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会話

ネットでは「私服に着替えて逃げることは交戦法違反」なる議論を見かけることがあります。従って、「南京安全区掃蕩」で私服に着替えて逃げた中国兵は「戦時重罪人」だから、即時殺していい、というわけです。逃げ回るために私服に着替えるだけで「戦時重罪人」になる、というのも違和感がありますが、
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これは戦時国際法上では「奇計」をめぐる議論になるようですね。立作次郎『戦時国際法論』の「奇計」の章には、こんな議論があります。「国旗、軍用標章及敵の制服」は、戦闘中に使用してはならない。しかし、戦闘の前後、敵に近接し又は敵より逃れるために、これらを使用することを認める学説がある。
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立自身はこの議論に否定的ですが、現代の国際法学者、足立純夫「現代戦争法規論」には、こんな記述がありました。「接敵又は退却行動中、敵の国旗及び制服を使用できるかどうかについては確定していない」(P74)。現代においても、「敵の制服着用」はボーダーラインにあるようです。
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以前davsさんに教えていただいた、児島襄 『第二次世界大戦 ヒトラーの戦い11』にも、敵軍の制服を着て敵陣地内に潜入するように命じられた「スコルツニー中佐」の話が出てきます。詳細はこちらのアドレスの中頃に、「2020.2.23追記」として掲載してあります。yu77799.g1.xrea.com/nankin/y1892a4
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そんなことしていいの、と逡巡する中佐に、法務局長ヴィンダー中将は、こんな説明をします。「要するに、敵の軍服を着て戦闘してはまずいとみるべきだ。だから、内側にドイツ軍服を着用しておいて、敵を攻撃する前に上の敵軍服を脱いだらよかろう」
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児島氏。「この見解は、米陸軍省の解釈とも合致していて、戦後、中佐が米軍の捕虜になったさいの軍法会議でも、その米軍服着用の潜入作戦は「国際法違反ではない」と判決される・・」 この説明によれば、敵の制服使用に問題なし、という学説に沿った判決がなされたようです。
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いずれにしても、以上は、あくまで「敵の制服」の話です。「私服で逃げること」を禁ずる条文・学説は、私が知る限りありません。「敵の制服着用」というかなりきわどい行為までボーダーラインにあるのに、たかだか「私服で逃げること」を「国際法違反」と決めつけることはできないのではないか。
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私は国際法にはあまり詳しくありませんので、以上のような議論は、とっくにどこかで行なわれているのではないか、と思います。どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。
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児島氏の記述は初めて知りました。なかなか興味深いですね。 以前、スコルツェニーケースについては、藤田久一『国際人道法』で言及されている部分を紹介したことがあります(同書p.125)。
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>「私服で逃げること」を禁ずる条文・学説は、私が知る限りありません。 否定論者の主張によれば、作戦地・占領地で敵兵が私服になること自体が戦時重罪に該当するというもののようですね。
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この主張の裏付けとして、下記の信夫淳平の文章を挙げるの常套です。 信夫『上海戦と国際法』p.126 「然るに便衣隊は交戦者たる資格なきものにして害敵手段を行ふのであるから、明らかに交戦法規違反である。」
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つまり、南京での「便衣兵」は撤退・逃走中であり、「撤退・逃走」は「害敵手段」の一手段だから殺害しても構わないというわけです。 もちろん、その後の文章で「暗中狙撃」を例示しているように、信夫が想定している「害敵手段」は殺傷であることから、この主張は成立しません。
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もし信夫が言うところの「害敵手段」に「逃走」が想定されているならば、その後の文章での「現行犯」云々は成立し得ないからです。 この様に議論が進展してくると、彼らは軍律裁判論に議論を移行して行くわけですが、まぁ、こちらの議論も推して知るべし、といったところですね(笑)
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違うよ(笑) 交戦者資格を有しない者による敵対行為が復仇あるいは処罰対象となる。(上海戦と国際法125頁) (上海戦の)便衣隊は害敵手段を行うから「明らかに」交戦法規違反(同126頁)と言っているに過ぎない。つまみ読みばかりしてるからいつまで経っても同じ間違いだ #南京事件 #南京大虐殺
引用ツイート
K-K
@KKnanking
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返信先: @KKnankingさん, @yu77799さん
つまり、南京での「便衣兵」は撤退・逃走中であり、「撤退・逃走」は「害敵手段」の一手段だから殺害しても構わないというわけです。 もちろん、その後の文章で「暗中狙撃」を例示しているように、信夫が想定している「害敵手段」は殺傷であることから、この主張は成立しません。
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「逃走」は攻撃の意思なき動作だから準備行為と言い難い。然し攻撃側に背を向けて走っていたなどの外見が認められなければ、攻撃意思の欠缺はわからないのである。→
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→「潜伏」は攻撃圏内に隠れ留まる、攻撃の準備行為である。南京の便衣兵は「逃走」と強弁する者が居るが、明らかに敵から逃れようとする動作ではない以上「潜伏」と看做される。
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「潜伏」の外見だけではそれが害敵行為の準備であるのか判別し難い。そこでその逮捕には銃器弾薬類の携帯等の確たる証拠が必要(上海戦と国際法126頁)とされるのであるが、証拠は銃器弾薬に限らず、その者が戦闘員であることが判明すればよい。→
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