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神々との取引き ~ PSYCHO-PASS劇場版
PSYCHO-PASSの劇場版は、導入部分に置かれた、公安監視官・常森朱(あかね)の友人の結婚話が、日本から東南アジア連合「シーアン」へのシビュラシステムの輸出をめぐる提携の行く末を暗示し、そのままストーリー全体のあらすじを紹介する、という、例によってとても凝った作りになっている。
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非武装主義者たち
この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本の
あり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています
あり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています
弐瓶勉のロボットSF「シドニアの騎士」で注目される点のひとつは、その政治的な性向である。しかもその「政治」は、作品が諷刺の手法を取り入れているために、侵略者の攻撃で地球を脱出し宇宙を寄る辺なく漂う、都市規模の人口を持つ巨大宇宙船という、孤立し、作品内に閉じたシステムの中で、金魚鉢の外から観賞されるものにとどまらず、仕切りなく我々のこの現実世界の中にまで染み出し、むしろ、そちらの方にこそ強い視線を向けたものになっている。加えてそれは、特にここ数年で表に出てきた日本の世相や集団心理とも相互に照応する構造をとり、その映り込みは、単なる表面的な模写を超えた、最も深いところまで及んでいる。
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魔法と魔力の経済学
”命をつくるのは願い”
― Kalafina Magia
― Kalafina Magia
まどかマギカの前編は、設定された魔女や魔法少女たちの「魔力」の増減や出し入れが、まるで企業会計や貨幣経済における金銭のやり繰りのように、定量的かつ閉鎖的に組み立てられている。魔力はわれわれの心理エネルギーの隠喩であり、それを求めて地球にやってきた侵入者と、地上の見えない怪異にとっては、現実の物理エネルギーとつながっている。それは、続く「叛逆の物語」がフロイトの著作を素材にしていたことから敷衍すれば、心理現象を物理的なエネルギーに準じた形で物理学のように組み立てようと格闘していた、その初期の理論に似ていて、先の「快感原則の彼岸」の記述に従うなら、心理的な現象と過程の「経済論(エコノミー)」である。
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