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「悪には悪の正義がある!」。校條拳太朗、谷 佳樹、友常勇気、古谷大和、相楽伊織が“闇堕ち”したヒーローを熱演! 舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』プレビュー公演レポート

「悪には悪の正義がある!」。校條拳太朗、谷 佳樹、友常勇気、古谷大和、相楽伊織が“闇堕ち”したヒーローを熱演! 舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』プレビュー公演レポート

『ウルトラマン』シリーズで人気のダークヒーローたちに注目し、あらたな『ウルトラマン』の世界観を表現するユニットプロジェクト『DARKNESS HEELS』。そのクロスメディア展開第1弾となる舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』のプレビュー公演が2019年9月13日(金)に埼玉県・新座市民会館で行われた。
様々な理由から“闇堕ち”した元・ヒーローを演じるのは、2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』シリーズや舞台『宇宙戦艦ティラミス』で人気上昇中の校條拳太朗、舞台『信長の野望』シリーズやミュージカル『悪ノ娘』などに出演し注目を集める谷 佳樹、映画『阿修羅少女BLOOD-C異聞』のほかに舞台『弱虫ペダル』『逆転裁判』など多くの舞台に出演する友常勇気、10月に上演されるLIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』に主演し来年1月放送のドラマ『チョコレート戦争』への出演を控える古谷大和、そして乃木坂46の元メンバーで本作が卒業後初の舞台出演となる相楽伊織の5人。
ゲネプロ前に行われた囲み取材で、新感覚のダークヒーロー演劇開幕に向けての意気込みをたっぷり語った。

取材・文・撮影 / 近藤明子


それぞれの考える“正義”があって、信念に基づいて行動しているだけ

『ウルトラマン』シリーズの中でもひときわ異彩を放つ人気悪役・ウルトラマンベリアル 役を演じる校條拳太朗、ジャグラス ジャグラー 役の谷 佳樹、イーヴィルティガ 役の友常勇気、ダークザギ 役の古谷大和、カミーラ 役の相楽伊織が、劇中衣裳でカメラの前に登壇。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

まずは、それぞれが演じるキャラクターについて説明する。

校條拳太朗「ウルトラマンベリアルは、もともと光の戦士だったのですが、力が欲しいという欲望に溺れて闇落ちしてしまった“元・ウルトラマンで闇の存在”という唯一のキャラクターになっています」

谷 佳樹「ジャグラス ジャグラー以外の4人は復活するところから始まりますが、ジャグラス ジャグラーはその前の物語から始まっていて、この中ではちょっと異質な存在です。ストーリーテラー的な要素もあり、ほかの4人を誘導していくような不思議な立ち位置の役ですね」

友常勇気「ウルトラマンティガに似ていることからイーヴィルティガと呼ばれるようになりましたが、彼はそのことについて納得がいっていない様子なので、そういったものも含めどう描かれるのか、本編を楽しみに見ていただきたいです」

古谷大和「ダークザギは破壊します! 以上です!」

相楽伊織「カミーラはウルトラマンティガを愛しすぎたがゆえに闇に落ちてしまったというキャラクターです。(友常の「ティガの元カノですよね?」という問いかけに対し)元カノで“愛憎の戦士”です」

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

続いて、衣裳のお気に入りポイントを聞かれると、「衣裳さんが日々研究して、僕たちが動きやすいように、そして見た目も派手に舞台映えするように細かいところまでこだわって手が加えられています。さっきも最終稽古の様子を見て新しいパーツを付けてくださったんですよ(と、後ろを向いて背中のキラキラ揺れる飾りを見せる)。着心地も最高で気に入ってます!」と、嬉しそうな

一方、校條はお気に入りポイントとして「鋭いカギ爪」をアピールするが、友常に「ちょっと切ったほうがいいんじゃない?」と突っ込まれ、「ちょっと今日は切り忘れちゃって」とボケてみせる一幕もあり、これには取材陣から思わず笑いが起こった。
「この爪、夏の『ウルフェス(=ウルトラマンフェスティバル2019)』でお披露目したときにはまだなくて、今日がお客様に初お披露目なんです。ベリアルといえば“かぎ爪”という印象を『ウルトラマン』ファンの皆さんは持っていると思いますし、僕もこんな長い爪になったことがないのでテンションが上がりますね。でもお水を飲むときがちょっと大変。これを付けているとペットボトルが開けられないので、いろんな人にフタを空けていただいて、ストローをさしてこうやって(おちょぼ口で)飲んでいます(笑)。真面目な話をすると、殺陣も衣裳に負けないくらい派手になっていて、マントを使った殺陣があったり、ちょっと動くだけできらびやかで見ごたえのあるものになっていると思います!」と自信をのぞかせた。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

また、今回はHEEL(=悪役)にスポットを当てた物語ということで、悪役ならではの“美学”、悪役を演じるうえでの“こだわり”や“楽しみ”について質問されると、校條は「“悪役”と言われますが、僕らは“悪”とは思っていない。それぞれの考える“正義”があって、信念に基づいて行動しているだけなので、少数派だからとか周りと違うっていうだけで必ずしも“悪”とは決めつけられないのではと思っています。一般的な人間の常識では“悪”に分類されるのかもしれないけれど、面倒くさいことに縛られず、本能に忠実に行動しているだけなんですよね」と語る。

