93年3月5日号/横スクロールシューティングは、何故左から右に進行するのか?
■エクスプレス
富士通MARTY 2月20日に発売だ!
気になるお値段の方なんだけど……コントローラーがひとつ付いて98000円。キーボードとマウス、通信用の専用ICカードモデムはオプションとして順次発売されるぞ。
ディスクカードへの書き換えシステムが任天堂への直接申し込み制になるぞ!
ディスクライターは全国に約3200台設置されている。2月中旬に撤去されはじめ、3月末にはなくなる予定だ。
■クロレビ
(浜村弘一、田原、渡辺、ジョルジョ)
バートの不思議な夢の大冒険
6 9 6 7
今までに見たこともないような演出を見せられると、ゲームがそれほどおもしろくなくても許せてしまうなあ。(ジョルジョ)
ポリスコネクション
5 5 4 3
奇をてらいすぎて、本質を見失った感あり。(ジョルジョ)
ONI Ⅲ 黒の破壊神
6 7 6 6
残念なのは戦闘中のアニメ。たるい。グラフィック的にもたいしたことはやってないんだから、サクサク進んでくれたほうがありがたかった。(浜村)
バーニングペーパー
4 5 4 4
あまりこなれてないアクションパズル。アクション性とパズル性、どっちも中途半端ではがゆさを覚えた。~かなり地味なゲームなんで、ステージクリアーしても達成感があまり得られないんだよな。(田原)
■あんたっちゃぶる
ハッカーインターナショナルの仕掛け人 PART 1
■突撃!ゼツリン野郎
目指せ!世界の牝鹿ちゃん
このページは、牝鹿ちゃんたちの情報を公開し、ゼツリン野郎どもの清らかな、そして麗しきオルドライフに資することを目的とした、恋の手ほどき書なのである。
(※『SUPER蒼き狼と白き牝鹿』のオルドに特化した特集。まったく関係ない外人娘のセクシーショットがページごとにちりばめられている)
■アーケードマニアック
第105回『魂斗羅』
■LETTERS伝言板
・『麗しのPrincess』という週刊読売増刊の47ページに、皇太子殿下が『べーしっ君』を読んでる写真がのってました。殿下も好きなんスかね。
(千葉県 みづのかんむり)
■町内会
美人とお習字
・右翼よ/埼玉県 加藤
・ネロどんと揉んだ/埼玉県 まるまるウー
■グラビア
藤谷美紀
美紀ちゃん主演のドラマ『魚のように』は、3月28日の9時からNHKで放送されるのだ。女の子同士の友情を知りたいなら、ぜひ見てみるように!!
(※『魚のように』はとても印象に残っている)
■ゲームアカデミー
横スクロールのシューティングは なぜ左から右に進行するものが多いのか?
逆にスクロールすると何か不都合があるのか?
(※『スターフォース』を、モニターを左と右に倒し、横スクに見立て、毛利名人、チバレイ、ふつうのOLに60回づつプレーさせる)
→ゲームをやりこんでいる人ほど、右から左への進行にとまどいをみせた
メーカーの見解は?
カプコン
自機と自機をコントロールするレバーとの距離的一体感と操作的自然感によるところが大きいんですよ。ボタンは単なる発射装置であり、自機と離れていても違和感はないはずです。ところが、レバーが左側で自機が右側にあるのでは、操作しづらいと思いますよ。なぜ、レバーが左にあるのかはわかりませんが……。(カプコン開発部)
ナムコ
キャラクターマップデータの構造によると思われます。通常、画面の左上を起点にして、右方向、下方向へと向かってデータが並ぶ構造になっているため、マップを作成するときの方向は自然と左から右になります。意識せずに右方向のスクロールを選択してしまうわけです。
以前『スカイキッド』で自機を左方向に進ませるスクロールを採用したのは、縦書きの文章を読み慣れている日本人には、進行方向が右から左のほうが楽であると推測したからです。結果的にはスクロールの方向の影響はあまりないようです。(ナムコCS開発部)
コナミ
まず人間の構造について学んでいただきたいですね。文字や数字を書くとき(横書きの場合)、人は左から右に書いていきますよね。また、グラフを作成するときも同じように左を起点に書いていきます。つまり、人間にとって左から右に進んでいくというのは、もう習慣になっているんです。いわゆる慣れってやつですね。(コナミ広報)
当時のゲーセンには右手で操作する筐体もあった
'70年代後期~'80年代初期のアーケードには、左右が逆の操作系をもつゲームもけっこうあったのだ。当時の“なんでもあり”状態から、10年間にわたる試行錯誤から淘汰によって、現在の操作系が主流となっていったと推測される。
ヘッドオンは右操作
スターホークは右操作
左利きはパックマンが上手!?
混沌の時代
ボーリング場のゲームコーナーが、ゲームセンターとして独立した存在になり始めたころ、ほとんどのゲーム基盤はメーカー純正の専用筐体のなかに収まっていた。そして当時の専用筐体には、右にコントロールレバー、左に発射ボタンがあるものも少なくなかった。
ところが、'78年、『スペースインベーダー』の爆発的人気によって、日本中に左にコントロールレバーのある筐体(テーブル筐体)が大量にバラまかれた。そして流行に応じて基盤だけを入れ換えて使用した結果、現在の操作系が主流となった、とも考えられる。
利き腕と進行方向は関係があるのか?
(※『ディフェンダー』を、右移動・右手撃ち/右移動・左手撃ち/左移動・右手撃ち/左移動・左手撃ち、それぞれのパターンで、右利きの毛利名人がプレーし、ゲームオーバーまでの時間を計測)
→ゲームオーバーまでの時間はたいして変わらなかった。慣れてしまえばこっちのもの
利き腕に起因する!?
ゲームはあくまでも空想の世界だが、現実の事柄が反映されていることも多い。それらがゲーム上に投影されるとき、適しているのは“左から右への進行””になるのではないだろうか。そしてその現実は右利きを主体として作られていることが多く、左から右に進行する横スクロールも、右利き社会の産物と考えられるのではないだろうか。
ふたつの実験とゲームメーカーの見解の両者から、少なくともプレーヤーのためだけに自機が左から右に進行するのではないことがわかった。むしろ作り手側にとって有利だから、現在のような状況になったとも考えられる。そして作り手が制作しやすかったのは、文字や数字が左から右へと進行することに大きく関わっている。またに文字や数字だけでなく、世の中には左から右に進行するものが多く、これらのものをもとにしてゲーム上で表現する場合、適していたのは現実の世界と同様に進行させる、左から右への進行だったに違いない。