在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2021/3/26
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本の長さ248ページ
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言語日本語
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出版社ハート出版
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発売日2021/3/26
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ISBN-104802401124
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ISBN-13978-4802401128
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商品の説明
著者について
ウルムチ出身のウイグル人。
千葉大学非常勤講師。
上海華東師範大学ロシア語学科卒業。神奈川大学歴史民俗資料学研究科博士課程修了。
元放送大学面接授業講師、元東京外国語大学オープンアカデミーウイグル語講師。世界文学会会員。
著書に『ああ、ウイグルの大地』、『ウイグルの詩人 アフメット ジャン・オスマン選詩集』、『ウイグル新鋭詩人選詩集』三冊とも河合眞共訳(左右社)、『聖なる儀式 タヒル・ハムット・イズギル詩集』河合眞共編訳、『ウイグルの民話 動物編』河合直美共編訳(二冊とも鉱脈社)などがある。
それ以外に『万葉集』(第4巻まで)、『百人一首』、関岡英之著『旧帝国陸軍知られざる地政学戦略―見果てぬ防共回廊』のウイグル語訳を手掛けるほか、ウイグル語のネット雑誌『探検』にて詩や随筆を多数発表している。
出版社より
「はじめに」より抜粋
アジアの現在の状況を考えると、「もしあの時、ウイグルが独立していれば」と思うことがある。しかし歴史は変えられない。せめて日本国民が「将来、このような悲劇が起こらないようにするにはどうすればいいのか」という問いを自らにかけ、国を容易く中国共産党に差し出してしまったウイグル人がおかれている、想像を絶する現状と悲しみに向き合ってくれれば、私たちのような過ちを起こさないように教訓を得てくれれば、と思う。
今でも強制収容所の中に入っているウイグル人のことを考えれば、世の冷たさにいささか失望し、正義や人道などは何の意味もないのかと諦めている気持ちを隠せないのも事実。
この本が、日本の皆様に「国があり、そして主権国家の国民として生まれる幸せ」、あるいは「国がないことがどういうことか」などを考えさせてくれることを願う。そしてウイグルの歴史が、侵略を安易に許す側も侵略者同様に平和の破壊者であり、罪人であることを悟らせてくれることを願う。何よりも、世界に迫り来る中国の覇権主義の、実態解明の一端を担ってくれることを切実に願う。
「おわりに」より抜粋
巻末に掲載させていただいた「強制収容所に収容されているウイグルの知識人リスト」だが、これは、現在ノルウェーのオスロに住むウイグルの歴史学者で、ノンフィクション作家・詩人のアブドワリ・アユプ先生が三年かけて集めたものであり、一人の学者について三つの情報源(友人や家族・職場の人・中国政府の公式記録)などを踏まえてまとめた、血と汗と涙の労作である。
リストの中には、日本の大学で学位をとってウイグルに帰った知識人もいる。 また、アブドワリ・アユプ先生ご自身も、ウイグル語の教育を守るために中国共産党によって捕らえられ、刑期を言い渡された一人である。
彼はある随筆の中に、刑務所で出会ったある二十歳前のウイグル人の若者について書いている。その若者は後に分裂主義者として共産党に処刑される。
死ぬ前に彼は、先生に「なぜ私たちはこうなったの?」と聞く。先生は答えられなかったことの無念を述べている。
この言葉が、若くして失われた彼の人生と共に、ずっと私の心に突き刺さる。
「なぜ私たちはこうなったの?」
三浦小太郎「解説」より抜粋
もう十年以上前のことになるが、私はトルコで亡命ウイグル人の活動家に出会ったことがある。その時彼は、日本国は秘密裏に、ウイグルをはじめ様々なアジア諸民族を支援するための資金や部隊を保持しているのではないか、と真顔で私に問いかけてきたのだった。本書第三章で次のような文章を読んだ時に、私の脳裏にまざまざと浮かんできたのがこの記憶だった。
