#1、Good intentions.
暑い日の光に焼かれ、自然に抱かれ、厳しい自然に恵まれる、恵那西高等学校。そこで起こる事件と、現実が見せる奇妙な相関。果たして真相とは。なろうではまず見ない、現実ベース、学園ミステリが今、始まる。簡単な登場人物紹介、ツンデレ、学級長、悪友、部長。
地獄の道をよく見てみろよ、彼等の善意が敷き詰められているから(作者不明)
〈平凡な朝の始まり〉
——————にしても暑い。
朝だってのになんだこの暑さ。アスファルトを焦がすような熱波、俺の意識は朦朧とする。なんだっけか、とんでもなく陰気なこと考えてたのによ。………………跡形もなくトんだな。ほんと、なんだったか。
まあいい。
ぼーっとしてると視線は下がる。鉄板のように暖められた
いや、勘違いしてもらっても困るが、俺は小動物の死骸に面白さを見出すような、そんな狂人じゃない。ほら証拠、『お前もこっちに来るか?』みたくフランクに首をもたげる百足のミイラには、相当、神経を削られているから。
蟲は苦手だ。
しかし、『お前もこっちに来るか』か。水分を取らずに舗装された山道を歩き続ければ、人間もまた同じ末路をたどるから、さして冗談でもない。おいおい、彼らに倣って、面白ポーズでも用意しとくか?何が葬式でウケるだろうね?……………千手観音とかどうだ?いやいや、百足じゃあるまいし。冗談じゃないぜ、まったく。
Question→『山道を歩き続ければ』って、そこのお前、なんでこんな冗談みたいな夏日に山登りなんてしてんだ?馬鹿なのか?
俺の内なる不満が疑問形になり頭の中に出力された。この声は俺の持ってる精神的防衛反応の一つで、なんと他は持ち合わせていないらしい。小五の時、それを知った。自己解決できない不満を溜め込んだ時、どこからともなく聞こえてくる声。
よし、答えようじゃないか!俺だってさ、したくてこんなことしてるわけじゃない。ただ、文化祭の準備で学校に駆り出されただけ。そう、我がクラスの”秋の文化祭”の出し物は、文化祭準備期間とやらの範囲で、到底終わる規模では無かった。————————————なかったから、うちの学級長がおせっかいにも、生徒会に許可を取ってきて、貴重な夏休みを燃料、文化祭の出し物を制作する悪魔の計画を始動させたのだ。
あの悪魔め。
本当の悪魔は、私利私欲のためクラスを動かした山崎だろうが、高峰学級長は無罪だということを彼女の名誉のために記しておこう。まあ、その彼にも大義名分はあるのだが。
Answer→俺は今、絶賛登校中。だから山道をこうもテクテク歩いてる。それ以上でもなく、それ以下でもない。して、山道と登校とがどう繋がるかは、いったん脇に置いておこう。
————————————貴重な夏休み。
まあ、夏休みだからと言って帰宅部だし、彼女もいないから予定なんてないのだが。故、一行日記を『安田が、午後の安寧を邪魔した』とか、『今日は、夏休みだった』と、今日はシリーズで埋めること間違いなし。かといって友達が少ないかというと、そうでもなく、いてもビッグイベントを企画する奴がいないんでね(安田は例外)。だから夏休みは貴重でも何でもない。つまり、そう言うことだ。
では前言の一部を修正しよう。…………………【貴重な夏休み】削除→エラー[現実は消去できません]。クソっ。
にしてもいつまで歩けばいいのやら。
体感、歩き始めて一時間ちょい。途中、偶然、詩丘さんと合流して道草食ってたからかな。普段なら余裕で裏門のインビジブル・ゴールテープを切ってるのによ。腕時計を確認。
現在時刻 七時七分
ゾロ目だった。ラッキーセブンだ。運なんて信じてないが。
「見てくださいよ、詩丘さん」
「んん、時計が?…………七時八分、それがどうかしたかい?ってか、もう七時か。私が出たときは六時十分くらいだったのにね」
「いや、さっきは七時七分だったんですよ。ゾロ目ですよ、ゾロ目。いやー、見せてあげたかったなあ」
「そんなに珍しいことじゃないと思うけど。その気になれば、一日二回くらい見れるし」
確かにな、じゃあ話題転換。
「七時七分、うーん、七夕を連想させますね」
「えー、そうかなー」
こっちも不評だった。話の流れが不自然だったし。反省。
「俺、七夕の時、サラリーマンになりたいって、短冊に書いたんですけど。後々、子供の時の夢は叶わないってジンクス聞いて、今でも後悔してるんっすよ」
「………………んー。サラリーマンなら紙川君、真面目だし、成れると思うよ。それにそれ、飽くまでジンクスだから。————————————子供の時の夢って、自分の身の丈に合ってない傾向にあるってのがカラクリだし。大人に成れば成るほど、それが出来てくるけどね。叶う、叶う、それにまだ若いんだから」
「そすか、確かにです。元気出ました」
同い年なのに含蓄のある言葉だなあ、まったく。耳年増という言葉が良く似合う人だ。もちろん元々の意味でだぞ。————————————がけ下にある、藤の木を通り過ぎ、そこで中間地点通過、まだまだ先は長い。
「まだまだ長いですね、学校。『ついに空間が馬鹿になって、代わりにユーグリットな空間が出現したかぁ!』…………なんてね」
自分でもよく分からないノリをかます。無駄にハイテンションだ。
「紙川君、流石に大袈裟」
HAHAHAHAと笑う。ハハハ、ハハハ。そんなに面白かったかなぁ?笑われ過ぎて、逆にそうでもなかったのでは、と心配になる。でもゲラは、いるだけで楽しいよな。ははっ、と俺も取り敢えず笑っといた。
暑さで俯きがちな顔を上げ、坂の頂上を見る。別に普段と変わりないや。
普段と変わらず、斜め四十五度、心臓破りの地獄が、それ自体の終わりまでアホみたいに続き、その切れ目には青空との境界で、陽炎が嗤うように溶けていた。
ハハハ、ハハハ。
十二万字予定。すでに書き終わってるので後は打ち込むだけです。解けたら教えてください。←ただ、まだ解けません。初めてなので勝手が分かりませんが、こうした方がいいと言う物があれば、気軽に教えてください。あと漢字が苦手で難儀しています。助長な表現もあるかもしれません。あと高尚な表現は使えないし、俗なものを書きたいのでそこには目を瞑ってください。