東京都品川区の老人ホームで2019年4月、入所者の男性を暴行し死亡させたとして、傷害致死罪に問われた元介護職員の沢田(旧姓根本)智紀被告(29)の裁判員裁判で、東京地裁は25日、懲役8年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。

 鈴木巧裁判長は判決理由で「信頼を寄せるべき介護職員に理不尽な暴行を受け、突然命を奪われた被害者の無念さは察するに余りある」と述べた。

 弁護側は「被告以外の人物が暴行を加えた可能性がある」と無罪を主張したが、判決は被害者の話や、けがの状況などから「被害者の対応に手間がかかり、いら立った被告が暴力を加えたと推認される」として退けた。