リスクのゴミ捨て場としての国家

人間が作り出す技術には、利益と相応するだけの害が常に裏側に貼りついている。たとえば旅客機は巨大な鉄塊を大量の燃料を燃やして空中に浮かせ、飛ばせることに利得があるが、まさにそのゆえに地上に墜落して大きな犠牲を出すことがあるし、自動車も1t近い構造物を高速で移動させる便利さと快適性は、そのままなにかと衝突して物を壊したり、人を死なせたりする危険に直結している。利益が大きくなればなるほど本来の用途から脱線したときの危険や、副作用からくる歪みも大きくなり、それだけ制御に多くの神経を使うことになる。交通移動の技術に限らず、生物医療、情報通信、化学、そのことはみな変わらない。

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2011/09/04 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雇用規制という「ラチェット(爪車)」

経済情勢や景気動向について書かれた資料を読んでいると、時々「ラチェット効果」という言葉を目にすることがある。「ラチェット」とは「つめ車」のことで、なにかの経済的な動向の影響が全体に広がりつつあるときに、文字通りの「歯止め」として、それを押しとどめる役割を演じる因子のことだ。

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2010/09/04 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

弁護士とコンビニで再考する独禁法

情報の非対称性を中心に検討してきた近辺の議論からは多少話が逸れることになるが、ここで弁護士問題の中で取り上げた独禁法そのものの意味と位置づけについてあらためて見直しておくことにしよう。前回と正反対のことを言うようだが(そうではないことは後ほど説明する)、独禁法それ自体は現在ではもう時代後れの不要な存在であり、民間事業者の競争環境に対する影響力はほとんどないというのがここでの基本的な理解である。なぜか。

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2010/07/11 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

弁護士会 vs. 独禁法

前稿では、改正貸金業の施行を機に増加している、弁護士問題を取り上げた一連の報道記事には、これを奇貨に司法改革そのものも巻き戻してしまおうとする、業界自らが誘導するキャンペーンの性格がみられること、また、そこには少し考えれば容易にわかるような粗雑な論理破綻があること、さらには彼らが特権的に与えられている自浄機能を充分活用せずに一見奇妙な自傷的露出を外向きに強めるのは、内側への働きかけだけではかなわない目的を達成するための意図的なものである可能性が高いこと、などの点をみてきた。では、自分たちの外側に成否の鍵がある彼らの真の照準とは何か。それは独禁法とその番人である公正取引委員会である。

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2010/06/27 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

弁護士再規制をめぐるねじれた議論

先に弁護士の品質問題を取り上げて以降も、ちょうどこの2010年6月から完全施行される改正貸金業法への関心もあって、「過払い金返還請求」を中心とした弁護士とのトラブルを扱った報道がますます増えている。しかしながらそれらを一通り並べてみると、その中にある一定の、奇妙なパターンを持ったものが多いことに気づく。

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2010/06/11 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「官製資格ビジネス」あれこれ

前稿で言及した「官製資格ビジネス」だが、そこで取り上げたもの以外にも、少し調べるだけで次から次と山のように出てくる。数が多すぎてきりがないので、目にとまったものだけをいくつか参考例としてあげておく。

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2010/03/31 | TrackBack(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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