若い人が舞台を身近に感じる。そんな流れをつくる歯車になりたい。
「原作は……とにかく難しい(笑)。でも、フィリップになら、そんな作品でも身を委ねられるという絶対的な信頼があったんです。事実、彼が手がけた脚本には膨大なストーリーが集約されていて。わかりやすく、力強い舞台になる予感がしています」
さらに4月からは、16年に上演され、日本中を興奮の渦に巻き込んだブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』の再演が決定。
「『罪と罰』の期間中は、演じる主人公のラスコリニコフ同様、悶々とした日々を過ごすことになるはず(笑)。それくらいの覚悟で臨まなければ、お客様に届かない作品だと思うんです。だから、その後に大好きな『キンキーブーツ』が控えているのは、ご褒美と言ったら変だけど……絶妙なバランスなんですよね」
インタビュー中には、舞台を愛する三浦さんならではのメッセージも。
「日本の若い世代の方に、舞台をもっと身近に感じてほしい。そのためにはSNSを多用して新しい宣伝の形をとるとか、彼らに〝おもしろそう!〟と思ってもらえる仕掛けをつくらないと。若者がお金を貯めて、恋人やお友達と劇場に足を運ぶような流れをつくる歯車のひとつに、僕自身がなれたらと思っています」
モアへの登場は、約2年ぶり。その間には、ロンドンへの2カ月間の短期留学も経験したという。
「向こうでは、語学学校に通いながらゴスペルのワークショップを受けたり、ミュージカルを観にいったり。そうそう、一度フィリップにも会ったんです。『罪と罰』を理解するにあたって大切にするべきことを拙い英語で尋ねたら、すすめてくれたのは宇宙学に基づいたカオダイ教の本。〝あんな難解な戯曲をこんな難しい本で理解しなきゃいけないの?〟って戸惑ってしまいました(笑)」
ドラマやレギュラー番組の撮影で、たびたび海外を訪れている三浦さん。モア読者におすすめの国は?
「ニュージーランドは、人がいい、気候がいい、食べ物もおいしい! それに、ある自然公園に行くと、グローワームという昆虫の放つ光がすごくきれいな道があるんです。その景色を目にすれば、日々の疲れが吹き飛ぶことは間違いないです!」
みうら・はるま●1990年4月5日生まれ、茨城県出身。ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』が2019年4月16日より上演。『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(12月28日公開)、『アイネクライネナハトムジーク』(2019年秋公開)など映画出演作も待機