Interview

北園 涼が自らの“人生”を写す音楽。自身作詞曲も収録した2ndアルバム『Frontier』に見る、彼の開拓者精神とは

北園 涼が自らの“人生”を写す音楽。自身作詞曲も収録した2ndアルバム『Frontier』に見る、彼の開拓者精神とは

北園 涼が2月3日(水)に2ndアルバム『Frontier』をリリースする。今作には初めて作詞を手がけた「Frontier」も収録されるなど、前作『Ark』からの成長、音楽の中に溢れる熱量の高さを十分に感じることができる作品だ。インタビューでは、『Ark』以来、1年4ヵ月ぶりとなるニューアルバム『Frontier』のこと、俳優でもある彼にとって“音楽”はどんな存在なのかを紐解くことができる自身の音楽ルーツ、2月に開催する初全国ツアーに向けた意気込みなどを聞いた。

取材・文 / 松浦靖恵 撮影 / 冨田望


自分も誰かの背中を押せるような音楽をやりたい

本格的に音楽活動をスタートさせてから、ご自身の中で音楽との接し方は変化しましたか?

かなり変わりました。自分が届けたい音楽、表現したい音楽に対してより繊細に向き合うようになったし、そのぶん気づくものが以前よりも増えたと思います。音や歌詞へのこだわりもそうですし、自分の歌に対する表現力をもっと磨きたいという想いがより強くなりました。自分自身が何度も聴きたくなる曲、心を動かされる歌を歌っていくためにはどうすればいいのか、そこにたどり着くには自分はどう向かっていけばいいのかをより考えるようになりました。

1stアルバム『Ark』を作ったことやライブをやって気づけたことも、今回のアルバム『Frontier』の制作に大きな影響を与えていたのでしょうね。

その影響はかなり大きいと思います。特にライブをやったことで気づくことが多かったですね。ライブを組み立てていくうえで、楽曲で緩急をどうつけていくのかとか、どんな届け方や攻め方で振り幅を作っていけばいいのかということを考えるようになっています。

北園 涼 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ところで、今回の『Frontier』には激しいサウンドを鳴らすロックナンバー、ハードロック、ライブで映える楽曲が並んでいます。これらの収録曲たちに繋がっているであろう、北園さんの音楽ルーツをあらためて教えてください。

もともと音楽は好きでしたね。小学生の頃はエレクトーンを習っていたし、吹奏楽部ではトランペットをやっていたので、身近に音楽がある環境だったと思います。中高はずっと野球部だったというのもあったし、自分のまわりには一緒にバンドやろうぜっていう感じの友達もいなかったので、当時は自分で音楽をやるということは全然思いつかなかったんです(笑)。けど、登下校時や野球の試合前に音楽は聴いていて。試合前に音楽を聴くと掻き立てられて、テンションが高まるんですよね。

自分で音楽をやってみたいと思うようになったきっかけは何だったんでしょう?

僕の好きなアーティストさんの生のライブを実際に体験したことだと思います。その方たちの熱いパフォーマンスに惹かれたし、歌っている言葉がダイレクトに自分の心に刺さった。とにかく心を揺さぶられてしまって、そこから自分も本格的に音楽をやりたいと思うようになって。

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そのアーティストはどなたですか?

ONE OK ROCKさんです。それまでも音源を聴いたり、ライブ映像も観ていたんですけど、東京ドームで生のパフォーマンスを体験したときに大きな衝撃を受けて。音楽が掻き立ててくれるものって本当にすごいんだなって、あらためて思いましたね。自分の背中を押してくれたり、不安をかき消してくれたり、音楽から僕はたくさんのエネルギーをもらっているので、北園 涼として自分も誰かの背中を押せるような音楽をやりたいと真剣に思うようになりました。

今のお話を聞いて、2ndアルバム『Frontier』には、北園 涼が表現したい音楽に対する想いがぎっしり詰まっているんだなと思いました。

ありがとうございます。僕自身、今回のアルバムにはかなり手ごたえを感じています。もちろん前作『Ark』にもそういう想いはありましたけど、大きく違うのは自分が初めて作詞を手がけた楽曲が収録されたことだと思っています。以前からいつかは作詞をしたいと言い続けていたので、自分が作詞した「Frontier」が収録されたことは、『Ark』からの成長を記すことができたんじゃないか、と。

作詞を手がけるうえで心がけていたことはありましたか?

処女作なので自分の原点や今の気持ちを書きたいという想いがあったし、なおかつ、皆さんの背中を押せるような応援歌になったらという想いがありました。

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初めてだからこそ苦労したこともあったのでは?

実際にやってみると難しかったです(苦笑)。自分の想いを言葉にするのは楽しかったけれど、普段から思いついたことや言葉、伝えたい想いをメモに書いていても、その言葉がメロディや曲の世界観にはハマらなかったり、自分の想いをどうこの曲に返還させていけばいいのか悩みましたね。

その悩みをどうやって解決したんですか?

