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黒澤和子・衣装の世界14/明智光秀

貧しさの中にも、
武士の誇りと、落ち着きを。

物語は、美濃編から越前編へと変わりましたが、清貧生活を強いられていることもあり、着ているものがガラリと変わることはありません。以前から光秀やその父が持っていたものが基本。とはいえ、光秀も年齢を重ね、父親にもなったので、より深みのあるブルーやグリーンを使った小袖や、それに合わせる襦袢(じゅばん)の色などで、落ち着きと品格を表現しています。

【小袖】 
光秀の普段着

段替りで
戦国っぽさを
美濃編のイメージを踏襲しつつ、
落ち着きのある色味。

越前編では、「大人になり、父親にもなる光秀に新たな衣装を」、という監督の思いと、「美濃から逃げ延びて貧しい暮らしをしている」という、台本上の現実とのバランスを考えて作りました。
色味は、美濃のころより落ち着いた色を使い、段替わりにすることで戦国っぽさを残しつつ、父や光秀本人が持っていたであろう小袖を大切に使って仕立て直しているという思いで作りました。

襟の擦り切れは
きれいに丁寧に
繕われている

襟や袖などのよく擦り切れるところは、きれいに丁寧に繕われています。これは、妻の熙子や母の牧の「貧しくとも明智家の主(あるじ)である光秀の身だしなみは整えたい」という思いからの手仕事になります。

美濃編の後半から着ている、光秀の衣装のモチーフである「竹」が描かれた衣装です。
光秀たちは美濃を出るとき、着ていた衣装も持って来ているはずなので、少し偉くなり新調できる様になるまでは美濃での衣装も着ます。

襦袢の色を「白」から「グレー」に変えることで、年齢を重ねて落ち着いた雰囲気を出しました。

光秀の衣装のモチーフ「竹」

光秀の衣装のモチーフ「竹」
スクスクと伸びていく竹、風にサラサラと揺れる笹の葉で、光秀のこれからの成長と爽やかさを表現しています。

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