image by:twitter@shimamarineland
さて、また大好きなタコの話をしよう。海外のSNSで最近話題となっていたのは96本腕のあるタコの画像である。「こんなのコラだろ?」「ありえないだろ?」との声が多く上がっており、「ファクトチェックサイト」でも取り上げられていたほどだが、本当にいたのだ。
現在このタコの標本は、三重県志摩市の志摩マリンランドで展示されている。
【記録上最高本数の腕を持つタコ】
この画像はもともと、「Pink Tentacle」というサイトが2008年に紹介したもので、今年3月、再びSNSで話題沸騰したようだ。
体長90センチ、重さ3.3キロ、96本もの腕をもつこのタコは、1998年12月に三重県志摩半島の東側にある的矢湾で捕獲されたものだそうで、現在はその標本が志摩マリンランドに展示されている。
捕獲から5ヶ月後、このタコは死んだが、死ぬ前に卵を産んだ。飼育下にある多腕タコが卵を産んだケースは世界初だという。
[画像を見る]
産卵する96本腕のタコ credit:pinktentacle
無事、孵化した赤ちゃんは皆、8本腕だったが、1ヶ月後に死んでしまったそうだ。
【あまりの腕の多さに海外ではコラ疑惑が殺到】
96本もの腕をもつタコなんて本物にいるのか?という声が多く上がったため、ファクトチェックサイト「Snopes」は本物であるとの記事を最近発表した。
このタコは元々8本腕のタコだったが、それが細かく枝分れしていて、吸盤のある腕が93本、皮下に包まれた腕(袋枝)が3本で、最終的に96本になったという。
なぜこんな現象が起こるのか、はっきりした説明はないが、専門家は、なんらかの怪我を負った後に現れるタコの変則的な再生能力が原因と考えている。これは、タコ類の間では一般的に見られる分岐というプロセスだ。
1957年に鳥羽市答志島で発見された85本腕のマダコもそうだ。オリジナルの8本腕が細かく枝分かれした96本腕のタコのケースと同じ状況だという。
[画像を見る]
credit:足いっぱいのタコ | 鳥羽水族館 飼育日記
この触手の多さ、クトゥルフ好きにはたまらないし、創造上のクトゥルフのはるか上をいってるじゃないか。
【タコに関する驚くべき事実】
飼育されているタコには、退屈すると自分の腕を食べてしまうという奇妙な行動が見られるという。
行動範囲が制限され、十分な刺激がない環境に入れられると、この知能の高い頭足類は、自食作用という行動をとることが知られている。これは体の不要な器官を自ら取り除いてしまう行為だ。
その知能の高さゆえに、タコは道具を使う動物であることも知られている。彼らは空のココナッツの殻を移動できる家として使うことが観察されている。
新江ノ島水族館にいたマダコは、エサの入った広口ビンの中に入れると、器用に触手で蓋をクルクル回して脱出することができるとして話題となった。
とにかくタコに関しての興味は尽きることはないのだ。
追記(2021/03/19)本文を一部修正して再送します。
References:96-Armed Octopus Photographed in Japan, People Wonder If It Is Real/ written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:かつて96本の腕を持つタコが日本で捕獲されていた。志摩マリンランドで展示中 https://karapaia.com/archives/52300235.html
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