「ウイグル人の間で一九三〇年ごろから今までずっと『あの時、日本が来てくれていれば、東トルキスタンは独立していた』との言い伝えがある。内容としては『あの当時、日本は共産党が悪ということを、人類の敵であることをいち早く知っていたために、ソ連共産党と中国共産党からウイグルを守って独立させたかったらしいが、アメリカが二回にわたって日本の広島と長崎に核爆弾を落としたために、この計画は成し遂げられなかった』と言うもので、ほとんどのウイグル人がこの話をなぜか知っている」
ウイグル人の多くが持つ親日感情の根本が、この「伝説」に由来しているのだが、著者はここ日本で『帝国陸軍知られざる地政学戦略──見果てぬ「防共回廊」』という一冊の書物と、同書の著者・関岡英之氏と出会うことによって、この「伝説」が歴史的事実であることを知ることになった。
そしてこの『防共回廊』は、著者のウイグル語訳を通じて、世界のウイグル人に向けて紹介されることになった。同書のうちウイグルについての章がウイグル語に翻訳され、インターネットでの公開、そしてイスタンブールでの出版が実現したのだ。しかし、その二〇二〇年に予定されていた、同地での交流会を控えた二〇一九年五月、関岡氏は五十七歳の生涯を閉じた。
「先生はアジアの誇りであった美しい大和の国日本を、魂に桜を咲かせることができる武士の生き様を、私たちウイグル人に見せてくれた。関岡英之先生は私たちが憧れ、愛した美しい日本そのものだった。」
関岡氏の志は、彼が愛しその独立と幸福を祈り続けたウイグルの人々に届き、おそらく更なる花を咲かせ続けるだろう。
登録情報
- 出版社 : ハート出版 (2021/3/26)
- 発売日 : 2021/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 248ページ
- ISBN-10 : 4802401124
- ISBN-13 : 978-4802401128
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カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
著者は、日本に留学体験もあるウイグル人(女性)。両親はムスリムの共産党員だったというから、恵まれた知識層の家庭で育ったといえよう。
建築科の大学に進みたいと思ったものの、ウイグル人はそういうコースに進むことはできず、やむをえず、ロシア語学科に入り日本にも留学する。
そういった半自叙伝的に綴りつつ、中共のウイグル弾圧の歴史も綴っている。清水ともみさんの『命がけの証言』(ワック)に出てくるウイグル人などの「証言」も改めて紹介もされている。
反日教育を受けたものの、「敵の敵は味方」というか、かつての戦争で「中国」の敵だった「日本」がウイグル(東トルキスタン)を助けてくれていれば……との思いをウイグル人は持っていたという。
その思いが単なる夢・幻想ではなかったことを関岡英之氏の『旧帝国陸軍知られざる地政学戦略―見果てぬ防共回廊』 (祥伝社) のちに『帝国陸軍 知られざる地政学戦略 見果てぬ「防共回廊」』(祥伝社新書)------で知った著者は、関岡氏に連絡を取り、この本のウイグル語への翻訳にチャンレンジもする。彼が急死する直前での邂逅だったという。そんなやりとりも綴られている。
ウイグルの知識層への弾圧も書かれている。彼らに対して「地方民族主義者」というレッテルを貼り、1949年から1955年にかけて次々と処刑していったという。そのあと、新疆ウイグル自治区を設立し漢人が次々と「入植」していったとのこと。
このあたりの海外侵略や衛星国化する際に知識層や軍人などを集団殺戮する手法はスターリンと習近平とは瓜二つというべきだろう。
こういった歴史的事実に関しては、ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』 (みすず書房)や、ザヴォドニーの『消えた将校たち カチンの森虐殺事件』 (みすず書房)、ヴィクトル・ザスラフスキーの『カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺』 (みすず書房)でも読み取ることが可能。
北朝鮮の人権侵害、レイプなどに関しては、ブレイン・ハーデンの『北朝鮮14号管理所からの脱出』 (白水社)や、北朝鮮人権第3の道編の『北朝鮮 全巨里教化所 人道犯罪の現場 全巨里教化元収監者81人の証言を含む8934人による北朝鮮の国内人権状況の証言集』 (連合出版)もある。
上記のウイグルの実態を描いた本と、これらの本とを比較すれば「スターリンもヒトラーも習近平も金日成(金正日・金正恩)も同じ野蛮な殺人&独裁主義者」と理解されよう。