最初にこのテーマで書こうと思って書いていた歌詞があるんですけど、それをこの曲に合わせてみると、なんか違うなっていう感覚が自分の中に生まれたので、すべて書き換えました。

その潔さは大事ですよね?

僕もそう思いました。自己満足にならず、聴いてくださる方に寄り添うような歌にしたかったので、そこは潔くなってみよう、と(笑)。俳優として舞台上で台詞を発する場合は、まず作家さんが書いた物語があって、役者は脚本の中の決められた台詞を覚え、その役になりきって役の人生を生きるけれど、歌詞を書いているときは、“北園 涼の人生”をちゃんと生きてるなっていう感覚になりました。その感覚がとても新鮮でしたね。

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レコーディングの際に自分が書いた歌詞を歌い手として歌ったときは、どのような気持ちになりましたか? 照れくささはありましたか?

照れくささはなかったです。作詞は作詞、歌は歌というか。作詞家さんが書いた詞も自分の想いに重ね合わせて歌っているので、自分の歌詞においてもその距離感は変わりがなかったような気がします。

僕はまだ“開拓者=Frontier”

先ほど音や歌詞へのこだわりがより強くなったとおっしゃっていましたが、今作を制作するにあたって、それ以外でこだわった部分はありましたか?

ライブでより盛り上がれる曲を増やしたいというところにこだわりました。あと、曲順を考えていたときに、今回はあえてめちゃめちゃにしてやろうと思いました(笑)。

めちゃめちゃに!?

あえて聴きやすく綺麗に並べるのではなく、嵐みたいにうねらせて、自分も聴いてくださる方も振り回そうかなって(笑)。

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自分自身も振り回そうと思ったのはなぜですか?

自分の原点や今の気持ちを歌詞にした「Frontier」を中心に置いて曲順を考えていくなかで、僕はまだ“開拓者”、 “Frontier”なんだと思って。アルバムのタイトルにもその想いを込めました。すごくいい作品が出来たし、手ごたえも感じているけれど、いい意味で満足はしていない……自分の理想とする姿にはまだなっていないし、まだまだ満足するところには届いていないけれど、“開拓していくんだ”という気持ちが先に進む力になっている。だからこそ自分自身を振り回してでも突き進もうと思ったので、この曲順になりました。

アルバムジャケットには白い衣裳の北園さんがいます。

開拓者は何もないところに色を付けていくイメージがあったので、「白にしてください」と自分で提案しました。白はこれまで自分からはなかなか選ばなかった色です。久しぶりに白い服を着たんじゃないかな(笑)。

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では、アルバム『Frontier』をより知っていただくために、収録曲たちを北園さんご自身に解説していただきましょう。

扉を開けて、“北園 涼の音楽”がここから始まるというイメージで、1曲目をインストの「Relive」にしました。なので、この曲でライブの始まりを想像してもらえると嬉しいです。2曲目「Gold」は、以前ライブをやったときに皆さんと一緒に歌える曲を増やしたいと思ったことがきっかけになって出来ました。(コロナ禍で)今はライブに来てくださる皆さんは声を出すことができないけれど、ぜひ心の中で歌ってほしいなって。

「Great Escape Runner」は、伸びやかなハイトーンボイスがキーポイントですね。

パワフルな曲の中でハイトーンで歌うのは気持ちいいです(笑)。ライブで激しく盛り上がれる曲じゃないかな。たしか、今回のアルバム制作の最後の方に録った曲ですね。「Signpost」もキーが高くて大変だったんですけど、「キーが高い曲を歌いたい」と提案したのは自分だったので頑張りました!(笑)この曲は7月にやった無観客配信ライブで歌ったんですけど、お客さんが目の前にいたらまた違った世界が作れる曲になるんだろうなって思っています。

初めて作詞を手がけた「Frontier」のお話は先ほど聞かせていただきましたが、作詞のクレジットに自分の名前があるのを見たときはいかがでしたか?

