『ドラッグ オン ドラグーン』のスタッフが再集結!PS3とXbox360で異なる主人公を描いた『ニーア レプリカント/ニーア ゲシュタルト』に迫る
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■「レプリカント」と「ゲシュタルト」という2本立て
———タイトルの由来を教えていただけますか?
齊藤: 『ニーア』というのは、考えに考え抜いた末に、コードネームをそのまま使おうということになりました。愛着が沸いたんでしょうね(笑)。「レプリカント」と「ゲシュタルト」というのは物語の中で重要なキーワードになる言葉です。どちらもそんなに揉めることもなくすんなりと決まりました。本題よりも長いサブタイトルになるので不安もありましたが、ロゴにしてみると違和感なくすっきりまとまりましたね。
———プラットフォームはどのように決められたのでしょうか?
齊藤: 当初はXbox360をターゲットに、途中からPS3とのマルチプラットフォームに変更できるように考慮しながら制作をスタートしました。ただ、マルチプラットフォーム展開を実現するにあたっては、初期構築の部分で苦労はありましたね。
———機種によって「レプリカント」と「ゲシュタルト」という2つのゲームをリリースするというのもあまり前例のない構成ですよね
横尾: 最初は青年のバージョン(後にレプリカントになるもの)だけを作っていたのですが、途中から齊藤さんから海外市場も考えたいという話がありました。そこで、スクウェア・エニックスさんのロサンゼルススタジオで議論をしたところ、線の細い青年キャラは有り得ないという話になりました。そこで北米向けにマッチョな主人公を用意することにしたんです。
アメリカとヨーロッパのスタッフに集まってもらい、かなり白熱した議論をしました。我々も粘りました。しかし、彼らには「こんな華奢で線の細い主人公がこんな大きな剣を振りまわすのは滑稽」という感覚があるようでした。アメリカで人気のあるゲームを見れば、やっぱりアメフトをやってそうな、ガタイのいい主人公が目立ちます。
齊藤: ただ、新規IPで売らなくてはいけないという思いも強く、何が何でも青年をやりたいという横尾さんを説得して、日本版は青年をそのまま残すという道を作りながら、2バージョンの開発に進んでいきました。それに、必ずしも海外は全て同じ趣向という事もなくて、例えばフランスで日本の文化に理解を示すような層からは「レプリカント」を発売してくれという声も聞いています。ともかく、開発の途中からグローバルで開発している人たちを交えて話が出来たのは収穫でした。
横尾: あの会議は凄かったですね。コストを考えてマッチョ(父親)だけでいこうという声が大きくて、僕らは「青年編を作らないと僕らのやる気がなくなってもっと時間がかかります」とダダをこねたりして(笑)。
齊藤: 結果として、日本のPS3版のみが青年バージョンで、海外ではPS3とXbox360の両方が父親バージョンになります。
———ゲーム内容にも海外の声というのは反映されているのでしょうか?
齊藤: 日々、打ち合わせをとまではいきませんでしたが、気になる点については適宜確認を求めたり、キャラクターやモーション、アート関係では意見を取り入れましたね。アートに関しては、キャビアさんにロサンゼルスへロケに行ってもらいました。
———PS3版とXbox360版の違いを教えていただけますでしょうか?
齊藤: まずボイスと字幕の仕様が異なります。PS3は日本語ボイスに日本語字幕、Xbox360は英語ボイスに日本語字幕です。それから主人公が異なるのでその内容も当然異なります。主人公の言葉だけではなく他の登場人物の言葉も変わってくるので、2本作るのとそう変わらない労力でした。
———今回はマルチプラットフォームで全世界同時発売となりましたが、苦労はありましたか?
齊藤: 日本語版がFIXすると同時に、すぐに各国語版への翻訳作業に取り掛かる必要がありました。
———何ヶ国語にローカライズされたのでしょうか?
齊藤: 日本語、英語、フランス語、ドイツ語ですね。作業は全て社内で行いました。日本語の台本を直すと全てに波及するので、思っていた以上に手間がかかりました。
横尾: 台詞を使い回す事は良くあって、そういう部分には仮の台詞を当てておくんです。でも外国語だと同じ言葉でも女性と男性で区別したりすることがあって、実際に会話を組んでみると話の意味が通じなくなったりして。台詞を変えるとすべての言語に波及していくので、翻訳済みのものはなるべく生かすように気を使いましたね。それでもマスターアップの一週間前くらいまでは可能な範囲で手を入れていました。
齊藤: 本当にローカライズスタッフには申し訳ないです。マスター前はなるべく目を合わせないようにコソコソしてました(笑)。
横尾、古林: 本当に申し訳ございませんでした。
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