陽気さと、不気味さを
持ち合わせた秀吉の衣装とは?
行商人から織田家の重臣へ。藤吉郎から羽柴秀吉へ。下克上の世で大出世していった男。そこには、さまざまな形態の龍が寄り添っています。
この時代から武家の正装として登場した『天正裃(てんしょうかみしも)』。生地を厚手にすることで、光秀らしい落ち着きと重厚感を感じられるようにしました。
裃には大きな文様や柄を入れていない代わりに、左右の生地を変えた片身替わりにすることで、今作での光秀らしさや戦国らしさを表現。また色彩も、単なる濃紺と黒ではなく、青味の強い紺と緑がかった黒とし、光秀のテーマカラーであるブルーとグリーンを忍ばせることで、若き日の姿をふと感じられるようにしました。
『天正裃』とは、室町末期〜桃山時代に武家の正装である直垂(ひたたれ)の袖を切って簡略化したもので、江戸時代の武家の正装である『裃(かみしも)』の原型になります。
大きな柄や文様を入れていないので、あまり渋く地味になりすぎないように、小袖は今作の光秀がよく着ていた「段替わり」に、裃は「片身替わり」にして戦国らしさを表現しています。
光秀の衣装は、ほかにもいくつか新しくなっていますが、「裃」は今作最後の「正装」になります。そこで、濃紺と黒ではなく、少し青の強い紺、緑がかった黒にすることで、昔の光秀をふと思い出すような色にしてみました。
裃・小袖ともに厚手の生地を使い、直垂のときの落ち着きや重厚感を残しています。
武将たちの晴れ舞台ともいえる戦場(いくさば)で羽織る、豪華で派手な陣羽織!シリーズ最後は、羽柴秀吉を紹介します。
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