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手指消毒剤の一部に高レベル発がん性物質との分析-コロナで販売急増

  • 米検査会社バリシュアが168ブランド分析、一部に高い値のベンゼン
  • コロナ感染拡大による品不足で知名度低い製品が大量に出回る

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新型コロナウイルスの感染拡大で米国で昨年飛ぶように売れた手指消毒剤の一部に高レベルの発がん性物質が含まれていることが、検査会社の分析で分かった。

  主力製品が小売店舗の棚から消えた後、各種の手指消毒剤が市場に大量に出回ったが、製品の品質や整合性を検査しているオンライン薬局のバリシュア(コネティカット州ニューヘーブン)によれば、これら製品に高い値のベンゼンが含まれていることが判明した。

  米厚生省はベンゼンががんを引き起こすと指摘している。世界保健機関(WHO)のがん研究部門は、ベンゼンをアスベストと同等の最大リスクのカテゴリーに分類している。

  バリシュアは168ブランドの製品260本を分析。これらサンプルの17%に検出可能レベルのベンゼンが含まれていることが分かった。21本(8%)には、米食品医薬品局(FDA)が手指消毒剤の供給不足に対応するために暫定的に設定した上限値を上回るベンゼンが含まれていたという。

ArtNaturals hand sanitizer is seen inside Rite-Aid in Ardsley NY, U.S. Friday, March 19, 2021 Photographer: Tiffany Hagler-Geard / Bloomberg

「Artnaturals」手指消毒剤

  FDAは昨年6月、この値は「比較的短い期間であれば許容できる」と指摘していた。最もベンゼンの値が高かったのは15のブランドの21本。バリシュアによると、これらサンプルは各社の本部近くの店やオンライン店舗から入手した。

  バリシュアが検査した製品の大半はジェルタイプだった。検査結果はエール大学の研究センター、CBICと民間研究所ボストン・アナリティカルによって確認された。バリシュアは24日、これら製品について行動を求める請願書をFDAに送付した。

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  ベンゼンは白血病など一部の血液がんと関連付けられている。米国がん協会によると、米国ではベンゼン被ばくの約半数がたばこの煙によるものだ。プラスチックやゴムの製造に使われるため、一部の化学産業の作業員は被ばくのリスクにさらされている。

原題:Carcinogen Found in Hand Sanitizers That Plugged Covid Gap (2)(抜粋)

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