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ミャンマー戦闘で中国雲南省に難民流入 中国政府、世論に介入迫られる

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ミャンマー戦闘で中国雲南省に難民流入 中国政府、世論に介入迫られる

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 【北京=矢板明夫】ミャンマー政府軍と、同国北部の中国系少数民族コーカン族など複数の武装勢力との内戦が今年初めに勃発し、戦火から逃れるために3万人以上の難民が国境を越え中国に流れ込んでいる。中国の世論は同じ民族的起源を持つコーカン族に同情し、「人民解放軍を派遣すべきだ」との強硬論が高まっているが、本格的な対立は避けたい中国当局は国民に冷静を呼びかけ、火消しに躍起になっている。

 コーカン族はミャンマー北東部の中国雲南省と隣接する地区に約20万人が住み、明末などに移住した中国人の子孫といわれる。今も中国の生活習慣を残し、中国語を話す人が多い。周辺の他の少数民族と同様、ミャンマー政府軍とは別に独自の軍隊を持っている。

 今年1月、ミャンマー北部の少数民族、カチン族が、森林の過度な伐採などを理由に政府軍と衝突し、内戦が始まった。隣接するコーカン族の集落も巻き込まれて参戦したが、政府軍の攻勢で主要な町が次々と奪われ、約3万人の難民が雲南省に流れ込んだ。

 コーカン族のリーダー、フォン・キャ・シン(彭家声)氏(85)が2月上旬、世界中の中国人と華僑に向けて「コーカン地区は古来の中華の領土。海外に捨てられた同胞を助けてほしい」と中国への復帰を示唆する声明を発表し、中国国内でコーカン族支援の機運が一気に高まった。

 インターネット上では、「コーカン地区は中国にとっての『クリミア』で、中国もロシアに見習って併合すべきだ」といった書き込みが多く寄せられている。習近平体制が推進する愛国主義教育に伴い民族主義が高揚していることが主張の背景にあると指摘される。

 しかし中国政府は、難民を積極的に受け入れたものの、「軍の派遣」を求める民間の声には距離を置く。外務省の報道官は定例記者会見で「中国はミャンマーの主権を尊重している」と繰り返し強調。共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報も社説で「中国社会の各方面は冷静さを保ち、早まった態度を取るべきではない」と呼びかけた。

 中国にとってミャンマーは、パイプラインなどを通じてエネルギーを確保すると同時に、近隣外交を展開する上で不可欠な重要国だ。コーカン問題に深く介入すればミャンマーとの関係が悪化し、国際社会から批判される危険も高く、慎重姿勢を崩していない。

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