富士フイルム、コロナ変異型判定のPCR検査キット

富士フイルム子会社の富士フイルム和光純薬は29日、新型コロナウイルスの変異型を判定するPCR検査キットを発売したと発表した。2種類のキットで検査することで、従来型、英国型、南アフリカ・ブラジル型かを判定できる。
検査では唾液や鼻の粘膜からRNA(リボ核酸)を抽出・精製した後、チューブに入れる。1つのチューブ内でRNAからDNAに転換し、DNAを増幅する。汎用の検査装置を使え、RNAの抽出などを含めると検査時間は100分程度になるという。
富士フイルムは研究用試薬として、国内外の検査会社や研究機関に販売する。価格は検査約100回分で税別8万円。
新型コロナの変異ウイルスは感染力が高く、ワクチンの効果が低下する恐れがあると指摘されている。感染経路の特定や封じ込めのため、変異型の検査拡大を求める声も出ている。スイス製薬大手ロシュや島津製作所も変異型に対応した試薬を開発している。
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