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紙川涼は探偵じゃない〈物語の限界・不可能推理〉~罪のアントは罰である、何故なら罪とは罰されない事であるから、ならば俺が罰することは罪なのだろうか?~ 現世ッ、推理無双!! 作者:高黄 森哉
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#19、数学教室へ

数学教室へいく。


「やっと着いた、よし、お疲れさん」

「おう、足、離すぞ」


 山崎はマネキンの脇に腕を通して持ち上げ、壁にもたれるよう、座らせた。いやはや、死体運びの重労働性はドラマや小説で度々ネタにされるそうだが、身をもって知ったな。夏の暑さに重労働、満身創痍。

 死体運びか。————————————真面目君が授業の合間休みに話してくれた。死体運びってのはミステリやサスペンスにおいて、結構重要な役割を担ってるんだとよ。しばしば証拠にすらなるんだとかよ。でも決定打に欠けるよな。人生かかってるんだから、気合で運べよ。どうでもいいけど。

 室内に入ると女子二人が、山崎の台本を床に広げ、マスキングテープをペタペタと、作業中のようだった。床に貼られたテープはよくよく見ると人数分の色違いになっている。要所要所での立ち位置確認用じゃないだろうか。見てても暇なんで、丸まった背中に声をかける。


「順調っすか?」

「………………ん?あ、はい、順調です。紙川さんは黄色ですよ」


 貼られた黄色のテープ。若干、床の気の色に同化して見ずらいな。そうまるで、


「テープ、保護色みたいになってますね」


 ダン! と鋭く、ドアがレールの端に衝突する音。あまりのウルサさに、ビクッとなる。


「よっス」

「………………びっくりしたな。お前かい。優しく引けよな」

「シャアねぇな」


 ガラガラガラと、ドアを横へ、閉める。


「紙川ぁ、今、保護色って言って聞こえ」


 ………………た、気がするだけで、気のせいだ。


「言ってない。気のせいだろ」

「そうか、それは残念だぜ。とっておきの虫知識があったのによ。お~い!やま~、これでいいんだよな」

「おう、正解だ。ヤスゥ~。そこに置いといてくれ」


 安田が担いでんのは撮影機材一式だった。今日はまだ出番ないだろうが、初日だし。壁に立てかけられた機材を眺める。ホームビデオ、カンペ、照明、緑のなんか。と、よくもまあ、これだけの機材を一度に持ってこれたもんだ。

 撮影機材に関しては、山崎に行かせた方が早いだろ、と言うのは筋が通った主張なんだろうが、今回、敢えて安田に行かせた。俺と安田コンビが一度でも職員室に踏み入れてみろ。課題に対して、止むことのない追及が降り注ぐだろう。相乗効果ってな。あとたまには、山崎とじっくり話したかったし、そんなとこか。

 安田は俺よりひどいからな。よく二年に上がれたもんだぜ。不思議だ。三年に上がれるかは怪しいな。てか、卒業できんのか?


前書きは廃止。かえってテンポが悪い気がする。あと、見やすいように改良した。あとで、他のにも適用する予定。

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