ワクチンを1瓶から7回とることができる特殊な注射器の生産が、31日からスタート。

工場のラインに次々と流れてくる注射器。

ここは、山梨・甲府市にある医療機器大手「テルモ」の工場。

31日から、新型コロナウイルスのワクチンを1瓶から7回接種できる、特殊な注射器の量産が始まった。

ワクチン接種ができる人の数を大きく左右する、1瓶からの接種回数。

これまで、通常の注射器では5回。
特殊な注射器でも、6回しか接種できなかった。

テルモ株式会社 甲府工場・大島英彦工場長「通常、シリンジと針は別々に供給されて、シリンジのこの部分とか針の接続部分は無駄な部分になって、押したとしても、体に入っていかない部分があったのですが、今回は、コロナウイルスワクチン用に少し針を伸ばして、同じように効率的に使えるデバイスを開発した」

今回の注射器は、針を注射器と一体化させたことで、ワクチンが残る量を大幅に削減。

一般的な注射器のおよそ30分の1にまで減らせたという。

テルモ株式会社 甲府工場・大島工場長「限られたワクチンを効率的に使うことは、世界中の人たちにとっても意味がある」

厚生労働省は、今回の注射器について、3月5日に製造・販売を承認している。

「テルモ」は、2021年度末までに、およそ2,000万本を生産するという。