陸装研ロゴ 16式機動戦闘車 ATLAロゴ

1.「16式機動戦闘車」とは?

 戦車の最高速度は時速70km前後ですが、カタピラで走るので荒れ地が得意で、車輪で走る車両は荒れ地で戦車にはまず追いつけません。しかし、戦車は自力で長距離を走るのは苦手で、車輪で走る車両に比べて給油や部品の交換など、整備が必要になる場面が多くなります。そのため、戦車を長距離移動させる場合はトレーラー輸送をするのが普通です。逆に、車輪で走る車両は長距離を走るのが得意です。高速道路などの舗装路を使うなら、時速約100kmの高速で走ることもできます。
16MCV00 こうした車輪で走る車両の利点に目を付けて、車輪を持った装甲車に戦車に近い攻撃力を持たせ、何かあったときには舗装された道路網を走らせてその場へ真っ先に駆けつけさせよう、という考え方が世界中で出てきました。そうした考えに基づいて、日本が作り上げたのが16式機動戦闘車です。頭の数字は戦車と同じに、2016年に採用されたことを示します。8つの車輪を持つ、重量約26トンの車両です。10式戦車は口径120mmの砲を積んでいますが、こちらは一回り小さい105mmの砲を積んでいます。
 16式機動戦闘車の試作車両は4両が製作され、そのうち2号車を陸上装備研究所が所有しています。

2.デモンストレーション…………と言いたいのですけど、ごめんなさい

 皆様に試作車両の2号車の動くところを見ていただきたかったのですが、写真のみの公開とさせていただきます。申し訳ありません。とはいえ、砲塔を旋回させた状態の写真もあり、なかなか他では見られないものだと思います。また、画質は他のページより良いものとしておりますので、細部までお楽しみください。

16MCV01

車庫から出るときの一枚。ハンドルを切ってます

16MCV02

ほぼ真正面からの一枚

16MCV05 16MCV06

砲塔を旋回しての二枚

 この試作2号車、ヘッドライトにご注目です。量産車両はLEDの四角形のものですが、この車両はハロゲン式(昔ながらの電球です)の丸目で、どことなく愛嬌があるのです。