2018年1月12日(金)、東京・新宿FACEにてハダカ座公演vol.1「ストリップ学園」が幕を開けた。今作は、good morning N°5を主宰し、エネルギッシュな世界観を体現する澤田育子と、舞台制作会社CLIEの初タッグ作品。「非常識人の非常識人による非常識人のための非常識なステージ」と銘打たれ、“ストリップ”という言葉と古谷大和、石田隼、芹沢尚哉、藤原祐規らの清楚な女生徒姿のギャップで、発表当初から大きく注目を集めていた。
11月に行われた阿佐ヶ谷ロフトでのオールナイトイベント「ストリップ学園・受験予備校~秋季講座~」や、12月に行われた新宿ロフトプラスワンでの「ストリップ学園・受験予備校~冬季講座~」など、公演前から“大人のお祭り騒ぎ”という雰囲気が漂っていた今作。今回は、その“禁断”のステージをレポートする。
取材・文 / 篠田晴 撮影 / 竹下力
ストリップは“青春”だ!
大人の秘密基地のような新宿FACEに足を踏み入れると、そこに広がっているのは円形のステージ。そのステージの四方を囲むように組まれた客席をぐるりと見渡しながら、劇場の支配人がお客さんに本公演の楽しみ方を説明している。その瞬間から、ここが普段通いなれた劇場ではなく、まさに初めて訪れるストリップ劇場なのだと肌で感じることができる。
そのステージに駆け込んで来たのは、はつらつとした天真爛漫な少女・ラン(古谷大和)。
ストリッパーになりたいと言う彼女は、劇場の支配人(藤田記子)の勧めで「ストリップ学園」の入学試験を受け、無事合格する。
その学園で彼女を待っていたのは、ストリッパーの母を持つ葉子(石田隼)、ひたすらお金のためにストリッパーになりたい朋美(芹沢尚哉)、何不自由ないお嬢様育ちだが妖しい闇を抱える姫華(藤原祐規)ら、個性的な生徒たち。伝説のストリッパー「アゲハ」の称号を目指し、少女たちはぶつかり合いながら夢に向かって邁進していく。彼女たちの過去や葛藤、悩みも次第に丸裸になっていき……。
序盤から早速服を脱ぎ捨てて歌い踊るキャストたちの姿が圧巻だ。妖しく光るシャボン玉が舞う中、各々の「ストリッパーになりたい!」という心からの叫びに、会場の熱も上がっていく。
今回の舞台では、歓声や声援OK。更に、劇中に「チップタイム」と呼ばれる時間があり、そこではお目当てのキャストにチップを渡すこともできる。
また、ストリップ劇場おなじみの「リボン投げ」を模した紙テープ投げの演出も。チップや紙テープはあらかじめ物販にて購入できるので、ぜひ客席からもステージを盛り上げよう。紙テープは、放物線を描くように躊躇なく投げるのが上手く飛ぶコツだ。
メインキャスト4人は、時に可憐に、時に妖艶に客席を魅了していく。
葉子を演じた石田隼は、シュールな笑いを自分のものにしてコミカルさで魅せた一方、自らの生い立ちを語る姿は繊細で不器用な少女そのものだった。
朋美を演じた芹沢尚哉は、この座組最年少。イマドキの女の子を演じながら、華やいだ笑顔の下に隠すプライドとその反対の健気さに心を奪われる。石田演じる葉子との友情はせつなくもあたたかく、二人の未来に幸多かれと願わずにはいられない。