300話 秘密と合言葉と建前
ペイスに懐いた赤ちゃんドラゴンことピー助は、時間が経つごとに元気になっていくようだった。ペイスの手に体を擦りつけてみたり、きゅうきゅうぴぃぴぃと鳴いてみたりと、庇護欲を誘うばかりだ。とてもこれが最悪にして凶悪な、災害の親戚とは思えない。
「どうする?」
「どうすると言われましても……」
しばらくの話し合いの後に出た結論として、この動く愛玩生物をさっさと国の上層部に引き渡すということは決まった。このまま手元に置いておくのは、それこそ災厄を呼びかねないからだ。
カセロールが、一旦機密部屋を出て、着替えて戻ってきた。
軍人としての正装に身を包み、幾つかの勲章を示す略綬までつけているのだから、このまま国王と謁見しても問題ない状態である。
「お前たちはしばらく待っていてくれ。くれぐれも、そこの赤ん坊には気を付けて、目を離すな。分かっているとは思うが、“いざ”という時は躊躇うなよ」
「分かりました」
そして改めて部屋を出るモルテールン子爵。
機密のおいてある部屋は、特殊な金属に囲まれているため魔法が使えないのだ。カセロールが【瞬間移動】するのであれば、部屋から出るしかない。
カセロールが出たところで、部屋は扉を閉めて施錠される。
「ぴぃ」
「おっと、危ないですから大人しくしていて下さい」
ペイスがピー助を抱きかかえると、更に激しく体を動かすようになった。逃げようとしている様子はなく、嬉しそうに尻尾を振っているようにも見える。
「私もこの年まで生きてきて、ドラゴンの赤ん坊なんて初めて見ましたよ」
コアントローが、気安い雰囲気で話しかける。
「僕もです。長い人生の中で、初めてのことですね」
「私の四分の一も生きてない若様に、長い人生というのも無いでしょう」
「なら、生まれる前からも含めておきましょう」
「腹の中に居た時も含めて、まだ若輩ですな」
はははと笑うコアントロー。目だけはドラゴンを追って警戒しているが、やはり一人で監視し続ける時と比べて安心感が違うと感じていた。
幾ら腕っぷしに自信があったとしても、成体の龍が暴れた場面を知っていると、安心など出来るはずも無いのだ。
誰も見たことのない生き物。赤ん坊だからと言って、尋常ならざる暴力を持ち合わせている可能性はあり得る。特に、魔法というものが存在する世界。理不尽な能力を生まれながらに有していたとしても、何の不思議もない。
「僕が若輩なのはその通りですが、それはそれとして色々とコアンも大変でしょう。特にこれからが」
「どういう意味です?」
ペイスの言葉の意味が分からずに、きょとんとするコアントロー。
「父様や僕は魔法であちこち飛び回ります。居場所を掴んだとしても、次の瞬間には遠く離れたところにいるかもしれない。それに比べるとコアンは居場所を確定させやすい。情報を得ようと考える人間が、誰を狙うかなんて明らかじゃないですか」
「そういう意味ですか」
「大変ですよ、これから。色んな人が寄ってきますから。もし変な誘惑に駆られそうになったら相談してください。多分、間違いなく先方以上の待遇を与えられますから」
「今でも十分に過分ですよ」
しがない流浪の身であったのが、腰を落ち着けて妻を持ち、子宝にも恵まれた。今更、恩義も義理もあるモルテールン家を裏切るはずもない。そうコアンは断言した。
勿論ペイスもコアントローの心情を疑っているわけでは無い。あくまで世間話の軽口である。
「子供も大きくなりましたし、そろそろ隠居を考えませんと」
「マルクがこの間成人したばかりじゃないですか。まだ下の子は未成年でしょう?」
「もうそろそろ成人です。息子たちの成人を見届けたら、思い残すことも無いでしょう」
「いやいや、マルクの結婚まで見届けないと。意外と抜けているところがありますから、とんでもない女性を伴侶に選ぶかもしれません」
「それはいけない。まだまだ隠居は出来ませんか」
「まだまださせませんよ」
はははと笑いあう二人。
しばらくとりとめもない世間話をしていたペイスとコアンだったが、部屋の外で人の気配がした瞬間は、身構えた。
「若様」
「分かってます。……合言葉を」
ノックの音が聞こえたところで、警戒しつつペイスが声を張り上げた。
「『手に剣を持ち、胸に誇りを持ち』。ついでに頭が痛くなるような迷惑息子を持っている」
