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「サイコロコロンブスの卵」練習用Androidアプリについて
簡易的なものではありますが、サイコロコロンブスの卵を練習できるAndroidスマートフォン用のアプリを公開しました。
サイコロコロンブスの卵の基本ルールはこちら
①ゲームの開始
タイトル画面で適当な場所をタップすると、ゲームが始まります。
②基本操作
ドラッグ操作でカードを移動させます。カードを動かしながら2分間の制限時間の間に式を完成させていきます。
③採点
制限時間が来るか、答え合わせボタンを押すと、数式の正誤を判定してくれます。間違っている数式は赤色、正しい数式は緑色がつきます。
なお、このアプリでは、制限時間後も、数式を変形させることが出来ます。じっくりと答えを探したい場合などにご利用ください。
パーフェクトについて
このゲームは、ほとんどの出目でパーフェクトが可能です。パーフェクトの解を見つけられると気持ちが良いゲームなので、ぜひパーフェクトを探してみてください。
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「サイコロコロンブスの卵」頭の体操問題 上級編の解答
今回は、初級編に続いて、頭の体操問題(上級編)の解答と解説をします。
初級編と違って、全問正解率10%くらいになるように難しめに問題を作ったつもりだったのですが、世の中には思った以上にこういうパズルが得意な人が多い様で、24%が全問正解という結果となりました。
【出題】
問題5
問題6問題7問題8【解答例・解説】ここから先は解答例・解説です。ゲームの特性上、細かい部分が違う式が何パターンか考えられますので、厳密に同じである必要はありません。問題5↓
(解説)
余っている「7」が「4+3=7」で作れることと、両辺の「1」「1」を外しても「34=34」で等式が成り立つことがポイントです。
普段はあまりしない考え方なのですが、11倍にするというのは、別の見方をすると、一桁ずらして足し合わせる演算という解釈が出来ます。(例)
これを利用して、34×11を計算すると、下記の様に十の位に「4+3=7」という計算が現れます。そして、この計算は繰り上がりが無いので、一の位と百の位はそのままです。
24×11
240(※24×10)
+ 24(※24×1)
-----
26434×11
これで、「34×11=374」という式が出来て、すべて使い切ることが出来ます。
340(※34×10)
+ 34(※34×1)
-----
374
問題6
↓
(解説)
この問題も、基本的な考え方はさっきの問題と同じで、11倍の計算が裏に隠れています。
まず、右辺の「27」に注目して、「2+7」を考えると、「2+7=9」なので、右辺を11倍すると、余っている「9」を1つ消費することが出来ます。27×11
270(※27×10)
+ 27(※27×1)
-----
297
次に、残りの「9」を使って、左辺の「9×3」を11倍する方法を考えます。すると、「9×11=99」なので、「9×3」を「99×3」に変えてやると、左辺も11倍することが出来ます。
よって、両辺を11倍した「99×3=297」という式を作れば、余っていた「9」2つが使いきれることになります。
ちなみに、余りが「3」「9」の場合でも、同じ考え方でサイコロを使い切ることが出来ます。右辺は同様に11倍して「279」として「9」を使い、「9」→「9×11=99」にする代わりに、「3」→「3×11=33」として、「9×33=297」を作ったらよいのです。問題7
↓(解説)
余っている「2」と「5」をかけると「5×2=10」となることと、数字の後ろに0をつけると、10倍になるというのがポイントです。
まず、「47=47」の形を作って、両辺を10倍することを考えてみます。すると、47の後ろに0をつけて「47」→「470」とする方法と、「47×2×5」として2と5をかける方法があるので、これを左辺と右辺に適用すると、「470=47×2×5」という等式を作ることが出来ます。
ただ、このままだともともとの問題の「×」「÷」記号が、「×」「×」記号になってしまっています。そこで、前回も触れた、「=」の反対側に移動させて逆演算子に変換するという考え方を適用します。
「470=47×2×5」の両辺を5で割ると、右辺の「×5」が、「÷5」になって左辺に移動するので、「470÷5=47×2」となり、解答例の形になります。(他にも、「470÷47=2×5」「470÷2=47×5」などの形も実質的に同じです。)
一般に、「N=N(ただしN≠0)」という形があり、「2」「5」「0」の数字が余っているとき、「×」か「÷」の記号が合計で2つ使えれば、今回と同様のやり方で「2」「5」「0」を消費することが出来ます。今回の例で言うと、それぞれ下記の様な使い方になります。
●「×」「×」の場合
470=47×2×5
●「×」「÷」の場合
470÷5=47×2
●「÷」「÷」の場合
470÷5÷2=47問題8
↓(解説)
この問題は、いくつかの解答が考えられますが、順番に変形しながら式を作っていく手順で出す解答を解説します。この問題に関しては、等号が成り立つ式なら、どんな形でもOKです。
(1)両辺の十の位にある「3」を外す
式の形を分かりやすくするために、いったん両辺の十の位にある「3」を外して、「6+1=7」の形にします。
(2)「6+1=7」に「3」を加える
「6+1=7」という式は、「6+7=13」の形にすることで「3」を付け加えられるので、これを使って「3」を1つ消費します。
(3)繰り上がりを活用して「3」と「4」を使う
「6+7=13」は、十の位への繰り上がりがあるので、差が1の数「3」「4」を消費することが出来ます。このとき、もともと十の位に置かれていた「1」は余りに戻します。
(4)両辺の同じ位に同じ数字を加えて消費する
余りのサイコロが「1」「1」で同じ数字となり、両辺に同じ桁数の数(「36」と「43」)があります。よって、両辺の百の位に「1」を付け加えて、「36」→「136」(+100)、「43」→「143」(+100)としても、両辺に100ずつ足されただけなので、等号は成立したままです。これで、回答の「136+7=143」という式を作ることが出来ました。
最後にこの問題を出したのは、サイコロコロンブスの卵が、簡単な変形の組み合わせで式を作っていくゲームということを説明したかったからです。
「31+6=37」(余り「1」「4」)
→「136+7=143」
という変形をいきなりひらめくのは難しいのですが、
「31+6=37」(余り「1」「4」)
→「1+6=7」(余り「3」「3」「1」「4」)
→「6+7=13」(余り「3」「1」「4」)
→「36+7=43」(余り「1」「1」)
→「136+7=143」
の様に順番に変形していくと、それぞれの個別の変形はそんなに難しくありません。この一歩一歩進んでいく感じは、数学に通ずるところもあると思います。
以上で、上級編の問題の解説を終わります。普段何気なくやっている計算も、少し見方を変えてみると、結構面白いと思いませんか?
