陽気さと、不気味さを
持ち合わせた秀吉の衣装とは?
行商人から織田家の重臣へ。藤吉郎から羽柴秀吉へ。下克上の世で大出世していった男。そこには、さまざまな形態の龍が寄り添っています。
監督からは「誰よりも冷静で落ち着いた人」というイメージをいただきました。全体としては、生地に厚みをもたせて幕臣としての重厚感を出しています。
また、光秀のテーマカラーであるブルーを染め重ねることで、落ち着いた色味にしながら、幾何学模様を使用することでドラマ全体の華やかさは残しました。
幕臣となった光秀は、立場的には幕府と信長の間をつなぐ重要人物です。なので衣装も、幕府側の織物も、信長側の南蛮や派手な色柄なども使わず、監督がイメージする「一番冷静で落ち着いている人」を表現しました。
シーンや光の加減で、一見、黒っぽく見えることで、周りの幕臣や信長一派との対比を出し、年齢的、立場的にも一番落ち着き、冷静な雰囲気が出るようにしました。
中の小袖も同様に、光秀のイメージカラーがブルーと緑であることから、濃紺と濃い緑色を使っています。
光秀の性格を考えると、お金にものを言わせて高価な織物や珍しい生地を使うとは思えないので、「手をかけて良いものを作る」そういう衣装にしました。
生地に厚みをもたせ幕臣としての重厚感を出し、濃紺の濃淡を数色、場所によって二度、三度、四度と染め重ね、型もいくつかの幾何学模様を使用。落ち着いた色味ながらも『麒麟がくる』全体の華やかさは残しています。
武将たちの晴れ舞台ともいえる戦場(いくさば)で羽織る、豪華で派手な陣羽織!シリーズ最後は、羽柴秀吉を紹介します。
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