兵庫県内で新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種券の発送が本格的に始まった。養父市は29日から65歳以上の全市民を対象に発送。たつの市は、すでに80歳以上に発送し、接種希望者を募集。同日時点で募集人数の8倍を超える応募があるなど関心の高さがうかがえる。
たつの市は19日から80歳以上の約7800人を対象に接種券を発送し、26日の消印有効で、約500人の接種者を募集している。同市ワクチン対策チームの担当者によると、29日までに返信されたはがきは約4300枚で、すでに80歳以上の半分以上が希望したことになる。
22日に設置したコールセンターには、当初は1日約100件、はがきの書き方などの問い合わせが続いた。副反応が不安といった理由でキャンセルの電話もあったが、数人にとどまっているという。担当者は「2千人ぐらいかと予想していたので驚いた。ワクチンへの関心が高いということだろう」と話す。
養父市では29日、接種券と予診票などの発送を始めた。65歳以上の9126人が対象で、職員らが、個別接種を行う医療機関の連絡先などを記した案内状とともに封筒に入れ、郵便局に持ち込んだ。
かかりつけ医による個別接種は4月5日から、集団接種は同19日から予約の受け付けを開始予定。接種開始は個別接種が5月10日、集団接種は同23日を見込む。担当者は「可能な限り早く接種できるよう、早めの手続きを進めている。一般向けも、冬の流行期が想定される10月末までには接種を終えたい」とする。
その他の市町にも29日時点の発送見込みを取材したところ、高砂市と南あわじ市は3月31日から始める予定。県内の多くの市町が4月中旬~下旬を見込んでいる。(桑名良典、直江 純、高田康夫、上杉順子)
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