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「サイコロコロンブスの卵」の攻略方法1 ペアの数字の消し方
この前の記事でもお伝えしたように、5月14日に行われるゲームマーケット2017春に、「サイコロコロンブスの卵」というゲームを出展する。
自分で作っておいてなんだが、このゲーム、ルールが単純なわりに、けっこう難しい。
たとえば、実際にサイコロを振ると、下記の様な出目が出る。実際に式作成を試してみたい方は、こちらからどうぞ
このような出目に対して、何もないところから式を作っていくのは、かなり難しい。ただ、何度かゲームをプレイしていると、サイコロを多く使うための変形が、だんだんと見えてくるようになる。
それこそが、このサイコロコロンブスの卵というゲームの基本で、そうした変形のストックをどのくらい持っていて、それをいかにすばやく取捨選択できるかが、勝率に大きくかかわってくる。
そこで、こうしたサイコロを多く使うための変形を、問題形式で出題する『今日の一問』という企画を、Twitter上で行っている。
出題している問題の内容は、あと一工夫ですべてのサイコロが使える局面から、最後の一工夫を考えて、すべてのサイコロを使う答えを導くというものだ。
今回は、その中から何問か取り上げて、サイコロコロンブスの卵の考え方を紹介しよう。
■ペアの数字の消費方法
実際の問題に入る前の前提知識として、このゲームでは、2個のペアになっている数字の処理は、「基本的には」とても簡単だ。たとえば、下記の様な盤面で、すべての数字を使う方法を考えてみて欲しい。
どうだろうか?おそらく、ほとんどの人が「3348=3348」の様な式にすればよいことに気がついたのではないだろうか?要は、2個ずつペアになっている数字を、左辺と右辺に、同じ順番で並べていけば良いのだ。
だから、サイコロコロンブスの卵というゲームは、基本的には、2個ずつペアにしたときに余るサイコロと、記号のサイコロを、いかにして消費していくかというゲームになる。
ただし、ペアの数字がいつでも消せるかと言うと、そうではない。自由に使える「=」が余っていない場合は、ペアの数字が残ってしまうこともありえるのだ。
ただ、その場合でも、まったく手がないわけではない。ペアの数字をうまく消費する手段は、他にも存在する。それが、今回取り上げる、ペアの数字の消し方になる。
それでは、実際に、『今日の一問』からそういった問題を何問か取り上げて、解説しよう。(問題ここから)問題
下記の状況で、余った数字をうまく処理する方法を考えてください。問題1
問題2
問題3
問題4さて、どうだろうか?どの問題も、気がつけば一瞬の問題だ。それぞれの問題の解答例は、下記の様になる。
(問題ここまで)
■問題1の解答例↓
「9-5」の引き算の前に7をつけてやると、「79-75」となって、70の増分が相殺される。これは、複数のペアの数字が余っている場合にも活用できて、たとえば「3」「4」が余っている場合には、「349-345」という形にすれば良い。
■問題2の解答例↓
「5+4=9」という式で、5と9の前に8をつけると、「85+4=89」両辺に80が足された形になり、影響が相殺される。先ほどの問題と同様に、複数のペアがある場合も、「345+4=349」の様に消すことができる。
■問題3の解答例↓
「54÷6」を「540÷60」に変形する。末尾に0をつけると、数字が10倍されるので、割る数と割られる数の両方を10倍して、影響を相殺する。もし4個の0が余っている場合も、「5400÷600」の様に処理することができる。
■問題4の解答例↓
問題1と問題2で使った方法は、桁がそろっている数の場合に適用できる方法で、桁が違う場合には適用できない。ただし、0が余っている場合は、空白の桁を埋めることによって、「13-7」を「813-807」の様にして、800の増分を相殺することができる。
いかがだっただろうか?このゲームは、単純なルールながら奥が深く、思いもよらない方法で点数を伸ばしていくことができる。興味を持った方は、ぜひ『今日の一問』に挑戦して、雰囲気を感じ取ってもらいたい。
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ゲームマーケット2017春新作 「サイコロコロンブスの卵」について
いつものカービィボウルとは関係ありませんが、5月14日に行われる、ゲームマーケット2017春で、「サイコロコロンブスの卵」というゲームを出展します。
頭を使うなかなか面白いゲームになっていると思うので、今回はそのルールを紹介したいと思います。
【概要】
サイコロコロンブスの卵は、数字や四則演算記号の書かれたサイコロを振り、そのサイコロをなるべく多く使った数式を考えるというゲームです。
【ゲームの進行】
実際のゲームは、次のような進行で進みます。
1.ゲームの準備