その言葉を引き継いだも「人間には、いい部分があれば悪い部分もある。誰もが二面性を持っていますから、そのどちらに重きを置くかだけで、どっちが悪と決めつけることはできないと僕は思うんですよね。でも普段の生活で怒ってばっかりだと、周りに“何だ、コイツ”って思われてしまうけれど、今回の舞台では負の感情を思う存分出すことができるので楽しいです(笑)」と、悪役の魅力を分析。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

一方、ちょっと変わった視点で悪役の楽しさを語ったのは友常。「いつも演じているようなキャラクターだと、爽やかでキレイめなメイクが多いんですけど、今回は悪役なので黒い口紅とかきつめのアイメイクとか、いつもと違う感じにワクワクしています」と、濃い目の悪役メイクにまんざらでもない様子(笑)。

また、「演じるうえで意外性を大事にしている」と語った古谷は「僕自身、正義よりも悪寄りのキャラクターのほうが好きだったりするので、今回のような悪役の立ち位置でお芝居をやらせていただけるのは貴重な経験ですし、演じていて楽しいです」とニヤリ。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

今回が初舞台でアクション初挑戦となる相楽は「初めて剣を振ったときは何をしていいかわからない感じでしたが、共演者の皆さんに丁寧に教えてもらいながら相手の動きとかをしっかり見て殺陣ができるようになりました。今回が初舞台で、声の出し方もできていなくて、稽古場ではずっと「声が小さい!」と言われていましたが、そのたびに皆さんが優しくアドバイスしてくださいました」と緊張の面持ちでコメントしたが、横に並ぶ友常から「殺陣、めちゃめちゃうまくなったよね!」と声をかけられると、「本当ですか? でもまだまだなので、公演中もさらに成長できるように頑張りたいと思います」と笑顔がこぼれた。

最後に、キャストを代表して校條が「稽古場からキャストのみんなと研究し、たくさんのスタッフさんの力を借りてつくり上げたものが、いよいよ本日お客様に披露することができます。素晴らしいものが出来上がっていますので、覚悟して劇場に足を運んでください。お待ちしています」とコメントし、会見は終了した。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

禍々しい空気をまといつつも、どこか魅力的で人間くさい親近感に溢れていた

<ストーリー>
なぜ、ウルトラマンは関係のない他者を守るために自らの命を賭すことができるのか。
なぜ、悪と呼ばれる者は途方もない苦労をしてまで他者のものを奪おうとするのか。
ただ生きるだけならば、その必要はないはずだ。

惑星テリオと呼ばれる星の住人がその疑問にたどり着いたとき、 彼らはふたつの計画を立ち上げた。ひとつは、心優しき者に力を与えれば、ウルトラマンと同じように正義の使者と呼ばれるようになるのか。そして、もうひとつは、悪と呼ばれた者たちは、その先に何を求めていたのか……。

光の国への復讐と、世界への支配欲を剥き出しにした者は───『ウルトラマンベリアル』。
闇に堕ちてさえ、ひとつの愛に縋ろうとした者───『カミーラ』。
自らが神となり人類を導こうとした者───『イーヴィルティガ』。
この世のすべてを破壊しようとした者───『ダークザギ』。
嫉妬と渇望に身を委ねた者───『ジャグラス ジャグラー』。

かつて悪と呼ばれていた者たちが、惑星テリオで目を覚ます。
こうしてあらたな悪の物語が静かに幕を開ける。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

物語は、惑星テリオのヒュース・アーディ(佐川大樹)が、ウルトラマンベリアル(校條拳太朗)、イーヴィルティガ(友常勇気)ダークザギ(古谷大和)、カミーラ(相楽伊織)を復活させるところから始まる。

支配欲をむき出しにするウルトラマンベリアル、野心にかられ暴走し自滅の道を歩んだイーヴィルティガ、破壊を信条とするダークザギ、愛の深さゆえに憎しみにかられるカミーラ。そしてヒュースの計画に加担し、“ある思惑”を持って4者を誘導するジャグラス ジャグラー(谷 佳樹)。
その身の内に“闇”を抱える者たちは、何を求め、何のために戦い、他者の命をいとも簡単に奪うのか。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

ウルトラヒーローの光に対し、“闇からの囁き・誘い”をテーマに描かれる本作に登場するダークヒーローは、禍々しい空気をまといつつも、どこか魅力的で人間くさい親近感に溢れていた。
「自分の行く手を遮るから倒す」「復讐のため」「気に入らないから」……いやいや、そんな理由で? とツッコミたくなるシーンもあるが、世間のしがらみという枷を取り払い、ある意味人間の“本質”をむき出しに、本能に忠実に自由に行動している姿だと思えば、共感もできるのである。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

