するのが一般的です.その見地からすると,このはちょっとオカシイのですが・・・.このような不都合を回避するため,本書では,「素因数分解の一意性」を「互いに素の活用法」を使わずに直接証明できることを 諸項目の厳密な証明・(3) 素因数分解の一意性 で示しています.
どのみち,生徒さんがそうした事情を心配する必要性はまったくありませんのでご安心を.
〈確〉ITEM リスト
op
[8.3] 素数&互いに素の活用法 〈基〉(素数)〈基〉(互いに素)
は整数とする. のとき, であることを示せ.
op
[8.3] 素数&互いに素の活用法 〈基〉(素数)〈基〉(互いに素)
は整数とする. のとき, であることを示せ.
は合成数であり,素数ではないので,「6」のままで「素数の活用法」を使うことは許されませんよー!
だから, のとき
同様に .2 と 3 は互いに素だから, .□
合成数 6 を2つの素因数 2 と 3 に分解して議論し,これら2数が互いに素であることに注目することが肝要です.
   
とはできません.3 と 6 が互いに素ではないからです.
〈確〉ITEM リスト
op

[9] 互除法 〈確〉ITEM リスト

op
[9.1] 互除法の原理 〈基〉
73618 と 7361 の最大公約数を求めよ.
op
[9.1] 互除法の原理 〈基〉
73618 と 7361 の最大公約数を求めよ.
2 数を素因数分解するのは少し面倒くさそうです.一方,73618 から 7361 の 10 倍を取りくのは一瞬でできますね.そう,法の出番です.
整数の除法
だから,互除法の原理より,最大公約数について
ここで,7361 は奇数であり素因数 2 を持たないから, とは互いに素である.よって
つまり,2 数は互いに素です.
①, の後,さらに除法を行い
として,「互除法」(次問)を最後までやり切ることもできますが,最大公約数を求めることだけを目指すなら,①, だけで充分ですね.
2数の素因数分解は,それぞれ次の通りです.
〈確〉ITEM リスト
op
[9.2] 互除法 〈基〉
(1) 1403 と667 の最大公約数を求めよ.
(2) 713 と551 の最大公約数を求めよ.
op
[9.2] 互除法 〈基〉
(1) 1403 と667 の最大公約数を求めよ.
(2) 713 と551 の最大公約数を求めよ.
前問と同様,素因数分解するのは少しメンドウです.前問のように“一瞬”では終わりませんが,「互除法の原理」を繰り返し用いる「互除法」によって解決します.
(1)
等式 が成り立てば,互除法は の大小に関係なく,たとえ が負の整数であっても使えるのでしたね.このことに留意して①, 式以降を次の②, のように変えると少し速いです.
下線部: は,もちろん 667 を 69 で割った「余り」ではありませんが,互除法の原理はちゃんと使えます.
は,ウルサイことを言うと「 」と書くべきかも知れませんが,「 」でも値は同じですね.
②, の段階で,最大公約数が 23 であることはわかりますが,(ユークリッドの)「互除法」は,最後の③, まで“やり切る”のが正式です.③ において, より,任意の整数 0 の約数ですから,最大公約数 は 23 ですね.
2 数の素因数分解は,それぞれ
(2)
つまり,713 と 551 は互いに素,つまり最大公約数は 1 です.このことは,④,④ の先まで書かなくてもわかりますが.
2 数の素因数分解は,それぞれ
本問の(1),(2)を比べるとわかるように,互除法において,「 の所」に「1」が現れるときに限って,元の 2 数は,最大公約数が 1,つまり互いに素となります.
〈確〉ITEM リスト
op

[10] N 進法 〈確〉ITEM リスト

op
[10.1] N 進法の書き換え 〈基〉
(1) 2 進法で表された整数 を 10 進法で表せ.
(2) 10 進法で表された整数 を 2 進法で表せ.
(3) 6 進法で表された整数 を 3 進法で表せ.
op
[10.1] N 進法の書き換え 〈基〉
(1) 2 進法で表された整数 を 10 進法で表せ.
(2) 10 進法で表された整数 を 2 進法で表せ.
(3) 6 進法で表された整数 を 3 進法で表せ.
(1)
(2) 〔解1〕(「大きさ」に注目し,上の位から順に)
2の累乗数:
を思い浮かべながら, から,できるだけ大きな 2 の累乗数から順に取り去っていきます.
〔解2〕(「余り」に注目し,下の位から順に)
まず,一般論をちゃんと解説しておきます.2 進法において,末尾の位が 2 で割った余りであることに注目します.
を 2 で割る(除法を行う)と
よって
を 2 で割った余り.
商: をさらに 2 で割る(除法を行う)と
よって
を 2 で割った余り.
商: をさらに 2 で割る(除法を行う)と
・・・ (以下同様) ・・・
このような 2 進法による考え方を理解した上で,本問(2)で実際に用いる際には,10 進法表記のまま「2 で割る(除法を行う)」を繰り返します.
よって
このような作業を,簡便に記したものが,以下の解答です.

100 に対して,2 で割る除法を繰り返すと,次のようになる.
〔解2〕で用いた手法を,あまりよく理解しないでただ“やり方”として暗記している人が多いようですが・・・もったいないです.2 進法の仕組みを理解する絶好の場として活用して欲しいです.
この(2)で用いた 2 つの方法は,もちろん 2 進法以外にも適用できます.

(3) をいったん使い慣れた10 進法で表しましょう.
(ここからは(2)と同様な 2 通りの解法で)
〔解1〕 3 の累乗数,およびその 2 倍は次表の通り.
これを用いて
〔解2〕 178 に対して,3 で割る除法を繰り返すと,次のようになる.
よって
〈確〉ITEM リスト
op
[10.2] 約数に持つか否かの判定法 〈基〉
75228 は,2 , 5 , 4 , 8 , 3 , 9 , 6 を約数に持つかどうかを,それぞれ答えよ.

op

op
[10.2] 約数に持つか否かの判定法 〈基〉
75228 は,2 , 5 , 4 , 8 , 3 , 9 , 6 を約数に持つかどうかを,それぞれ答えよ.
「2」について.
一の位:8 が 2 で割り切れるから,75228 は 2 を約数にもつ
「4」について.
下二桁:28 が 4 で割り切れるから,75228 は 4 を約数にもつ
「8」について.
下三桁:228 が 8 で割り切れないから,75228 は 8 を約数にもたない
「5」について.
一の位:8 が 5 で割り切れないから,75228 は 5 を約数にもたない
「3」について.
各位の和: が 3 で割り切れるから,75228 は 3 を約数にもつ
「9」について.
各位の和:24 が 9 で割り切れないから,75228 は 9 を約数にもたない
「6」について.
75228 は 2 と 3 をともに約数にもつから, を約数にもつ
厳密には,「2 と 3 が互いに素であること」を用いています.「互いに素の活用法」
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