各プレイヤーには、数字の書かれた数字サイコロ12個、記号の書かれた記号サイコロ3個と、「=」の書かれた卵チップ3枚が配られます。卵チップが配られたら、青色の面が「=」になっているかを確認して、すべて灰色の面を上にしておいておきます。
2.ラウンドの開始
各プレイヤーの準備が整ったら、2分間のタイマーをスタートさせ、全員が配られたサイコロを振ります。
あとは、各プレイヤーが同時に自分のサイコロの出目を使って、数字や四則演算記号、卵チップをなるべく多く使った式を考えていきます。たとえば、今回の出目に対して、プレイヤーの盤面は、下記の様に変化していきます。
(1)見やすい様にサイコロの向きを調整
(2)「3×7=21」の関係を見つけて、それを配置。
(3)「64=64」「0=0」の関係を見つけてそれを追加。
(4)2式目を「6=6+4-4」の形にして、余っていた「+」と「-」を使用。
(5)2式目の両辺の値が「6」なので、3式目から「=」を持ってきて「6」を使用。
(6)1式目の両辺を10倍すると、「30×7=210」という関係があるので、浮いてしまった「0」「0」を活用
(7)ここまでやったところで、2分間の制限時間が経過し、タイムアップ。
3.ラウンドの勝者の判定
タイムアップになったら、各プレイヤーは余っている数字サイコロ、記号サイコロ、卵チップの数を数えます。今回の例の場合は、「9」が最後まで使えずに残ってしまったので、使えなかったサイコロとチップの数は、1ということになります。
各プレイヤーの盤面を確認して、使えなかったサイコロとチップの数が、一番少ないプレイヤー(複数いる場合は同数の全員)が、そのラウンドの勝者となります。
ラウンドの勝者は、灰色の卵チップ1枚を選び、青色の面が上に来るように裏返します。あとは、ラウンドを繰り返して、最初にすべての卵チップを青色の面にしたプレイヤーが勝者となります。
なお、数式作成に関していくつかルールがありますので、下記に記載しておきます。【数式作成のルール】
作成する数式は、基本的には一般的な四則演算のルールに従って処理されますが、何点か留意が必要な点があります。
(1)演算の優先順位
一般の数式と同様に、「×」「÷」を計算したあとで、「+」「-」が処理されます。同じ優先順位の記号同士の場合は、左から順番に計算されます。
(2)2桁以上の数の作り方
2つ以上の数字サイコロを重ねて、「12」の様な2桁以上の数を作ることが出来ます。ただし、「024」の様に、最上位の位が0となる2桁以上の数を作ることは出来ません。(「0」という1桁の数は問題ありません。)
(3)複数の「=」の使用
複数の「=」を使って、「7×3=12+9=21」の様な式を作ることも可能です。もちろん、「1=1=1=1」の様に、すべての「=」をつなげた式もOKです。
(4)負の数の表現
単独の数に「-」や「+」の記号をつけて、「-1」や「+2」の様な数を表現をすることはできません。もちろん、「3-4=3-4」の様に、計算結果の両辺が負の数になること自体は問題ありません。
(5)0の絡む掛け算、割り算
A×0、0×A、0÷A、A÷0の様に、0が絡む掛け算や割り算は禁止です。このルールは、たとえば「0=0×123456789」の様な形で、余った数字を簡単に処理できてしまうのを防ぐためのルールです。
【補足】
ちなみに、今回の出目の場合、一例として、下記の様にすることで、すべてのサイコロと卵チップを使いきることが可能でした。
このゲームは、イエローサブマリン様で取り扱いをしておりますので、もし興味をお持ちの方がいましたらこちらからどうぞ。(2018年4月13日追記)
サイコロコロンブスの卵 第二版
http://shop.yellowsubmarine.co.jp/products/detail.php?product_id=74344
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神の暗号 神秘のパズルカービィボウル 第2回 解けないはずのパズル
前回は、駆け足でカービィボウルミステリーの1つの問題を解いた。
しかしながら、前回の内容は、本来であれば4~5回目くらいの内容で、本当はその前にいくつか解決しておかなければならない問題が存在する。では、なぜ最初にそこからはじめたかと言うと、カービィボウルというゲームが、いかに特殊なゲームであるかを実感してもらうためである。
さて何回か言っているが、私はカービィボウルはミステリーだと考えている。これがどういうことか説明しよう。
ミステリーの基本は、犯人が何らかのトリックを行い、探偵(読者)がそれを推理するという構図にある。そして、この構図をより細かく見るなら、探偵(読者)は証拠という観測可能なものから、トリックという観測できないものを推理している。
では、下記の場合はミステリーだろうか?1.探偵(読者)が最初からトリックを知っている場合
