いつもより早くベッドにINできたので、「映画でも観るか～」と上映90分という理由だけで簡単にピックアップした自分を殴りたい！！！！と90分後に後悔した作品でした。寝る前に見ちゃダメ。絶対。※U-NEXTで無料配信中
あらすじ
第二次世界大戦下のドイツ。ナチス将校の父を持つ8歳の少年・ブルーノは、母から立ち入りを禁じられていた森の中で、フェンスの向こう側に住む同い年の少年・シュムールと出会う。縞模様のパジャマを着たシュムールと、ブルーノは友情を育んでいくが…。
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原題：The Boy in the Striped Pajamas
監督：マーク・ハーマン
日本公開：2009年／上映時間：95分
キャスト
エイサ・バターフィールド ／ ジャック・スキャンロン
デヴィッド・シューリス ／ ヴェラ・ファーミガ ／ ルパート・フレンド
感想
もう～～～とにかくラスト10分前くらいから「うわうわうわうわ…」の右肩上がり展開。ピタゴラスイッチばりに止まることなく悪い方向へ突き進みます。
タイトルとパッケージからお察しの通り、奴隷と塀の外にいる少年が仲良くなって、最後は悲しい結末なんだろうな…（奴隷の少年が殺されたり…）憂鬱だな…と、誰しもがするであろう大方の予想。そんな凡庸な予想を大幅に超えてきたのが本作品でございます。「想像していたより遥かにバッドエンド…！！！！」「鬱エンドとはこのこと…！！！！」と豪語できます。観た後は目がバッキバキに醒め、悪夢フラグが漂う中就寝するハメになりました。寝る前に見ちゃダメ。絶対。（2回目）
結末に至るまでは、「とにかく子供たちがかわいい」の一言。（ほっぺた食べたくなるかわいさ…）90分という短さもあって、中だるみすることもなく、目が離せない展開でした。
主役のブルーノはナチス将校の父を持つ、いわゆる裕福な家庭の男の子。子供の視点で物語は進むため、ブルーノのちょっとした表情で心情の変化を読み取ることになります。（まわりの大人の行動に対して疑問を抱いていたり…腑に落ちない顔をしたり…）
そして8歳という年齢のせいなのか、育ちのせいなのか、めーっちゃピュア。まぁその純粋さがなかったらあんな結末にはならなかったのだろうけど。。。
私が8歳のときはもう悪い事を考えていたような…今の人格からして絶対にそう……
中でも印象的なシーンは、新しい家で雇われていたユダヤ人のおじいさん（パヴェル）がブルーノのケガを手当してくれたところかな～理不尽な迫害を受けているにもかかわらず、めっちゃいいおじいちゃんなんですよ…
※この優しいおじいさんの存在に対しても、嫌なフラグがビンビンに立つのですが、見事に回収（まじで最悪）してくれました。
その後ブルーノのお母さんが帰宅し、おじいさんからブルーノをさっと遠ざけたときには、（お金持ちの偏見野郎め…！）と思ったのですが、その後小さな声で「ありがとう…」とお礼を言っていたので、“ユダヤ人は悪”とされていたこの時代、洗脳がすごかったんだろうな…という気持ちに切り替わりました。ブルーノママごめん。
そうそう、家庭教師の見事な洗脳教育っぷりに、ブルーノのお姉ちゃんも「人形遊び」から「ヒトラー万歳」にシフトチェンジしてたもんね…恐ろしい時代やで…
夫（ナチス将校）の“仕事内容”や、ドイツ軍に疑問を持つブルーノママの演技、すごくよかった。途中、なんか見覚えあるな…って思ったら エスターのママだし、死霊館の霊能力のある人じゃん！と気づいて速攻ググる ⇒ 答え合わせ ⇒ 正解
※脱線しますが、エスターは本当におもしろい映画なのでおすすめです。
個人的 “大どんでん返し映画界” のNo.1です。結末予想できた人いる？？？？
話を戻します。
ブルーノと友達になる「シュムール」（収容されていたユダヤ人の少年）もいい味出してたなぁ。ブルーノにもらったお菓子を食べたことが軍人にバレてしまい、怖くなったブルーノが「シュムールが勝手に食べた…」と逃げてしまったシーンは悲しすぎて悲しすぎて。まぁ子供の世界ならよくある話だと思うんだけど、この時代かつ奴隷として収容されていたシュムールにとっては地獄でしかなかっただろうに…
その後、フェンス越しで会った時には予想通りボコボコにやられた姿で登場…つらい…
ふたりでチェスをするシーン、シュムールが「楽しい」と笑ったのが唯一の救いです。
結末（ネタバレ）
※完全なるネタバレ※
夫の言動や収容所での事実により、精神的に追い詰められたブルーノママは「今の環境は子供たちにとってよくない」と引っ越しを提案します。
＜引越し当日＞
収容所内で行方不明になったシュムールの父を探すため、ブルーノは引っ越しの合間にシュムールの元へ。※お菓子事件のお詫びに、シュムールパパ捜索のお手伝いを約束
有刺鉄線でできたフェンス下の土を堀り、シュムールと同じ縞模様のパジャマを着て収容所へIN。フェンスの外側では楽しそうに見えていた風景も、中に入ると全く違う現実に驚くブルーノ。（ブルーノ帰りたくなる⇒約束したじゃないかとシュムールに言われとどまる）
棟内を探していると、突然「全員表に出ろ！！！」の命令。（嫌な予感START！）
他のユダヤ人（ほとんど大人）に挟まれながら、ふたりは“シャワー室”へ。
次は「衣類を脱いで裸になれ」の命令。（うわ…もう最悪…）
一方、ブルーノママは息子がいないことに気付き、収容所挙げての捜索開始…！収容所のフェンス前にブルーノの服を発見…！ママ発狂…！（そりゃそうだ…）
真っ暗なシャワー室の中、恐怖につつまれる大勢のユダヤ人。ブルーノとシュムールは震えながらお互いの手をギュッ…（もう最悪だ…最悪すぎる…小さいお手手が…）
収容所内を調べまわる父も半狂乱…！どこにもいない…！（クソオヤジ急いで）
防毒マスクをした兵士が、薬物を投入。父発狂しながら叫ぶ。（もう考えられるところはあそこしかないの図）フェンスの外ではブルーノママ、姉が泣き叫ぶ。
ラストは、静まり返ったシャワー室前の扉（引きのカメラワーク）と脱ぎ捨てられた多数の縞模様のパジャマが映されてフェードアウト。でした。
は～～～～～い
まじで鬱～～～！！！！！憂鬱～～～～～！！！！
こんな鬱エンド観たことな～～～い！！！！！
過去、鬱エンドと言われる作品はいくつか観てきましたが、格が違いました。
＜視聴作品＞個人的鬱エンド編
・ミスト
・ファニーゲームU.S.A
・オールドボーイ
・ムカデ人間
・冷たい熱帯魚
この後ブルーノの遺体を見た父親は、目を背けていた“ことの重大さ”にやっと気づくのだろうか…あとジジイ（ブルーノ祖父）も根っからのナチズムだったけど、この出来事によって考え方が変わるのだろうか…あとブルーノママは生きていけるのだろうか……
結局、判断基準となったのは「ナチスかユダヤ人か」ではなく、「縞模様の服を着ているかどうか」だったんだなと、ひねくれあげた気持ちになりました。おしまい。
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