すごい高ぶりました(笑)。なんとも言葉に言い表せないくらいの感動があったし。初めてのことなので、ちょっと気恥ずかしさもありましたけど(苦笑)。これからもこうしてクレジットしてもらえるように、もっと作詞を手がける機会を増やしていきたいし、この感動を忘れずにこれからも続けていかなきゃなって。また違うタイプの歌詞も書きたいし、バラードの歌詞も書きたいし。今すぐにでも書きたいです(笑)。

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「True Loud」は他の収録曲とは違う方向から攻めているハードロックだと思いました。

リズムが独特で、他の収録曲とはノリが違うので苦戦はしましたけど、いいチャレンジができました。歌詞が強いメッセージを持っているので、聴いてくださる方の気持ちを引っ張り上げてくれる曲じゃないかな。ライブで歌い重ねていくたびに成長していく曲だと思ってます。

「Just call me the Beast」は2ndシングルとして2020年2月にリリースした楽曲ですね。

2ndワンマンライブ(神田明神ホール)でも披露したし、無観客配信ライブ(2020年7月)ではアコースティックでやったので、この曲が自分の中にどんどん浸透して、馴染んでる感がありつつも、これからもライブで歌うたびに違う表現が生まれるんじゃないか、と自分で期待しているので、皆さんにも成長を感じていただける曲になると思ってます。

この曲は、ライブの中で場面を切り替えてくれるような楽曲だと思いました。

僕もそう思います。あと、ライブをやったことで気づいたことが、この楽曲にも繋がっていて。ライブを組み立てていくうえで激しいロック曲とバラードの中間くらいにあるような楽曲が必要だと感じていたので、こういう楽曲にしたいというイメージが自分の中でハッキリしてましたね。「Just call me the Beast」が、ライブでどんな場面を作ってくれるのか楽しみです。

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8曲目「Road」の歌詞には、自分の道を進んでいくんだという強い意志と決意が刻まれています。

自分が選んだ道ならば、たとえ困難な道でも自分を信じて進んでいきたいんです。この曲は「Frontier」で自分が書いた希望や覚悟と重なり合う歌だと思います。

アルバムのラストを飾る「Over the little night」は、映画『BLOOD-CLUB DOLLS 2」主題歌です。

映画の主題歌として、映画館で初めて聴いたときにすごく感動しました。アルバムの最後をこの曲にしたのは、また次の新しい扉を開けてくれるような感じがあったから。アルバムの最後はこの曲にしようと、早い段階から決めてましたね。

ライブをやるたびに前に進んでいきたい

そして、初めての全国ツアーも2月からスタートします。意気込みを聞かせてください。

2020年は本当に誰も予想していなかったことが起こって、誰もが大変な日々を過ごしていたなかで、僕自身も予定していたライブが無観客配信ライブになり、ファンの皆さんと生で会えなかったんです。だからこそお客さんと同じ空間にいられるライブが楽しみでしょうがないです。より激しいライブにしたいです! 優しいライブにはしないので覚悟していてください(笑)。制限があって声が出せなくても、マスクをしていても、歌えなくても、必ず楽しいライブにするから、って約束します。

東京と福岡は2デイズですし、北園さんのライブは2部制なので、全国ツアーはこれまで以上に北園さんも体力勝負になりそうですね。

たしかに体力的に大変なところはあると思うんですが、足を運んでくださる皆さんに楽しんでいただきたい、一緒に盛り上がりたい、最高のライブにしたいという想いが強いので、毎回新鮮な気持ちで届けようと思っています。あと、レベルアップしていかないと自分の求めているところにはたどり着かないと思っているので、ライブをやるたびに前に進んでいきたいです。

北園 涼 WHAT's IN? tokyoインタビュー

2月9日のお誕生日で29歳になりますね。

そうなんです! 20代最後の1年になるんですよ。“自分が29歳!?”ってビックリです(笑)。僕は26、27歳で本格的に音楽を始めたのでスタートは遅い方だと思うんです。でも、遅くてもやれるんだぞっていうところを、自分の音楽で見せていきたい。地方に住んでいるからとか歳だから何かを始めるには遅いとか、いろんな事情や環境で夢を追えなかったり諦めなければいけなかったりってことが、みんなそれぞれあると思うんです。人生は諦めることの方が多いかもしれないけれど、自分の覚悟次第でチャンスはいくらでもあるんだよってことを、僕の姿や活動で皆さんに伝えていきたいです。

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応募期間

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2月2日(火)~2月9日(火)23:59


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北園 涼 LIVE TOUR 2021「Frontier」

2021年2月6日(土)・7日(日)福岡 bar evoL
2021年2月20日(土)名古屋 HOLIDAY NEXT
2021年2月21日(日)神戸 VARIT.
2021年2月23日(火・祝)大阪 MUSE
2021年2月27日(土)・28日(日)東京 HY TOWN HALL

※全日程共通/1部(開場14:00 / 開演14:30)、2部(開場18:00 / 開演18:30)制
※すべての公演にてオンライン同時配信も配信予定。
詳細はこちらにてご確認ください。

北園 涼(きたぞの・りょう)

1992年2月9日生まれ、鹿児島県出身。2014年にデビュー。ミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズ(中在家長次 役)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(小狐丸 役)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(高遠 丞 役)など多くの舞台作品に出演。2019年10月に日本コロムビアよりアルバム『Ark』でメジャーデビュー。俳優のみならずアーティストとしても精力的に活動を行っている。

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