結論から言えば、私は、両方ともミステリーではないと考えている。なぜなら、ミステリーの構図を満たすためには、探偵(読者)がトリックを推理する過程が必要であり、最初からトリックにたどり着いている場合や、最後までトリックにたどり着けない場合は、この要素を満たすことが出来ないからである。
2.探偵(読者)が原理的にトリックを推理不可能な場合
そう考えると、カービィボウルというゲームの特殊性が見えてくる。
まず、多くのゲームでは、画面の解像度の関係で、ゲーム内で使われている座標や速度を正確に観測することは難しい。
たとえば、カービィボウルの場合も、画面上はチェック柄の1マスが縦16ドット×横32ドットのひし形として描写されているが、内部の値としては、チェック柄の1マスは32768×32768の大きさをしている。つまり、描写上はまったく同じ位置にいるように見えても、内部の座標としては別である可能性もあるのだ。
そして、座標が正確でなければ、もちろん速度も正確には測れない。そして、その他の観測できる情報から、ゲーム内部で使われている座標や速度を正確に知ることは、普通は不可能である。だから、ほとんどのゲームは、2.の「探偵(読者)が原理的にトリックを推理不可能な場合」に相当し、ミステリーとはならない。
逆に、RPGや将棋やオセロなど、座標系が大雑把なゲームの中には、画面の表示が異なれば座標も異なり、座標が完全に特定できるものもあるだろう。こうしたゲームの場合は、1.の「探偵(読者)が最初からトリックを知っている場合」に相当し、やはりミステリーとはならない。
以上の様に、ほとんどのゲームにおいては、内部の座標系や速度というのは、最初から明確であったり、特定が不可能であったりして、ミステリーとはならないのである。
ところが、カービィボウルの場合、対称性の破れという現象により、本来推理不可能なはずの座標や速度を正確に特定することが出来る。
ポイントは、スーパーファミコンの時間軸方向の演算処理は、1フレーム単位で画面に反映されるという部分にある。つまり、画面を録画し、それをコマ送り再生する等の方法により、外部から時間軸方向の動きだけは正確に把握できるのである。
これを踏まえて、前回の内容を振り返る。前回の内容は、カービィが動いているフレーム数という時間軸方向の情報から、1フレームあたりの減速量という座標や速度に関連する情報を導いた。これは、カービィが動いているフレーム数という観測可能なものから、1フレームあたりの減速量という観測できないものを推理していることに相当する。これは、まさしくミステリーの構図である。
では、なぜこんなことが出来るかといえば、対称性の破れという仕様が実装されているからである。下記のように、対称性の破れによって、V0やrを特定できる可能性が生まれてくる。A.対称性の破れがない場合
カービィボウルの座標系や速度というのは、本来であれば解けないはずのパズルである。しかし、そこに対称性の破れという仕様が加わることで、これらの値の特定が可能になり、カービィボウルはミステリーに変化しているのである。
・各パワーにおいて、速度V0と1フレームあたりの減速量rは未知数
・各パワーにおいて、正方向と負方向で静止するまでのフレーム数は同じで、独立した式は1つしか出来ない
・各パワーにおいて、速度V0は異なっているため、V0もrも特定は難しい
B.対称性の破れがある場合
・各パワーにおいて、速度V0と1フレームあたりの減速量rは未知数
・各パワーにおいて、正方向と負方向で静止するまでのフレーム数は異なり、独立した式は2つできる
・2つの未知数に対して独立した式が2つあるため、連立方程式を解いて、それらの値が特定できる可能性がある。
ここで、通常のプレイでは対称性の破れという現象に気がつけないので、ミステリーとしては破綻していると思う人もいるかもしれない。
しかし、多くの人はカービィボウルをプレイする過程で、6-1でラインがずれが発生するという現象には遭遇したはずである。そして、この原因を突き詰めていけば、斜め方向の動きに着目し、対称性の破れという現象を”推理"することは、決して不可能ではないはずだ。(さらに言えば、バーニングの持ち越しが可能で、スタート地点から斜め方向の動きを観測できる、EX2-3という検証にぴったりなステージまで用意されている。)
以上のように、カービィボウルは、本来特定不可能なものが、推理によって特定できる珍しいゲームである。そして、ミステリーとしてのカービィボウルは、おそらく誰にも解かれることもなく、20年以上も眠っていた。
今、カービィボウルに対する理解は深まり、このミステリーに挑戦できるだけの材料はすでに揃っている。だからこそ、この難攻不落のミステリーに、挑戦を始めるときなのである。(次回に続く)
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