いま最も過激でワイルドなエンターテインメント作品を発表する作・演出家といえば、good morning N°5の澤田育子の名前が挙がるだろう。そんな彼女が、ドラマチック&乙女チック&エキセントリックなストリップを見せる!「非常識人の、非常識人による、非常識人のためのステージ!」を合言葉に、CLIEとタッグを組み、ハダカ座公演vol.1『ストリップ学園』というスリリングなタイトルの旗揚げ公演を行う。しかもストリップをする女子役はイケメン男優ばかりなのだ! この舞台でカワイイ女子を演じる、今をときめく俳優石田隼と古谷大和がインタビューに応じてくれた。どんなアナーキーな世界が広がるか怖がらずに耳を傾けていただきたい。
取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり
こんなシーンあるの? という驚きの連続
記念すべきハダカ座公演vol.1『ストリップ学園』のご出演おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
古谷大和 台本を読みながら立ち稽古に入っていますが、次第に一つの舞台になり始めているワクワク感が稽古場に満ちています。
石田隼 ハダカ座公演なので、お客さまは今までに観たことのない舞台に心が沸き立って、私も丸裸になりたいと思わせてくれる作品になっていくと思いますよ。
すでに稽古に入られているそうですが、稽古中のエピソードはありますか。
古谷 台本は稽古前に渡されずに、顔合わせの稽古初日に初めて読むというスリリングな方法で、しかも2日目から立ち稽古をしました。台本を取っ払って立ち稽古をしながら、ある程度シーンを完成させていくんです。
石田 そうだね。今までやってきた舞台の2倍以上のスピードで稽古が進んでいる気がしましたね。
古谷 でも、これだけセリフを喋って、体を使って、汗をかいて8時間稽古して、台本が3ページしか進んでない(笑)。
石田 こんなシーンあるの? という驚きの連続が続きそうです。
古谷 今回は体の奥からエネルギーを燃焼している気がします。それでヘトヘトになる。そんな毎日に驚愕しながらワクワクしています。もっとすごいのが岩男海史くんという“筋トレ番長”がいて、稽古の最初に筋トレをするんです。稽古の2日目まではワクワクしていたのですが、今は後悔が……やめたい(笑)。
石田 それぐらい頭と体を使いますね。
古谷 それでも、筋トレはみんなで、絶対に最後までやろうと決めています。稽古も佳境になると時間がなくなり、演出の澤田さんもさすがに筋トレはやめようとおっしゃるかもしれませんが、早めに稽古場に来て筋トレをしようと思います。
石田 続けるのが大事だよね。すでに『ストリップ学園』のルーティーンになっています。考えてみたら筋トレがなかったら声も出ないし動けない。大和が言ったように、体の奥底からエネルギーを振り絞る稽古場です。これからはいろんなことにどんどんチャレンジしないといけないので、本番中もやり続けようと思っています。
これからの僕の作品を観なくてもいいから、これだけは観にきて
ハダカ座の公演が続けば恒例の儀式になりそうですね。
石田 ハダカ座に出るキャストは毎回腹筋がバキバキになります(笑)。
そんな激しい稽古をしていらっしゃいますが、『ストリップ学園』とはどんな作品になるのでしょうか。
石田 澤田育子さんが書いた脚本の中でも、とんでもない作品になると思います。これからの僕の作品を観なくてもいいから、これだけは観にきてくださいと言える作品に巡り会えましたね(笑)。もちろん、他の出演作品も観にきていただきたいんですけど、そう思えるくらい『ストリップ学園』は今までにない作品なんです。
古谷 脚本をもらうまでは、『ストリップ学園』というタイトルだから、内容も吹っ飛んでいると思っていました。それでも脚本を読むと、人間の素直な部分をそれぞれのキャラクターが表現するヒューマン・ドラマだと感じました。澤田さんがあえて稽古初日に脚本を初めて見せようとしたのは、無理やり役作りをしてこない方がいいと思っていらしたのかもしれません。澤田さんが描いている世界をまっさらな状態でみんなで共有することが大切だとおっしゃっている気がします。
僕たちの役は万人受けするタイプ
石田さんがストリップ学園の生徒役の「葉子」を、古谷さんは「ラン」を演じます。
石田 「葉子」はストリップ学園の生徒の一人ですが、お客さまにとって感情移入しやすい役だと思っています。真剣なゆえに抜けている部分もありますが、すべてのキャラクターに一番親身になって接していきます。
古谷 ランちゃんは天真爛漫です。真っ直ぐで、思ったことを大声で全世界に伝えようとする女の子。混じりっけのない“清水(きよみず)”みたいなイメージがあるんです。男の子は思わず好きになるだろうなという子で、僕も脚本を読んでランちゃんが好きになりました。だから、お客様もそう思っていただけたらいいな。チラシに僕と隼くん含め4人が写っていますが、フッキー(藤原祐規)さんの演じる「姫華」はお嬢様。(芹沢)尚哉くんが演じる「朋美」は貧乏で、それぞれにドラマがあるのも見所です。
石田 「姫華」と「朋美」はコアな層の男の子にモテるかもしれないですね。
古谷 好きな人は好きになるよね。僕たちの役は万人受けするタイプですね、きっと(笑)。
澤田さんはエネルギッシュでアグレッシブでポジティブ
気鋭の作・演出家である澤田さんの印象を聞かせてください。
