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2018年7月号より

入れて得する ビジネスアプリ傑作選|月刊BOSSxWizBiz
ムダを節約、あると便利なビジネスアプリ傑作選 石川 温 スマホ/ケータイジャーナリスト

いつも持ち歩いているスマホ。効率的な移動時間を探しつつ、その移動している間のスキマ時間にも雑務をこなせれば、オフィスに戻ってからすべき仕事にさらに集中できるだろう。

「働き方改革」が叫ばれる中、まずはスマホを活用することで働き方を少し変えてみたい。

■名刺をデータ管理

ビジネスマンとして、特に悩ましいのが、名刺管理だ。入社以来、溜まりに溜まった名刺を、きちんと整理できているという人はなかなかいないのではないか。

名刺管理でお勧めのアプリが「Eight」(サンサン)だ。スマホのカメラで名刺を撮影。撮ったデータをテキスト化してくれるのだが、Eightが凄いのは、そのテキストの入力を人力で行っているという点だ。

ここ最近、名刺の読み取りは、人工知能などにより、文字の認識力は向上しているが、どうしても、誤認などが発生しがちだ。特に名刺は企業名やロゴなどが混在しており、人工知能でも読み取るのが難しかったりする。

Eightでは、スマホのカメラで読み取ったデータをネット経由で人が見て、打ち込んでいる。そのため、人や会社の名前でもかなり正確に登録してくれるという点が使い勝手が良い。

「スマホで撮影するのが面倒」という場合には、パソコンに接続したスキャナーでの読み取りに対応する。富士通の「Scansnap」というスキャナーを使えば、瞬時に数十枚を読み取れるので、大量にまとまった名刺の整理に役立つ。

Eightが他の名刺アプリと異なるのは、SNS機能を持っているという点にある。自分で登録した名刺の所有者がEightを使っていた場合、SNS上でつながることができる。また、実際に会ったことがなくても、SNS上で検索して、SNS上で名刺交換をするといったことも可能だ。さらに、自分の部署や肩書きが変わった場合、Eight上で変更すると、つながっている人に通知される。もちろん、つながっている人が部署異動すれば、それも把握することが可能だ。

知り合いの部署異動をアプリの通知で知ったあとに「久々にメッセージで様子を聞いてみよう」という使い方もできる。

一度、名刺交換をして終わるのではなく、Eightを使えば、その後も緩いつながりを持てるのがいい。特に転職をしてしまった人でも、つながり続けられるのはありがたかったりするのだ。

個人的には「社名はわかるが、個人名が浮かんでこない」という人を思い出すのに、Eightが手放せなくなっている。

■進化するSMS

「取引先の担当者に連絡したいけど、さすがに23時を過ぎているのはマズい」

そんな緊急事態になったことはないだろうか。携帯電話をかけるのではなく、まずはSMS(ショートメッセージ)を送って、とりあえず相手の反応を待っていたりしたのではないだろうか。

2018年5月から、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクはSMSの機能を大幅に進化した「+メッセージ」というサービスを始めている。

従来のSMSは他キャリアのユーザー宛には70文字しか送れなかったが、+メッセージでは、テキストだけでなく静止画や動画、地図情報、さらにWordやExcelなどの添付ファイルも送れる。1対1の会話だけでなく、複数人でのグループチャットも可能だ。

もちろん、SMS同様に相手の「携帯電話番号」さえわかればいい。

これまで、取引先などを巻き込んだグループチャットを作ろうとした場合、プライベートで使っているLINEを流用したり、LINEメッセンジャーなどを活用する方法が多かった。しかし、プライベートで使っているLINEを仕事相手に教えるのは抵抗があるし、LINEでつながって、休日の過ごし方を見せられる関係になるのも、あまりいい気はしない。

+メッセージであれば、普段使っている携帯電話だけでやりとりできるので、そうした心理的な負担は小さい。名刺に書かれている携帯電話番号で、そのまま使えるというのは、かなりのメリットと言えるだろう。

SMSはこれまで1通3円といった料金体系であったが、+メッセージは、webやメールを接続するのと同じデータ通信料金が適用される。WiFi環境だけでなく、海外でも問題なく使える。大手キャリア3社がLINE対応として投入したと言われている+メッセージだが「取引先にLINEを教えたくないビジネスマン」にウケが良さそうだ。

■外回りの味方

ビジネスパーソンのなかには、朝から晩まで、あちこちと移動して過ごすという人も多い。出先での打ち合わせを終え、そのたびに「乗り換え案内アプリ」を起動し、最適なルートを探すというのが一般的なスマホの活用方法だ。

