アストラゼネカ、米国の治験結果を下方修正 有効性76%

【ロンドン=佐竹実】英製薬大手アストラゼネカは25日、新型コロナワクチンの米国での臨床試験(治験)の結果について、有効性が76%だったと発表した。22日に79%と発表していたが、データが不十分と米当局に指摘され分析し直した。重症化や入院の予防効果は100%で変わらなかった。
アストラゼネカのワクチンは70カ国以上で使用許可を得ている。米国では治験の最終段階にあるが、同社の発表について米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が「古いデータが含まれている可能性がある」と指摘していた。同社によると、高齢者への有効性は85%で、前回発表時よりも5ポイント上がった。同社は近く米で使用許可を申請する方針で、当局がどう判断するかが注目される。
ロイター通信によると、デンマーク政府は25日、アストラゼネカのワクチン接種の中断を3週間延長すると発表した。血栓の副作用の疑いで11日から中断していた。欧州では血栓の疑いで中断が相次いだが、欧州医薬品庁(EMA)がワクチンとの因果関係はないとして接種を推奨し、ドイツやフランスなどは再開している。