陽気さと、不気味さを
持ち合わせた秀吉の衣装とは?
行商人から織田家の重臣へ。藤吉郎から羽柴秀吉へ。下克上の世で大出世していった男。そこには、さまざまな形態の龍が寄り添っています。
物語は、美濃編から越前編へと変わりましたが、清貧生活を強いられていることもあり、着ているものがガラリと変わることはありません。以前から光秀やその父が持っていたものが基本。とはいえ、光秀も年齢を重ね、父親にもなったので、より深みのあるブルーやグリーンを使った小袖や、それに合わせる襦袢(じゅばん)の色などで、落ち着きと品格を表現しています。
越前編では、「大人になり、父親にもなる光秀に新たな衣装を」、という監督の思いと、「美濃から逃げ延びて貧しい暮らしをしている」という、台本上の現実とのバランスを考えて作りました。
色味は、美濃のころより落ち着いた色を使い、段替わりにすることで戦国っぽさを残しつつ、父や光秀本人が持っていたであろう小袖を大切に使って仕立て直しているという思いで作りました。
襟や袖などのよく擦り切れるところは、きれいに丁寧に繕われています。これは、妻の熙子や母の牧の「貧しくとも明智家の主(あるじ)である光秀の身だしなみは整えたい」という思いからの手仕事になります。
美濃編の後半から着ている、光秀の衣装のモチーフである「竹」が描かれた衣装です。
光秀たちは美濃を出るとき、着ていた衣装も持って来ているはずなので、少し偉くなり新調できる様になるまでは美濃での衣装も着ます。
襦袢の色を「白」から「グレー」に変えることで、年齢を重ねて落ち着いた雰囲気を出しました。
光秀の衣装のモチーフ「竹」
スクスクと伸びていく竹、風にサラサラと揺れる笹の葉で、光秀のこれからの成長と爽やかさを表現しています。
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