ハチ公像前――
待ち合わせはここでいいんだよな、真吾?
はいっ! そのはずです、草薙さん!
大門さんの書き置きに、『スペシャルゲスト』とハチ公像前で待ち合わせって書いてありましたから!
――ってか、スペシャルゲストって誰だよ?
大門がわざわざパーティーに呼ぶ相手なんて……。
大門がわざわざパーティーに呼ぶ相手なんて……。
うーん。
マネージャーさんのお友達とかですかね?
マネージャーさんのお友達とかですかね?
ったく。んなヤツ来てもわかんねえぞ。
……あー、ただ待つのもヒマだな。
おい、真吾。
おい、真吾。
はいっ! 焼きそばパンっすね!
少々お待ちをー!
少々お待ちをー!
* * *
(にしても……。)
(マネージャーと格闘家達の『新たなる物語の始まり』を祝うパーティーって、なんだそりゃ。)
(書き置きには大門よりって書いてあったけどよ、あいつがそんなことするようなタマか?)
(どうも、うさんくせえんだよなあ……。)
……ほう。
貴様か、京――
貴様か、京――
ッ、その声は……!
フッ。招待状に従ってきたが、案内人が貴様とはな。
……草薙京!!
……草薙京!!
おいおい……まさかオレは、ハチ公前でてめぇと待ち合わせしてたってのかよ、八神!
わざわざ殺されるために俺を招待するとは殊勝なことだ。
さぁ、絶叫しろ……!
今日こそ貴様を血祭りにあげてくれる!
今日こそ貴様を血祭りにあげてくれる!
――ったく、冗談きついぜ。
いい加減飽きねぇのかよ。
いい加減飽きねぇのかよ。
陽が沈めば月が浮かぶように、これもまた宿命だ。
貴様の息の根は、俺が必ず止める!
貴様の息の根は、俺が必ず止める!
ハッ、言ってな。
月が沈んだら、今度はまた太陽が昇るんだよ。
月が沈んだら、今度はまた太陽が昇るんだよ。
仕方ねえから、相手してやるぜ。
――来い、八神!
――来い、八神!
* * *
草薙さーん! お待たせしました!
焼きそばパンと、そこで見つけた甘栗も買って――ええ!?
焼きそばパンと、そこで見つけた甘栗も買って――ええ!?
や、八神さんっ!?
なんでここに!?
なんでここに!?
遊びは終わりだ!
泣け、叫べ、そして死ねっ!!
泣け、叫べ、そして死ねっ!!
ハッ、あくびが出るぜ。
なめんな!
なめんな!
うわわっ! 2人とも、ここじゃマズいっす……!
通行人のみなさんの邪魔になっちゃいますよー!
通行人のみなさんの邪魔になっちゃいますよー!
……って、ダメだ。
全然聞こえてない……!
全然聞こえてない……!
あ、そうだ! 確か、他の格闘家のみなさんもこの近くで買い出ししてたはず……!
今、呼んでくるので、待っててくださいー!!
つづく...