この記事を見て、「サイコロコロンブスの卵」で遊んでみたいと思った方は、下記のサイトから入手ができます。また、ゲームマーケット2017秋でも頒布予定です。ボードゲーム・カードゲームの販売所
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「サイコロコロンブスの卵」頭の体操問題 初級編の解答
今回は、ツイッター上で出題していた、頭の体操問題(初級編)の解答と解説をします。
サイコロコロンブスの卵は、ゲームマーケット2017年春で発表したゲームです(※詳細は前々回の記事参照)。ルール自体は単純なゲームですが、普段あまりやらない頭の使い方をするので、慣れるまでは大変なゲームです。
今回は、そんなゲームで役に立つ考え方を、頭の体操問題として8問出題してみました。このブロマガでは、初級編の前半4問の解説をします。
前半4問は、そんなに難しくない問題なので、パズルが好きな方は是非挑戦してみてください。ちなみに、ツイッター上のアンケートでは、全問正解率は64%でした。
【出題】問題1
問題2
問題3
問題4【解答例・解説】ここから先は解答例・解説です。ゲームの特性上、細かい部分が違う式が何パターンか考えられますので、厳密に同じである必要はありません。問題1↓
(解説)
もし、「5」「2」「7」「ー」で等式を作るという問題であれば、ほとんどの人が「7-5=2」という答えを出せたのではないかと思います。しかし、今回の問題は「5」「2」「7」が2つずつあるため、少し工夫が必要です。
正解は、「77-55=22」です。十の位と一の位でそれぞれ「7-5=2」という計算をしていると考えると分かりやすいと思います。
完成している式は心理的に崩しづらいのですが、臨機応変に式を組み替えていくのが、このゲームのコツになります。問題2↓
(解説)
まず、「5+5=10」という式を考えます。すると、右辺は十の位に1が繰り上がっています。余っている「8」「9」の差は1なので、この繰り上がりの1を活用して、「85+5=90」という形を作ると完成です。
この問題の様に、上の桁への繰り上がりを活用して、差が1の数を使い切るというのは、応用がきくテクニックなので、バラバラの数字が余っているときはこのテクニックが使えないか試してみると良いと思います。問題3↓
(解説)
答えをいきなり見ても、何をやったか分かりづらかったと思います。この問題は2ステップで考えます。
(1)交換法則を使って9と3を入れ替える
掛け算には交換法則が成り立ちますので、「3×9=27」が成り立っているとき、3と9を入れ替えた「9×3=27」も成り立ちます。これを割り算で考えると「27÷3=9」が成り立っているとき、「27÷9=3」も成り立つことになります。
そこで、9と3を入れ替えて、まず「27÷9=3」と変形します。この変形によって、両辺が9で等しい等式が、両辺が3で等しい等式に変わります。
(2)両辺を+で結んで6を作る
あとは、余っている「+」「6」を使う方法を考えればよいのですが、6は3のちょうど2倍の数なので、両辺を足し合わせてやれば、3の2倍である6を作ることが出来ます。よって、答えは「27÷9+3=6」となります。
【別解】
ちなみに、この問題はもう1パターン答えがあります。27の十の位と一の位を入れ替えた72を作ると、「72÷6=12(=3+9)」という関係があるので、「72÷6=3+9」という解答でもOKです。
最初の解答の方が応用しやすい考え方にはなりますが、こういった解を作れるのもサイコロコロンブスの卵の面白いところです。問題4↓
(解説)
簡単そうに見えて、一番難しかったのがこの問題ではないかと思います。
少しひらめきづらいですが、余っている「4」「4」「0」から「4-4=0」という等式を考え、「5-2=3」を十の位に移して、これを一の位に挿入すると「54-24=30」という式を作ることが出来ます。
この式では、十の位では元の「5-2=3」という計算をして、一の位では「4-4=0」という計算をしています。
このテクニックは、0が余ってしまったときに、ペアになっている数字を使って消費できるテクニックなので、覚えておくと最後の一押しに有効です。
ちなみに、「5=3+2」の様な足し算の場合にも、同じように「4」「4」「0」を使い切ることが出来ます。「54-24=30」の「-24」を移項した、「54=30+24」の様な形を作ったらよいのです。
このように、サイコロコロンブスの卵では、逆演算子の関係にある記号を、「=」の反対側に移動させることで、相互に変換できる場合があります。これをうまく使うと、複数の変形を同一視できるため、非常に便利です。
以上で、初級編の解説を終わります。次回は、上級編4問の解説をする予定ですのでお楽しみに!上級編4問は、難しめの問題にしているため、一筋縄ではいかないと思います。【上級編の問題】(※次回解説予定)問題5問題6
問題7
問題8
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