NPO法人soarの公表事項について

特定非営利活動法人soar(以下、soar)が、2021年3月29日14時に、以下のURLにて同団体理事であった私・鈴木悠平の解任のお知らせを公表しました。

https://soar-world.com/20210329info

本件について、説明と反論を以下に記載します。

私自身は、相手方に対する行為の過ちと責任を認めて、自身にできうる限りの相手方への謝罪と贖罪、説明責任、および再発予防を行い、またsoarによる調査にも全面的に協力し、解任決議も受け入れておりました。しかしながら、最終的なsoarからの公表が、事前の合意を大きく逸脱する内容・範囲(多数への情報発信)であったことは受け入れがたく、法的措置を取る予定です。


1. 本処分に関連した、私の行為と責任

まず、私の行為が、お相手の方を傷つけてしまったことは間違いのない事実であり、自身の過ちとして、深く反省しております(また、飲酒・酩酊による行動制御困難は言い訳にならないと認識しております)し、ご本人にも後日謝罪をいたしました。もちろん、謝罪をした、謝罪を受け入れていただいたからといって、私の行ったことがなかったことになるわけではありません。またご本人にもたらしてしまった傷、痛み、苦痛が消えてなくなるわけでもありません。

お相手の方への直接の謝罪以外に私が取りうる責任の形として、soar理事の辞任意向もお伝えしたほか、昨年2020年にご本人からsoarへなされた申告を理由として実施された、2021年1-3月のsoarの内部調査にも全面的に協力いたしました。

また、以下2.に記す通り、同じ過ちを繰り返さないよう、治療・再発予防の取り組みを行っております。

2. 治療・再発予防の取り組み

私は現在、主に以下のような医療・福祉・自助グループ等の社会資源への相談・利用をしながら、自身の行為の背景要因を分析し、治療に取り組んでいます。

  • 依存症・パーソナリティ障害・発達障害の専門医の指導のもと、飲酒や対人接触に関する厳密な再発予防ルールを決め、毎日行動記録をつけ、定期通院を重ねております。

  • 継続的なカウンセリングを通して、これまでの生育歴を振り返りながら、他者との関係構築における自身のパターンやその背景要因の理解を深めています。

  • 仕事や経済面、人間関係等のさまざまなストレス要因を軽減するため、福祉制度の利用、働き方や業務量、対人関係の見直しを行い、再発リスク軽減に努めております。

  • 毎週1回、自助グループのミーティングに欠かさず参加し、「12ステップ」という依存症からの回復アプローチのひとつに則って、生き直しを試みています。

自助グループの匿名性担保のため、また、公の論争や外部の問題に意見を持たず、支持も否定もしないというグループの原理に乗っ取り、テーマや会合名については述べられませんが、自身の行為と悩みに関連した集まりを、依存症支援を専門とされる精神保健福祉士の方にご紹介いただき、参加しています。

自身の無力さを認め、コントロールを手放し、恐れずに自分の欠点や恐れなどを棚卸しし、これまでの人生で傷つけてしまった方々へ、相手を傷つけない限り直接・間接に償い・埋め合わせをすること、などが12ステップの内容です。毎週、仲間たちと分かち合いを行いながら、それぞれに「リカバリー・プラン」を作成し、「しらふ」を保って生き続けることを目指しています。

ここで、自身の治療等について記載することは、私が傷つけてしまった方への加害行為を免責・矮小化する意図では決してありません。行為への責任を受け止め、今後も可能な限りの直接・間接の埋め合わせを重ねていくこと、再発(スリップ)を予防し続けていくことが、今後の人生の責任だと考えております。



3. soarでの調査の経緯と、合意事項・反論事項

これまで活動を共にしてきたsoarのメンバーおよび、soarの活動を通して出会った方々には、心から感謝しております。私はsoarの設立間もない段階から、依頼を受けて理事の一人として団体の運営に参画してきました。また、私は理事としての立場だけでなく、ライター・スピーカー・モデレーターといった立場で、ウェブメディアでの企画インタビューや、イベント登壇を通して、さまざまな方と出会い、関わり、得難い経験をさせていただきました。

