陽気さと、不気味さを
持ち合わせた秀吉の衣装とは?
行商人から織田家の重臣へ。藤吉郎から羽柴秀吉へ。下克上の世で大出世していった男。そこには、さまざまな形態の龍が寄り添っています。
これまで描かれてきた信長は、黒と赤の配色が多かったと思いますが、今回の信長のイメージは黄色です。そのテーマカラーを印象的に使いながら、うつけ者を表現したり、普段(ふだん)着では南蛮風のカラフルなパッチワーク、正装では織田家の家紋である木瓜(もっこう)を、大胆にあしらっています。
信長、初登場シーン(15歳)では、今までの一般的なイメージとは違う、見たことのない信長を演出。これに続き、イメージカラーの「黄色」を使いながら、信長がうつけ的表現をわざとしている感じを出しています。
初登場のシーンでセリフもない場面、さらに監督から「いつもの信長ぽくない感じ。漁師の格好だけれども“ただ者ではない感じ”は出したい」と言われていたので、そこは意識しました。そこで重ね着、腰にも一枚着物を巻き、小道具さんにもあれこれ付けていただいて全体的に厚みをもたせました。
信長は衣装でも信秀の流れを受け継いで、織田家の特徴である角のある柄にして、丸みのある柄は使わないようにしています。
あくまでも、信長は「うつけ」を演じさせられているだけで、「変わった格好」から「正装」の流れを考えているのは帰蝶だということです。
くせ者の道三が見た瞬間に「え?何者?」と思うようにハッキリした色柄にしてあります。
衣装としては、信長のイメージカラー「黄色」と織田家の角がある文様を使いました。
帰蝶が、信長と父の道三との初会見のために準備した衣装。信長のほかの衣装のイメージを崩さないように、色合いやアメコミ的な雰囲気はそのまま。
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