長野市の鶴賀病院で発生した新型コロナウイルスの「院内感染」について、病院と市保健所が検証結果をまとめました。

病院では、去年12月から先月10日の終息宣言まで、入院患者42人、職員17人の計59人が感染したことが確認されました。このうち、高齢で基礎疾患のある患者2人が亡くなったということです。

感染経路については、最初に確認された病棟では、発生前から入院患者の外出や外泊を中止していたため、患者がウイルスを持ち込んだ可能性は低いとしています。このことから、無症状感染した職員が患者に感染させた可能性が高いと推測していますが、はっきりした感染の起点は不明としています。

感染が拡大した要因は、鶴賀病院は精神科の病院で入院中の患者にマスクの着用や適性な距離を保つ、きちんとした手洗いや手指消毒を行うなどの基本的な感染対策の徹底が難しかった点があげられています。

また、食事や排せつ介助が必要な患者も多く、患者と職員が密に接触する機会が多かった。

精神科病棟の性質上、患者が離院することを防ぐために窓を大きく開けない構造で、換気効率が良くなかったとしています。

鶴賀病院は、患者を守るため、今後より一層、再発防止に努めたいとしています。

また、病院と市保健所は、全国的に精神科病院での集団感染が多発していることから、対策の参考になればと報告書を公表しました。