「コアン、父様ではありませんね。怪しい人物です。父様ならこんなに出来の良い息子に、あんなことを言うはずがありません」
「そうですか」
コアントローは、さっさと扉を開ける。
勿論、扉の前に居たのはカセロールだった。
「お早いお戻りで。優秀な父親を持てて息子としては誇らしく思います」
「うむ、きちんと仕事を果たしてくれていたようだな。優秀な息子で嬉しいよ」
カセロールは、息子の頭に手を置いたままぐしゃぐしゃと動かし、ペイスはそれを迷惑そうにする。心温まる親子のコミュニケーションだ。
「それで、どうなりましたか?」
髪の毛を乱され、手櫛で何とか整えつつも尋ねるペイス。
「これから、陛下の所に行く」
やはり、というべきだろうか。
モノが、南部一帯で何百人も死傷させ地域に甚大な被害を齎した大龍だ。それも、生きている大龍をそのまま捕えているとなれば間違いなく歴史の重大事件。千年か、或いは万年に一度有るかどうかの、有史以来初めてのこととなる。
ことの重大性に鑑みれば、最優先で処理されるべき事案だろうとは予想できた。
「いきなりですね」
「それだけことは急を要するということだ。このまま王宮に行く。お前たちも付いてこい。勿論、その龍の子も連れていく」
王宮にカセロールが出向くというところまでは、頻繁とは言えないまでも珍しいことではない。
そこにペイスがくっついていくというのも、まず過去にも経験したこと。稀ではあっても、あり得なくもない。
だが、一従士に過ぎないコアントローも付いて三人でとなると、やはりモルテールン家でも珍事と言える。
「そのまま国王陛下に謁見ですか?」
それ故、確認事項としてペイスが尋ねた。
コアンを含め、ペイスとカセロールも揃って王宮に上がり、国王に謁見する。これは神王国の儀礼として異常だ。
元々男爵位未満の貴族は、王宮に入ることすら煩雑な手続きを要する。ましてコアンは平民だ。国王陛下の顔を見ることすら、普通は許されない。
案の定、カセロールは謁見を否定する。
「いや、正式な謁見ではない。秘密裡に軍務尚書や内務尚書と会議をしているところに、陛下が視察に来ることになっているのだ」
あくまで謁見ではなく、会議中に“たまたま”視察があるという態らしい。
「思いっきり建前ですね」
「ことがことだからな。表立った記録には残せない」
何にせよ、既に先方の準備は整えられているという。
お偉い方々が待ち構えているというのなら、遅れて待たせるのも拙い。
「では行くぞ」
颯爽と先導するカセロール。
後ろからは、頭にドラゴンを被ったペイスが続いた。
◇◇◇◇◇
「こっちだ」
カセロールたちが【瞬間移動】で飛んだのは、王城の裏に当たる場所。通用門に該当していて、普段は食材の搬入などに使われる。
勿論、普通の人間が簡単に出入りできる場所ではない。手続きさえ正統ならばとりあえず通れる表門と違い、使用するにも厳格な身分チェックを済ませておかねばならない出入口。
番兵が常に複数人で守っている場所でもある。
「お話は伺っております、モルテールン卿」
「うむ」
挨拶してくる兵に対し、堂々と対応するカセロール。
通用口を入り、若干広めの庭を抜け、見慣れない建物への出入り口まで来たところで、身なりの立派な騎士が三名待っていた。
「モルテールン子爵家当主カセロール=ミル=モルテールンである。カドレチェク公爵閣下並びにジーベルト侯爵閣下への用向きの為、お通し願おう」
「少々お待ちを」
騎士が確認の為に幾らか動き回り、程なくして問題ないと判断された。
勿論、話が事前に通っているし、そうでなくとも騎士が三人も出迎えるというのは異常なことである。彼らの目は、ペイスの頭に乗っかっている、動く不審物に向けられていた。
不審物はごそごと動き周り、騎士たちの視線から逃れるようにペイスの服の下に潜り込んだ。
「お通り下さい。ここからは私がご案内いたします」
「お役目ご苦労」
王城の中を騎士に先導されつつ、宮殿と呼ばれる本丸に乗り込んだところで、ペイスはきょろきょろと辺りを見回した。
「王宮に来るのも久しぶりですね」
「はぐれるなよ。お前のその服の下にあるものは、国宝級だ」
王城に来たタイミングで、ペイスは服の下のドラゴンを確認した。時折もぞもぞと動き回る為、見た目が非常に怪しい。
騎士に先導されつつ通された部屋。