古谷 エネルギッシュで稽古中も座ってないんです。いつも立って動いていらして、気になることがあると止めてすぐに訂正する。面白い時は笑っていただけるし、僕たちの意見も面白ければ採用してくださる柔軟でホットな方です。とはいえ、演出は熱いけれど、頭の中はとてもクールで、おっしゃることが的確です。僕は自分のことをエネルギッシュな方だと思っていましたが、澤田さんに比べたら……。演出についていくのに必死で、早く澤田さんの作り上げた世界に染まりたいです。
石田 今までに巡り合ったことのない演出家の方ですね。
古谷 アグレッシブでポジティブ。みんなのテンションを上げていく人です。実は、筋トレも澤田さんは参加してくれるんです。この作品を作るのはこの人だと納得できるし、信頼できますね。
石田 澤田さんとお話しした時に、キャスト全員が、この舞台に出て良かったと思ってもらいたいとおっしゃっていました。それで、この作品に携われて良かったと思われるそうです。母親のような人で、僕らとの間に壁がなくて優しい人ですね。
古谷 書かれたキャラクターに愛があるからだよね。少ししか登場しないキャラクターにだって愛があるから、メインのキャラクターと平等に扱ってくれる。演出を受けて、僕たちキャストがその愛を感じる。
公演は新宿FACEで上演されますが、舞台が円形なんですよね。
石田 円形で演じるのは初めてです。今は、あまり難しく考えていないですね。
古谷 普通の舞台は、お客さんの顔と僕らの顔を突き合わせますが、今回の劇場では、不意に背中を見られることもあります。ただ、あまり意識しすぎると嘘っぽくなる。大事なのは普通の舞台でも、円形の舞台でも与えられたキャラクターを真摯に生きること。たとえ背中を向いても、衣装を着ていても、あれはランちゃんだとわかってもらえるように演じたいですね。
石田 気にしすぎると不自然になるよね。
古谷 そう。もちろん、背中を見ているのは損だと思わせたくないのですが、そこは大切にしたいな。
2人なら一緒にどこまでも走っていける
お互いの印象を聞かせてください。
石田 波長が合うんです。初めて出会った時から、ノリも話も合いました。
古谷 僕はコミュニケーションが下手くそで変にキャラを作るところがあります。けれど、隼くんには気を使ってない素の自分でいられるんです。
共通しているところや繋がっている部分があるんですね。
石田 僕も大和も適当なところがあるけど、お芝居をしているときはしっかりして尊敬できる。大和にならくだらない話も真面目な話もなんでも話せる。
古谷 人間は、ここに熱を入れて、ここは手を抜くという抑揚があるのですが、その瞬間が隼くんと似ています。この話をいただいた時に、石田 隼と名前があったときはとても嬉しかった。
石田 お互い嬉しかったですね。
古谷 1回しか共演したことがなくて、その時もそれほど絡んでいないのに……2人なら一緒にどこまでも走っていける。
石田 肩を並べて大丈夫だと思うし、目指している方向はいつも同じなんです。
古谷 そんな2人だから座組で先頭を走ろうとは思わない。今作は座長がいる舞台ではないので、みんなで赤信号を渡って行くような、いえ、ちゃんと青信号を手を挙げて渡って行くように力を合わせて舞台に立ちたいと思います。
石田 お客さんを含めてみんなが「ストリップ学園」の生徒なんです。
最後に見所を教えてください。
古谷 稽古をしていくと、初めてのことに挑戦していくことが多いんです。心に着ていた重たい衣装をストリップしながら一枚一枚脱いで丸裸になっていく新鮮な感覚を味わっています。観に来てくれたお客様が精神的に裸になることは恥ずかしくなくて、感動できる作品を観たと思ってもらえるように頑張りたいです。
石田 この作品は、絶対皆さんの心に突き刺さります。大和も言ったように心の大事な部分がだんだん裸になって感じたことのない感情がこぼれ落ちる経験ができます。まずは1回観にきていただけたら嬉しいですね。
石田隼さん、古谷大和さん画像ギャラリー
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応募期間
※募集期間は終了致しました。
1月10日(水)~1月17日(水)23:59
石田隼
1991年10月30日生まれ。三重県出身。主な出演舞台に、『ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン』、『口紅』、『パタリロ!』、「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双」、『まわれ!無敵のマーダーケース』など。
古谷大和
1991年5月4日生まれ。東京都出身。主な出演舞台に、『CHaCK-UP』、『KING OF PRISM –Over theSunhine!』、『Threes』など。
ハダカ座公演 vol.1 『ストリップ学園』
2018年1月12日(金)~20日(土)新宿FACE
脚本・演出:澤田育子
音楽:金子隆博
振付:竹森徳芳
出演:葉子 役:石田 隼/ラン 役:古谷大和/朋美 役:芹沢尚哉/姫華 役:藤原祐規/
千代田信一/藤田記子/久保田南美/境秀人/野口裕樹/岩男海史/ロッキン=ヨーコ/中村 中(特別出演・歌)/小林顕作
オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter:@clie_seisaku
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