#15、いざ出陣!(山崎と一緒)
山崎と準備に出かける。
[朝の準備]
山崎と共に二階の職員室へ向かう。映画製作に必要な、学校の備品や教室をいくつか借りたいから、その申請だ。ん? 俺以外はどうしてるかって? 別の仕事をしてる。
そして足音が響く。
淡々と、二人分の。
ここまで響くのは、夏休みの校舎にほとんど生徒がいないからだ。ウチの学校、部活は数こそ少ないが、質はいいんでな。合宿とかがあるだろうし、だから校舎は貸し切り状態。特に午前中はそうだった。だから響くのだね、足音が。
ただ、その静けさが心地良いかと言われるとそうでもなく、むしろ普段とワンエイティ違うので、和風ホラーな感触がする。なんか、こう、独特な。………………色で言ったら寒色な。
「なあさあ、紙川さんよお。こうやって、夏の校舎を二人ボッチで歩いてるとさ、感じるもん、あんよなあ」
「確かに、物音ひとつしない後者は、不気味っちゃ不気味だけどさ、うん? そういうこったろ」
「いや、ッザ青春って感じだな、って言おうとしたんだが」
なんだその、過ぎてしまった、おっさんみたいな感想は。山崎と俺は百八十度違うことを考えていたらしい。俺がビビリなのか、それとも山崎が能天気なのか? 前者かもな、俺、ビビリだ。じゃあ、ザッ青春と言われると、………………別に、そうでもねぇな!
「横歩いてんのが女子だったら、全面的に賛成の意を示したんだろうよ」
「意地悪言わないでよ~。上川ちゅぁ~ン」
山崎が体をくねらせる。そう言う妖怪いたっけか。やっぱ、和風ホラーじゃ、ないか?
「素直にキモイ、その口調直せ、今すぐに。あとチャン付けするな、ちゃん付けを」
急に真面目な顔をしたお隣から、今度はこんなことを言われた。
「そうカッカすんな。こうやって歩いた場面が、数十年後にふと、セピア色で再生されんだぜ。それも極上に編集されてな」
「さっきのやり取りがか?それ、悪夢だろ」
数十年にも続くトラウマになってんじゃねぇか。
「いいや、悪夢じゃない。大切な思い出だ」
「いやいやいや、ごり押ししようとしたって無駄だからな。例え千歩譲っても、それはセピア色のバットトリップだ」
「宝物を開けてみて、こう思うのさ、あの頃はマシだったなと、な」
「なんで、今より状況が悪化する前提なんだよ。そうならないよう、日々、努力だぜ、マジでな。おい、山崎———————————— 着いたぜ」
こちら職員室前。
扉を軽く滑らせて、横に貼ってあるマニュアル通り、『失礼します』と声をアンサンブルさせる。涼しいね。職員室内部はコンピューター室を除くと、唯一、空調が設置されており、四季を通して、生徒の反感を買っていた。春と秋はそうでもないか。
その空調をめぐるエピソード。
【記憶に新しいのは、昨年冬、反体制派集団Rebellionが起こしたデモ活動だろう。内容だが、冬にも関わらず半袖の私服で登校して、空調の設置を訴えかけるとゆう物だった。なお、生徒会が何らかの手段を使って鎮圧したようだが、Why-netの敷く高度な情報統制により、その非人道的だと言われる制圧方法は伝わっていない。(安田談)】
やっぱり、なろうでは異世界転生の方が良かったですかね。ううむ、難しい。文章はまだ勉強中。いうて、本しか読んでないけど。