ここで、もうひとつ、効率的な使い方を提案したい。

スマホでスケジュールを入力する際、一緒に訪問先の住所も入力しておくと、その先の操作手順がスムーズに行くのだ。

例えば、1軒目の打ち合わせを終えたあと、2軒目のスケジュールを確認するために、スマホの「グーグルカレンダー」などのスケジュール管理アプリを起動する。その際、用件の内容と共に訪問先の住所が記載されていれば、住所をタッチするだけでいい。「グーグルマップ」アプリを入れておけば、すぐにアプリが起動して、現在地から2軒目の訪問先への乗り換え案内が出てくるようになるというわけだ。

グーグルマップが特に便利なのが、単に乗り換え案内が表示されるだけでなく、タクシーで行った場合にはどれくらいかかるか、さらにタクシーアプリと連携し、そこからシームレスにタクシーを呼ぶことも可能となっている。

特にクルマで移動する際には、渋滞情報も反映されており、あらかじめ、空いている道を探しておいて移動を始めるといったことができるのはかなり便利と言えるだろう。

タクシーで移動するのが多いという人には「全国タクシー」というアプリを使うといいだろう。アプリを起動すると現在地の地図が表示される。人のマークをタクシーを呼びたい場所に置けば、そこにタクシーがやってくるというものだ。

都心部など、街中であればタクシーを拾うのは簡単だが、例えば、自宅から直接、タクシーを呼びたい場合、これまでは電話で呼び出すと言った手間から解放される。アプリは全国対応しているので、地方の工場視察などの帰りに、タクシーを呼ぶと言った使い方もできそうだ。

また、全国タクシーアプリでは「JAPANTAXI ウォレット」というサービスにも対応する。これは、主に日本交通のタクシーで使えるものだが、助手席の背後に設置されたタブレットに、アプリを起動した自分のスマホをかざすと、その場で、タクシーと自分が紐付き、支払い手続きが完了するようになっている。目的地に着いたときには、レシートも発行されるので、通常の経費精算にも対応できる。

ちなみに、レシートを受け取らなくても、アプリの明細書発行ページから、あとからまとめて明細を発行、管理することもできる。

決済手段はクレジットカードや大手キャリアの課金回収代行システムが使える。

タクシー降車時、「細かいお金がない」「おつりをもらうのに手間がかかって面倒」といった煩わしさから解放されるだけでもありがたい。

■お金管理もスマートに

電車やタクシーなどで移動すると、面倒なのが交通費精算だ。

また、様々な経費処理を毎月、決まった締め切り日までにこなすというのも結構、面倒だ。締め切りを過ぎてしまったら、経理担当者がいい顔をしないだけに、嫌でも終わらせないといけない。

そこで、お勧めしたいのが、経費精算アプリ「Staple」だ。

経費データの入力はスマホのアプリから行う。レシートなどはカメラで撮影し、経費データと一緒に保存できる。このあたりは、電子帳簿保存法にも対応する予定だ。

登録したデータは、クラウド経由でパソコンなどからも編集、確認ができる。さらに、上司や経理担当者と連携し、経費レポートの申請や承認、却下などの経緯を過去にさかのぼって確認するということも可能だ。

弥生や勘定奉行、freee、MFクラウドといった会計ソフトとの連携も可能であり、経理担当者にも優しい作りとなっている。

法人向けに特化したサービスということもあり、1ユーザーあたり月額600円の有償サービスとなっているが、経理処理の効率化を考える企業にとっては検討の余地があるだろう。

また、同僚との飲み会が「割り勘」になることがあるだろう。

「ワリカン専用のアプリで計算する」というだけではもったいない。金額をワリカンにし、さらにきちんと回収できたかどうかまでを確認できたほうがいいだろう。

そんな用途にお勧めなのが、実は無料メッセージアプリの「LINE」だ。

まずは飲み会参加者が参加するLINEのグループを作る。飲み会の代金をまとめて払った人がグループチャット画面の左下にあるサブメニューから「送金」という項目を選ぶと「割り勘」というメニューを選べるのであとは金額などを打ち込んでいけばいい。

参加しているメンバーに対して、送金依頼が送られるというわけだ。

支払う側の人は、あらかじめ、銀行口座などから「LINEPay」という電子マネー的に使えるサービスにチャージしておく必要がある。もちろん、受け取る側もLINEPayで受け取ることになる。

LINEPayから銀行口座に現金として引き出してもいいが、この際には出金に関して手数料がかかるので注意が必要だ。

LINEPayはここ最近、飲食店などリアル店舗で現金代わりに支払える店が増えているので、買い物などで使うというのもいいし、次の飲み会に備えて、LINEPayの口座にお金を残しておくというのもアリだろう。

割り勘アプリはほかにも存在するが、割り勘をするためにいちいち新しいアプリを入れるというのも面倒くさい。LINEというスマホユーザーの中でも普及率の高いアプリを活用すれば、それぞれの負担も少なく、しかも、支払い忘れもメッセージで請求しやすいのではないだろうか。

これまで紹介したいくつかのアプリで、時間とお金を管理するだけでも、かなりのムダを節約することができそうだ。

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