「宮城由来」どう対処 新型コロナ感染拡大、抑止と経済の両立難しく 

2021/3/20 14:30
県内各種団体が出席し、感染抑止策と経済対策を協議した「山形県民会議」=県庁

 首都圏4都県の緊急事態宣言が21日までで解除される中、新型コロナウイルスの感染が拡大する宮城県は独自の宣言を発令。隣接する本県も新規感染者が急増し、吉村美栄子知事は19日、宮城県との往来制限を県民に求めるよう危機対策本部会議に出席した県幹部に指示した。一方、同日開かれた「新型コロナ克服・創造山形県民会議」では観光・飲食業などの窮状を訴える声が相次ぎ、感染抑止と経済対策を両立させるかじ取りの難しさが浮き彫りになった。

 県新型コロナワクチン接種総合企画課によると、3月1~18日の新規感染者33人のうち、11人が往来などで宮城県との関係が推定されている。全体の33%を占め、宮城県由来の感染は拡大傾向にある。

 吉村知事は19日、危機対策本部会議で県民に対して通勤通学や入学、就職などを除き、宮城県との往来を控えるよう求めた。県医師会も会員の産業医らを通じて、県内事業所などに往来自粛を促していく。

 首都圏4都県での緊急事態宣言は21日の期限で解除されるが、県はその後もこれらの地域との往来は当面、慎重に行うよう求める考え。卒業旅行は感染の再拡大の動きがある宮城、沖縄両県のほか、首都圏へも自粛を呼び掛ける。

 感染力が強いとされる変異株への危機感も高まっている。県内では未確認だが、県衛生研究所(山形市)に先月検査態勢を整えた。吉村知事は「隣県の新潟県や福島県では既に変異株が確認されている。いつ本県で確認されてもおかしくない状況で、怠りなく対策を取りたい」としている。

 県庁で開かれた「山形県民会議」の第7回会合では、各経済団体から「今月の売り上げが(前年同期比で)3~5割減という事業所が7割に上っている」「年末年始に続き、年度替わりのキャンセルは深刻だ」などと悲痛な声が相次いだ。イベントの中止で花き販売が低迷し、金~日曜の営業でしのぐ観光業の現状も報告された。

「局面、数日で一変」県医師会、対策訴え

 「山形県民会議」にリモートで出席した県医師会の中目千之(なかのめちゆき)会長は本県の感染状況に関し「ここ数日で局面ががらりと変わった。宮城県、仙台市で独自の緊急事態宣言を出すほど感染者が急増し、それに引きずられるように本県、山形市でも増えている」と危機感を示した。

 県内での感染拡大の要因として(1)宮城県、仙台市からウイルスが持ち込まれている(2)感染経路不明者が多くなり、特に山形市で市中感染が起きている―との見方を示した。この2点について対策が必要とした。

 (1)は宮城県との往来自粛のほか、通勤などで両県を行き来している人は自らがウイルスを持ち込む危険性があることを強く認識し、節度ある生活を心掛けるよう求めた。(2)では外での会食、飲食の自粛を求め、例えば歓送迎会は式典のみにすることを提案した。

 医療従事者を対象に新型コロナワクチンの接種が進む中、中目会長は「この時期に感染が広がれば、医療従事者の過度な負担が増えて接種にも影響が出る。接種を円滑に進めるためにも、気を引き締めてほしい」と呼び掛けた。

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