大きな扉をノックすれば、中から返答があった。
入ってすぐにカセロール達を迎えたのは、頭の薄い老人だった。
「ジーベルト侯爵閣下、お忙しい中、時間を頂戴しました」
慇懃に敬礼するカセロール。ペイスも同じように右手を握り込んだまま左胸に当て、コアントローに至っては更に膝を折った最敬礼である。
「構わないとも。卿の申し出が事実ならば当然のことだ。もうすぐ“他の方々”も来られる故、今しばらくお待ちいただこう」
「心得ました」
五人ぐらい座れそうな大きなソファを勧められたため、カセロールとペイスはそこに座る。コアンは二人の後ろに立ち、手を後ろに組んだまま姿勢を正した。
ややあって、ペイス達が入ってきた所とは違う位置の扉からノックが聞こえ、一人の男性が入ってくる。
「おお、モルテールン卿、先に来られていたか。ジーベルト殿もお待たせしたようで申し訳ない」
「カドレチェク閣下、お待ちしていました」
プラエトリオ=ハズブノワ=ミル=カドレチェク。先代から跡を継いで中央軍で大将という地位にいる、軍家閥のトップ。公爵家当主にして王位継承権を保有する、国内屈指の大貴族である。
他の面々が自分を待つことを当然であるように振る舞い、また部屋の中の人間もそれを当然と受け止めて場が温まる。
「さて、一応“全員”揃ったということで、話を始めたいのだが……今お茶を入れさている。もうしばらくお待ち願えるかな」
「勿論です」
公爵がやってきてからさほど間もなく、王宮の侍女がお茶を用意し始める。
ペイスなどは目ざとい為に気付いたが、お茶を用意する人間以外に、それを監視する役が居て、更には毒見役まで用意されていた。警護の騎士もピリピリとしているし、数も多い。
ここまで厳重に警戒しながら準備をしたお茶が、人数分より一つ多めに用意されている。それが意味することは、カセロールの言葉が真実であったということ。誰の為のお茶が余っているのかなど、ここにいる全員が知っている。
雑談すら大してしないうちに、公爵の入ってきた扉から、ノックもせずに男が入ってきた。
供には騎士も連れている、身なりの一層豪華な男。
「陛下」
神王国十三代国王カリソン=ペクタレフ=ハズブノワ=ミル=ラウド=プラウリッヒその人である。
国王が来たことで、全員起立して敬礼をした。
「楽にせよ、忍びである。たまさか時間が空いた故に視察に来たまでのこと。普段通りに振る舞え」
「はっ」
勿論、ペイス達を含め全員が建前であることを知っている。
しかし、公式の記録を残さないという意味でもあり、この場のことはこの場にいる人間にしか漏れないということ。とりあえずは。
「カセロール、お前も元気そうだな」
「はい」
「息子の方も変わりないか。こうして会うのは久しぶりであるな」
国王は、ペイスのことを覚えていた。次世代を担う若者の中では飛び切りに優秀であるとの評価もしている。
直接声を掛けられたことで、ペイスも答えを返す。
「陛下の御尊顔を拝する機会を得ましたこと光栄至極に存じ上げます」
「相も変わらず礼儀正しいな。構わん、この場では余に対する不敬を問わぬ故、もう少し気楽に振る舞え」
「では遠慮なく」
国王陛下の許しを得たということで、ペイスは目に見えて態度を崩す。それこそ、親戚のうちに遊びに来た子供のような気楽さである。
横に居た父親などは、主君の前にもかかわらず頭を抱えそうになった。
「お前という奴は……」
「ははは、実に素直だな」
「恐縮です」
一切恐縮しているそぶりも見せず、飄々としているのだが、それは今回のような異常事態には心強い。
早速とばかりに、ペイスは懐から蠢く物体Xを披露した。
「それで、これが龍の赤ん坊か」
「はい」
きゅいきゅいぴぃぴぃと鳴きながら、ペイスの方に近づこうともがく幼成体。警戒していた貴族たちの警戒度が若干ながら下がり、場の空気が多少和やかになる。
「なるほど、確かに今まで見たことのない生き物であるか」
「はい。例の卵から産まれたことに間違いないため、ドラゴンの子であると判断しました」
「卵が割れて産まれてきたというなら間違いなかろう。問題は、この子の処遇であるか」
「きゅい」
つぶらな瞳で国王を見上げるそれは、彼をして困難な代物だった。
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