捨てずに育てて、見て、食べて!
春、“リボベジ”でグリーンを楽しもう!
“リボベジ”とは「リボーン(再生)ベジタブル(野菜)」の略称。野菜のヘタや根元を水に浸けたり土に植え替えたりして、野菜を再生させることです。
今回は、土に植えるより手軽で、すぐにでもできる水耕栽培を紹介します。これまで「もったいないな」と思いながら捨てていた部分から新しい芽や根が出る様子は愛らしく、日々ワクワクさせてくれます!
(撮影:sono〈bean〉/構成・取材:島田七瀬・酒井亜希子〈スタッフ・オン〉)
みずみずしい野菜の成長が愛(いと)おしい。
気持ちも空間も明るくなります。
教えてくださったのは…
深町 貴子 さん
園芸家
ふかまち・たかこ 全国各地のイベントや園芸講座で、植物を育てる楽しさをわかりやすく解説する。NHK『趣味の園芸 やさいの時間』など多くのメディアやYouTubeチャンネル「Horti」で、園芸の楽しみ方を発信中。
植物が1㎜でも成長していくのを見ると、「私自身も少し成長できているかも」と前向きな気持ちになれます。外出もままならず、変化が乏しくなりがちな日々の中ではなおさらです。
実は私は子どものころ、体が弱く家にいることが多かったのですが、植物の変化を発見することで、毎日がカラフルに感じられたことを今でも鮮明に覚えています。特にリボベジは外出しなくても、「根が出てきた! 葉が出てきた!」と、野菜が再生されていくのをごく身近に見ることができたので、「次はどうなるの?」と、とても楽しみでした。
春は、野菜の芽が育ちやすいし、水の温度が上がりすぎて野菜を腐らせることも少ないので、リボベジを始めるのにはぴったりな季節です。身近にある野菜を再利用して、見て楽しんだり料理に使ったりすることは、持続可能な行動の第一歩にもなります。ぜひチャレンジを!(深町さん)
深町メモ
元気に再生させるために……
- 新芽が出てくる部分は残してカットする
- 水は新芽にかからないようにする
- 1日に1回以上、水を替える
- 雑菌の繁殖を防ぐために、容器や包丁・ハサミはよく洗って使う
- 葉が黄色くなってきたら日光不足。日当たりのいい場所に移動を
- 水に浸かっている部分が黒くなってきたら腐っている可能性があるので、その部分を切り落とす
春にリボーン!
深町さんのおすすめは……
ニンジン
この状態からスタート
「葉が出てくる部分が水に浸かると腐りやすくなるので、注意しましょう」
【大根、カブ、ラディッシュ、ビーツなども同様に】
これ便利!Tips
ゆで卵にのせて、色どりに。
パクチー
「お気に入りの空き瓶で。緑のインテリアにもなります」
この状態からスタート
「植物は葉で光合成を行うので、葉のついた茎を1本残しておくと、再生が早くなります」
【三つ葉、水菜、セロリなども同様に】
これ便利!Tips
サンドイッチやカレーなどに少し加えるだけで、エスニック風味に。
バジル
「ハーブの花が咲いてくれるととってもうれしくなります」
この状態からスタート
「2〜4枚の葉を残し、節は二つ以上あるものを選びましょう。下の節が水に浸かるようにするとそこから根が伸び、上の節からは新芽が伸びてきます」
【クレソン、ミント、セリ、空心菜、春菊なども同様に】
これ便利!Tips
バニラアイスやアイスティーに添えると爽やかさが増します。
葉ネギ
「固定しにくい野菜はビー玉やスポンジを使って安定させます」
「私はミニチュアフィギュアを置いて楽しんでいます」
この状態からスタート
「根が長いままだと腐りやすいので、5㎜ほど残してカットしましょう」
【長ネギも同様に】
これ便利!Tips
刻んで麺類や豆腐の薬味に。
小松菜
「固定しにくい野菜はビー玉やスポンジを使って安定させます」
この状態からスタート
「外側から葉を手で取っていき中心の葉2~3枚を残すと、中央から新しい葉が出てきます」
【リーフレタス、チンゲン菜、サラダ菜、ホウレンソウなども同様に】
これ便利!Tips
お弁当の色どりや仕切りにも!
白菜
「新芽はこんなところから出てくるんですよ」
この状態からスタート
「水の吸い上げをよくするために、芯の底部5㎜程度をカットしましょう」
【レタスや春キャベツなども同様に】
これ便利!Tips
さっとゆでて、おひたしに。
編集部メンバーの声
「赤大根にピンク色の花が咲きました!」(写真/A.S.)
「野菜を買う際に、『この野菜はどんな芽が出て、どんな育ち方をするのかな』と、今までとは違う視点で野菜を見るのが楽しみに」(N.S.)