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Microsoftが延命したYammerの今後は(上)
2020/03/23
米Microsoftのコラボレーション戦略というと、最近の主役は「Teams」かもしれない。だが、2012年に12億ドルで買収したエンタープライズソーシャルネットワーク「Yammer」のことも、決して見捨てたわけではない。
実際Microsoftは、昨年11月のカンファレンス「Ignite 2019」で、Yammerにリニューアルを加えることを発表した。同社のFluent Design Systemにのっとった新しいユーザーインタフェースや、これまでよりスマートなニュースフィードを取り入れ、同社の他のツールとの連携を強化するという内容だ。連携を強化するツールとは、OutlookやSharePoint、そしてもちろん、Teamsである。新しいYammerは、今年リリースとなる予定だ。
Yammerはこれまで、コラボレーションとコミュニケーションのためのツールという大ざっぱな捉え方をされてきたが、3つの訴求点を明確にした。そう説明するのは、MicrosoftでYammer担当のゼネラルマネージャーを務めるMurali Sitaram氏だ。「1つ目は、会社全体をカバーする大規模なコミュニティを形成すること。2つ目は、社内でコミュニケーションやコラボレーションを行う人々のナレッジを共有し活用すること。3つ目は、リーダーや従業員の大規模な関与を引き出すことだ」
MicrosoftがYammerを独立したプロダクトとして維持することは、「Skype for Business」をはじめとするプロダクトとは対照的だ。こうしたプロダクトを廃止してTeamsに一本化する動きが見られたことから、Yammerについても、今後を疑問視する声が上がっていた。
しかしどうやらMicrosoftは、YammerとTeamsを用途が異なるツールと認識しているようだ。Yammerについては、比較的大規模なコミュニティを形成して従業員がロングテールの情報を共有するツールと捉えているのに対し、Teamsの方は、特定の目的を持つ比較的小規模なグループがリアルタイムのコミュニケーションに使うツールと捉えている。
「Yammerは、我々が『半減期が長い会話』と呼んでいるようなやりとりに向いている。チャットの仕組みだけではうまくいかないやりとりだ。チーム内のチャットや会話は、24時間後にはあまり意味がなくなっていることも多いが、Yammerの会話は、半年後や1年後でも有益な場合がある」とSitaram氏は言う。
TeamsとYammerの「共食い」を予想したユーザーもいたかもしれないが、両者の違いをOffice 365ユーザーに向けて明確に打ち出したことが、導入の促進につながった。「Yammerの伸びが加速したのは、違いを明確にしたからだ。リーダーから従業員、幅広いコミュニティへと、トップダウン的なシナリオを求める顧客は、Yammerに引かれる。一方Teamsは、チームをつなぐボトムアップの導入が主眼だ」
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