しかし、今回は私の行為により、私が直接傷つけてしまった方だけでなく、soarのメンバー・関係者にも、私の行為を理由とした調査・解任プロセスを通して、さまざまな負担と痛みをもたらしてしまい、心から申し訳なく思っております。

soarによる正式な「内部調査」は今年2021年1-3月に行われましたが、それ以前より、自身の行為と、その背景にある心的な問題については一部理事に個人的に共有・相談を行い、再発予防の取り組みの進捗も適宜報告してきておりました。

また、昨年2020年末には、自らsoar理事辞任の意向もお伝えしました。しかし理事辞任の意向は留保とされ、正式な調査(soar公表文における「内部調査」がこれに当たります)を経て、処遇の決定や公表の判断をするとの返答をいただきました。私はその方針を受け入れ、内部調査にも全面的に協力いたしました。調査の過程でも、改めて自身の行為を振り返り、当事者の方に対して行ってしまったことを、深く反省・後悔しております。

内部調査の後、2021年3月10日のsoar臨時社員総会で解任決議がなされ、正式に理事を解任されました。

翌2021年3月11日、soarから「処分理由通知書」が送付され、解任に伴う以下3点の措置を行う旨が通知されました。この時点では、私も、①②③の記載範囲において、措置内容に合意をいたしました。

①2021年3月10日開催の当団体臨時総会において、貴殿が第三者に対する加害行為を理由として理事の地位から解任されたことを、当団体ホームページにおいて公表すること

②当団体WEBサイトに掲載されている、貴殿が過去に作成・編集に関わった全ての記事につき、その掲載継続の必要性・相当性を総点検し、順次、掲載取りやめ・再編集・再取材などの措置を実施すること

③本件加害行為に起因して当団体において生じた一切の損害につき、追って貴殿に対して賠償請求を行うこと

しかしその後、2021年3月21日に通知された公表文と公表範囲は、事前の合意内容を逸脱するものでありました。具体的には以下の2点です。

  • 上記①で合意した以上の内容が「公表文」に含まれていたこと(上記の通知内容①と今回公表された文の差分をご確認ください)

  • またそれを、ホームページ上での公表だけでなく、soarのSNSやメールマガジンで多数の方に向けて発信すること(上記措置内容に含まれていません)

同内容でsoarより2021年3月23日昼頃に公表するとの通告がありましたが、当方代理人弁護士を通して、事前の合意範囲を逸脱しており、傷つけた方へさらなる心理的な負担を与えてしまうことになるおそれがあるほか、私に対する名誉毀損に当たる可能性があると、修正要望意見を提出しました。

当方代理人弁護士からの意見書を受けて、2021年3月27日にsoarからの最終返答と、2021年3月29日14時に公表する旨の予告がありました。こちらの要望に対して公表文・公表範囲の修正は十分でなく、受け入れがたいものであり、soarに対して、今後法的措置を取らざるを得ない結論となりました。

今後は、代理人弁護士を通して、NPO法人soarに対し名誉毀損等の民事訴訟を予定しております。

民事訴訟だけでなく、この反論文を出すこと自体が、私が傷つけた方、soarのメンバー、知人・友人の方々への心的負担をかけることにもなり、また、自身の行いを矮小化・正当化していると取られるおそれもあり、この結論に至るまで私も非常に苦悩しました。

これまで述べた通り、私自身の行為の過ちと、行為への責任を否認・矮小化する意図は一切ございません。あくまで、当事者の方への責任と分離して、今回の調査・処分におけるsoarの手続きと内容の不当性を争うための訴訟となります。


4 今後について

繰り返しになりますが、私自分が行ってしまったこと、私が他者を傷つけてしまったことは間違いのない事実であります。


過去をなかったことにはできませんが、自分を見つめ直し、治療・再発予防をし、この後の人生を通して、私にできる責任を果たして生きていきたいと思っております。

今後はあくまで、司法の場において、NPO法人soarの団体としての措置に関してのみ争いを行います。本件に直接・間接に関係する方のプライバシー・名誉に配慮し、これ以上の内容をインターネット上で議論・発信することは考えておりません。


そのため、個別・詳細のご質問にはお答えしかねること、ご理解いただければ幸いです。現時点では、soarと私双方から公表した内容がお伝えできる全てとなります。公私さまざまに私と関わってくださっている方に、本件に関して個別のご説明は原則できかねますが、双方の公表内容を踏まえ、今後の私との関わりについては、それぞれにご判断いただければと思います。

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