唯我独尊で個人プレイの彼らだが、たどり着いた先で出会う人々に興味を抱き、学習する純粋さも持ち合わせている。
笑顔を見せないクールビューティなカミーラが、身を寄せる惑星アバンのロレッテ家の息子・ダッシュ(佐藤祐吾)からユーモアのセンスを学び“ひとりボケ・ツッコミ”の練習をしているところをウルトラマンベリアルに目撃され慌てる様には会場から笑いが起こり、O-50に降り立ち殺戮を楽しんでいたダークザギ(古谷大和)が、偶然出会った少女・パルビナ・ルイ(宮崎理奈)のペースに巻き込まれイライラする様などは、自由を謳歌していた野獣が得体のしれない相手にとまどい、手なずけられていくようで実に面白かった。

その一方で、「惑星テリオ」「惑星アバン」「O-50」の関係や支配者たちの思惑、そこに住む住人たちが抱える“心の闇”や“想いの行方”など、ダークヒーローの物語とは別の人間ドラマも描かれているのが興味深い。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

最大の見どころである殺陣シーンも、セットの段差を利用した高い跳躍で敵に飛びかかったり、マントを翻してのかく乱や、スクリーンに映し出される巨人化した姿とシンクロしたアクション、スローからクイックモードに移るスピーディーな攻撃など、実に多彩。会見で「初めての殺陣に戸惑いもあるが、公演中も成長していきたい」と語っていた相楽だが、攻撃をかわしながら繰り出す剣筋も鋭く、アンサンブルのアクロバチックな動きも相まって見ごたえのあるものとなっていた。

また、シリアスなシーンをなごませるイーヴィルティガの飄々とした態度に思わずクスッとしつつも、時折り見せる何かを思い出したような表情にドキっとしたり、劇中でちょいちょい意味深な行動をとるジャグラス ジャグラーからも目が離せない。

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』 エンタメステーションレポート

壮大なスケールで描かれる舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』本公演は、9月23日(月・祝)まで東京・北千住のシアター1010にて上演中。
東京公演の平日(9月18日~9月20日)公演限定で、終演後に特別ゲストを交えてのアフタートークショーも開催される。各回の登壇ゲストなど、詳細は公式サイトを要チェック!

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』

プレビュー公演:2019年9月13日(金)新座市民会館
東京本公演:2019年9月18日(水)〜9月23日(月・祝)シアター1010

脚本・演出:久保田 唱

出演:
ウルトラマンベリアル 役:校條拳太朗
ジャグラス ジャグラー 役:谷 佳樹
イーヴィルティガ 役:友常勇気
ダークザギ 役:古谷大和

カミーラ 役:相楽伊織

〈惑星アバン〉
ノーム・ジェイ 役:影山達也
ワード・ロレッテ 役:田中しげ美
レジーナ・ロレッテ 役:諸塚香奈実
ダッシュ・ロレッテ 役:佐藤祐吾
クレスト・ハーロイ 役:後藤健流

〈O-50〉
パルビナ・ルイ 役:宮崎理奈
ルーク・バセン 役:白柏寿大
ロンメル 役:近藤雄介
セシル・ソリア 役:松村泰一郎
ボダイ 役:香音有希

〈惑星テリオからの刺客〉
シャルム・フィーラー 役:杉江優篤
ギア・メイ 役:春原優子
ファルコス・ミザイ 役:早乙女じょうじ
シュシュ 役:夏目愛海
モリア 役:丸山貢治
コア 役:力丸佳大
ヤスカ 役:天音みほ
ハルカ 役:堀越せな
ヒュース・アーディ 役:佐川大樹

アクションアンサンブル:
常光博武 高田紋吉 澤田圭佑 小川亮 坂元恭平 知久継道

主催:舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』製作委員会


【アフタートーク登壇者】
9月18日(水)18:30開演の回終演後
登壇キャスト:谷 佳樹、佐川大樹
ゲスト:青柳尊哉(テレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』ジャグラス ジャグラー 役)
司会:後藤健流、マグマ星人

9月19日(木) 13:30開演の回終演後
登壇キャスト:校條拳太朗、影山達也、佐藤祐吾
ゲスト:高橋健介(テレビシリーズ『ウルトラマンX』ウルトラマンエックス/大空大地 役)
司会:後藤健流、マグマ星人

9月19日(木) 18:30開演の回終演後
登壇キャスト:古谷大和、白柏寿大
ゲスト:石黒英雄(テレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』ウルトラマンオーブ/クレナイ ガイ 役)
司会:後藤健流、マグマ星人

9月20日(金)13:30開演の回終演後
『ウルトラ女子トーク会』
登壇キャスト:相楽伊織、天音みほ、夏目愛海、堀越せな、諸塚香奈実
司会:宮崎理奈

9月20日(金)18:30開演の回終演後
登壇キャスト:友常勇気、早乙女じょうじ、杉江優篤
ゲスト:七瀬 公(テレビシリーズ『ウルトラマンタイガ』ウルトラマントレギア/霧崎 役)
司会:後藤健流、マグマ星人

【ポップアップショップ『ウルトラマン&ツブラヤSHOP』展開決定】
期間:2019年9月18日(水)~10月1日(火)
会場:北千住マルイ 2Fイベントスペース


オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@darkness_heels)

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